太陽光パネルリサイクル事業を展開するROSI社との資本業務提携について

2022年11月29日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下:「伊藤忠商事」)は、先進的な太陽光パネルリサイクル技術を開発・保有するROSI SAS(本社:フランス、CEO:Yun Luo、以下「ROSI(ロシ)社」)との太陽光パネルリサイクルのビジネス推進・拡大に向けて、同社の実施する第三者割当増資を引受け、資本業務提携契約を締結いたしました。

昨今、寿命を迎えた太陽光パネルの大量廃棄が近い将来起こるという懸念が世界中で広がっています。欧州では2000年半ばに導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)によって太陽光発電の導入量が急激に拡大しました。一方、太陽光パネルの寿命は一般的に20年程度と言われ、欧州では2020年半ばから太陽光パネルの大量廃棄が加速度的に増加すると見込まれています。また日本国内でも同様に2012年からFIT制度が導入され、2030年頃から太陽光パネルの大量廃棄が発生すると見込まれています。その廃棄量は、今後10~15年で現在の10倍以上、2036年には太陽光パネルの廃棄量は約17-28万t、最終処分される産業廃棄物全体の1.7~2.7%を占めるまで急増すると予測されています。※1 脱炭素社会を見据えた持続可能な再生可能エネルギーの導入に向けて、これら廃棄太陽光パネルに関する適切なリサイクルチェーンの確立が今後の大きな課題となっています。

2017年創業のROSI社は、太陽光パネルのリサイクル市場が先行して立ち上がる欧州において、従来型の物理的な破砕による太陽光パネルのリサイクル手法とは異なり、太陽光パネルに含有される素材の中で特に市場価値の高い銀・銅・シリコンを化学処理によって純度高くリサイクル回収する先進的な技術を開発・保有しております。また、2021年に開催されたフランス国内における太陽光パネルリサイクルの公共案件を受託し、2023年初頭からフランスでリサイクル商用プラントの稼働開始を予定しており、欧州域内においても注目を集めています。

伊藤忠商事はこれまでに国内外に向けた太陽光パネルの販売、メガソーラー発電所の開発推進、当社の出資先である株式会社VPP Japan(商業施設の屋根スペースを活用したオンサイト分散型太陽光発電所開発)や株式会社クリーンエナジーコネクト(国内の遊休地を活用したオフサイト分散型太陽光発電所開発)を通じて、太陽光発電を産業用・住宅用・屋根型・土地型の全領域において導入拡大を推進してまいりました。これまで培ってきた太陽光発電関連ビジネスのノウハウ及びネットワークに加え、ROSI社の保有する先進的、かつ、経済性の高いリサイクル技術を組み合わせることで太陽光パネルリサイクルチェーンの確立に貢献してまいります。尚、ROSI社とは国内外において太陽光パネルリサイクルビジネスの共同開発・事業展開を行っていく予定です。

伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針として「『マーケットイン』による事業変革」ならびに「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げており、今回のROSIとの資本業務提携を通じて、太陽光発電ビジネスにおける新たなエコシステムや循環型リサイクルビジネスを創出し、持続可能な社会の発展にむけて貢献してまいります。

  • ※1出典:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 太陽光発電開発戦略2020

会社概要

会社名 ROSI SAS
設立日 2017年
本社所在地 Grenoble France
代表取締役社長 Yun Luo
ウェブサイト https://www.rosi-solar.com/

太陽光パネルリサイクル概要図

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