ポリエステルのケミカルリサイクル技術のライセンスを目的とした合弁事業会社(株式会社RePEaT)の設立について

2022年12月1日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)、帝人株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長執行役員CEO:内川 哲茂、以下「帝人」)、日揮ホールディングス株式会社(本社:横浜市西区、代表取締役会長CEO:佐藤 雅之、以下「日揮HD」)は、ポリエステル製品をケミカルリサイクルする技術のライセンスを目的とした合弁事業会社「株式会社RePEaT(リピート)」(以下「RePEaT」)を設立することとして合弁契約を締結しました。

近年、温室効果ガスによる気候変動が地球規模の課題となるなど、サステナビリティに対する意識が大きく変化しています。中でも繊維産業においては、製造工程におけるCO2の排出や、衣料品の大量廃棄が問題視されており、サプライチェーンを通じた環境負荷の低減や、資源循環の仕組み(エコシステム)の確立が求められています。

使用済みの繊維製品の利用は、熱利用する「サーマルリカバリー」や、別の製品原料とする「マテリアルリサイクル」といった方法が一般的ですが、「ケミカルリサイクル」は、繊維製品を再び繊維原料へ化学分解することにより、繊維to繊維のリサイクルができる画期的な方法です。

本事業のケミカルリサイクル技術はDMT( D i m ethyl T erephthalate)法*と呼ばれ、ポリエステル(PET)をモノマーに分解・変換してから再重合し、再生PETを製造する技術です。DMT法は、そのプロセスの中で、着色されたポリエステル繊維から染料や不純物を除去することができるため、石油由来のPETと変わらない品質の再生PETの製造が可能です。また、帝人はポリエステル製品を対象とした本ケミカルリサイクル技術の商業運転実績を有しています。

  • *DMT法:テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを使用したエステル交換反応によりポリエステルを重合する方法

DMT法の実績やノウハウを有する帝人、総合エンジニアリング事業において豊富なプラント建設実績と知見を持つ日揮HD、繊維産業において国内外に幅広いネットワークを持つ伊藤忠商事の3社は、2021年4月に共同協議書を締結して以来、本技術をグローバルにライセンスする事業の可能性を模索してきました。

このたび、本ライセンス技術の需要が十分に見込まれたことから、3社合弁の事業会社として株式会社RePEaTの設立を決定したものです。

RePEaTは帝人のDMT法をベースに、帝人と日揮HDが共同で効率化・パッケージ化したリサイクル技術をライセンスします。これにより、ポリエステル製品のケミカルリサイクル事業へ参入する国内外の事業者をサポートします。

また、RePEaTは、本技術のライセンス提供に加えて、リサイクル原料となる使用済みポリエステル繊維製品の回収を含めたエコシステム構築のコンサルティング事業を通じ、ポリエステル製品のリサイクルを推進することにより、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

株式会社RePEaTの概要

名称 株式会社RePEaT(リピート)
業務内容 ・ポリエステル製品を原料としたケミカルリサイクル技術の国内外へのライセンス事業
・上記に関連する技術・情報の調査、設計、技術指導、及び コンサルティング業務
所在地 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号 霞が関コモンゲート西館
設立時期(予定) 2022年12月
資本金 1億円(+資本準備金1億円)
出資比率 帝人:45%、日揮ホールディングス:45%、伊藤忠商事:10%