次世代型燃料電池メーカーUpstart Power Inc.との資本・業務提携について

2022年12月19日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、次世代型燃料電池メーカーであるUpstart Power, Inc.社(本社:米国マサチューセッツ州サウスボロー、CEO:Paul Osenar、以下「Upstart社」)の第三者割当増資を引き受け、Upstart社の製造する次世代型燃料電池の日本市場における共同開発、製造、マーケティング、独占販売に関する戦略的業務提携契約を締結しました。

2018年創業のUpstart社は、住宅用燃料電池システム” Upgen™ NXG ”を製造・販売する米国スタートアップ企業です。特許取得済みの熱制御技術や独自開発の材料技術等を応用することで、以下の特徴を持つ分散型発電としての次世代型燃料電池の製品化に成功し、米国市場で実装を始めています。

①間欠運転機能 : 短時間での発電のオン・オフが可能
②機器のコンパクト化 : 貯水タンクが不要
③多様な燃料の選択肢 : 都市ガス、プロパンガス、メタン等

間欠運転機能を実現できることで 太陽光と蓄電池を主力電源としつつ、梅雨時や発電/蓄電容量を超える需要が発生する場合に Upgen NXGがバックアップ電源として発電し、電力を供給することが可能となります。伊藤忠商事は展開中の住宅用太陽光+蓄電池ネットワークを制御するAIソフトウェア(グリッドシェア)をUpgen NXGにも接続し、系統用電力もあわせた最も経済的な電力の供給を家庭ごとに判断、制御していくことで 高騰を続ける電気料金に対するソリューションを提供する予定です。

貯水タンクが不要になることで 機器を大幅にコンパクト化・コスト削減できるメリットを生かし、戸建て住宅だけでなく、これまで難しいとされた集合住宅への分散電源のネットワーク化も検討をしていきます。また多様な燃料をシステムの改良なく使用できることから 都市ガス、LPガスの顧客接点を持つ企業とのパートナーシップを通じた 分散電源ネットワークの“面”展開を図っていきます。

今後、社会が目指す脱炭素化の流れから、EV、再生可能エネルギーの導入が加速する見込みです。一方、それに伴う系統システム、電力価格の不安定化が社会的課題として挙げられており、蓄電池や分散発電源などの調整力の重要性がますます高まることが予想されています。当社は、これまで培ってきた蓄電池を起点としたエネルギーマネジメントプラットフォームに、分散発電源であるUpgen NXGを加えることで、系統システムならびに電力価格安定化に寄与する新たな仕組みを構築し、脱炭素社会の実現を目指したビジネスを推進してまいります。

会社概要

会社名 Upstart Power, Inc.
設立 2018年
本社 米国マサチューセッツ州サウスボロー
代表者 Paul Osenar
従業員数 45名(取締役:6名)

Upgen™ NXGの概観

写真:Upgen NXG