エッジAIスタートアップ企業のIdein株式会社との資本・業務提携について

2022年12月23日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、エッジAIプラットフォームを提供するIdein株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役/CEO:中村 晃一、以下「Idein(イデイン)社」)と資本・業務提携いたしました。

伊藤忠商事は、株式会社ファミリーマート(以下「ファミリーマート」)及び、ファミリーマートとの合弁会社である株式会社ゲート・ワンと共同で、ファミリーマート店頭にデジタルサイネージ・メディア「FamilyMartVision」を設置して広告・メディア事業を展開しております。

近年、広告・メディア事業において、広告効果測定の重要性が高まっており、特に急成長を続けるインターネットのデジタル広告では、サイトの視認計測等の様々なツールが開発され、測定データから広告を効率化することで広告主のニーズに応えています。一方で、屋外広告や交通広告等、リアルな場に掲出される広告の効果測定は、代表地点での定期的なアンケート調査等となっており、測定データの質と量の改善が望まれています。

伊藤忠商事は、FamilyMartVisionの実証実験段階より、サイネージの視認結果をデータ化すべくIdein社と共同でAIカメラ(AIによる画像分析)の開発を行ってまいりました。AIカメラの活用においては、画像撮影に伴うプライバシー保護への配慮・データ量の増大による通信ネットワーク負荷などの課題がありますが、Idein社が保有するエッジAI※1の技術を活用することで、それらの課題を解決して測定データの質と量の改善を図っております。

現在、ファミリーマート約3,000店舗で展開しているFamilyMartVisionにおいてAIカメラを導入し、サイネージの視認状況に加え、お客様の性別や年代を、プライバシーに配慮した形でデータ化※2しております。このAIカメラのデータを活用して高い広告効果を実現する仕組みを構築することで、メディアであるFamilyMartVisionの競争優位性を確立し、伊藤忠グループが行う広告・メディア事業全体の強化へと繋げていく方針で、今般、協業をさらに加速するためにIdein社と資本・業務提携を行うことと致しました。

今後はサイネージの視認計測のみならず、客層分析や店内の行動分析を行うAIモデルの開発や、開発したAIモデルの他小売やサービス業、物流業、製造業、その他社会インフラに関わる幅広い分野への横展開を進めてまいります。また、AIカメラ以外の分野においてもIdein社と共同で開発を行ってまいります。

少子高齢化が進む日本は、多くの企業で人材不足が課題となっており、その対策の一つとしてAIを活用したサービス分野は、高い成長性が見込まれています。伊藤忠商事は、Idein社をはじめとした高い技術力を持つ企業との提携を通じ、伊藤忠グループの事業基盤や広範なネットワークを活かし「マーケットインの発想」でリアルとデジタルの融合による新たな付加価値の創造を目指してまいります。

会社概要

会社名 Idein株式会社
代表者 中村 晃一
本社所在地 東京都千代田区神田神保町1丁目4-13
設立 2015年4月7日
URL https://www.idein.jp/ja

FamilyMartVisionとAIカメラ(サイネージ中央上部)

写真:FamilyMart店内で買い物する2名の女性とサイネージ画面

  • ※1エッジAI:
    遠隔地での大規模データセンター(クラウド)における従来のAI解析と対比し、店舗等の測定現場のデバイス(エッジ)にてAI解析を行うコンセプトの総称。AI活用に伴う課題である、データ量の増大による通信ネットワーク負荷、データのセキュリティ、への有力な対策と期待されています。
    Idein社は、安価なデバイス上で高度なAI解析を実行するソフトウェアを開発する等、高い技術力を持つ企業であり、2021年にはエッジAIでの国内トップシェア(デロイト トーマツ ミック経済研究所 『エッジAIコンピューティング市場の実態と将来展望 2021年度版』 「エッジAIプラットフォームのベンダシェア(台数)」による)となっています。
  • ※2エッジAIを用いることにより、撮影されたお客様の画像は撮影と同時にAI解析及び破棄が行われ、お客様個人を特定するデータは保持されません。