組織横断協業プラットフォーム「バーチャルオフィス」の導入について

2023年2月22日

 伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井敬太、以下「当社」)は、組織の壁を越えて社員がオンライン上でチームを組成し、組織横断的な案件の推進を可能とする「バーチャルオフィス」という新たな取組みを2023年4月より導入することを決定しましたのでご報告します。

 2021年12月に当社が実施したエンゲージメントサーベイの結果から主に2つの課題が抽出されました。一つは「組織を越えたアイデアやリソースの共有」です。当社ではディビジョン・カンパニー制を採用しており、意思決定が迅速になされる等のメリットも多い一方、組織の縦割りにより、組織間の人員やリソースの効率的な共有が十分でない面があります。もう一つは、若手・中堅社員の「キャリアの主体性・成長機会」に関するものです。若手・中堅社員は自身でキャリアを主体的に切り開き、成長機会を得ることに大きなやりがいを感じる一方、自らが選べるキャリアの選択肢は限定的であり、担当業務に関連しない新たな事業やチャレンジに関心があったとしても、それに関わる機会が十分でないと感じていることが分かりました。
 これら課題を解決する一つの取組みとして今般、オンライン上の組織「バーチャルオフィス」を導入しました。当社では2019年7月に第8カンパニーを設立し、従来の商品基軸による部・課を設けず、異業種融合・カンパニー横断の取組みを加速させ、「マーケットインの発想」による新たなビジネス創出を目指しておりますが、今回の「バーチャルオフィス」では、自らが高い関心・熱意を持つ案件に、本業以外の細切れの時間を利用して希望する社員のみが携わることが出来ることになります。

 「バーチャルオフィス」はその有効性を検証すべく、2022年10月から12月までの3か月間、トライアル実施をしました。5つの案件が設定され、全社から性別・勤務地・年代・職掌等バックグラウンドの異なる社員が集まり、案件毎に新規事業創出に向けた議論が為されました。本取組みは短期間であっても「成果を求められる」ことが特色であり、自ら手を挙げ、案件に参加していることから参加者の熱意も高く、近い将来、花開くことが期待されるビジネスアイデアが複数生まれています。
 トライアル参加者へのアンケートからは、91%の社員が「バーチャルオフィス」を通じた自身の成長、カンパニーを越えた人脈の広がり等により、働きがいが高まることが分かりました。また、本業以外の細切れ時間の活用、社員自身が高いモチベーションを維持していたことから、当初懸念していた本業への支障や多残業といった問題にも繋がりませんでした。トライアル参加者の上司からも同様の回答があり、「バーチャルオフィス」への参加を通じて組織の壁を越えた新たな価値創造や社員の成長・働きがいの向上に繋がることが確認されました。
 本取組みにより多様な価値観を持つ社員の能力発揮が最大化され、「厳しくとも働きがいのある会社」として一層の労働生産性・企業価値向上を目指していきます。