日本におけるリニューアブルディーゼル流通拡大に向けたNeste社との商標ライセンス契約締結、及び協業の強化

2023年5月29日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、世界最大のリニューアブル燃料メーカーであるNeste OYJ(本社:フィンランド、CEO:Matti Lehmus、以下「Neste社」)との間で、Neste社が生産するリニューアブルディーゼル(Renewable Diesel:以下「RD」)であるNeste MY Renewable Dieselの日本国内での流通拡大に向けて商標ライセンス契約締結およびブランディング強化に関する協業契約を締結しました。

日本国内でのGHG排出削減に関しては、2050年のカーボンニュートラル(以下「CN」)や2030年度の46%削減の実現に向けて、政府は「クリーンエネルギー戦略」を掲げ積極的に推進しています。
RDは「ドロップイン燃料」として、既存の流通インフラ・内燃機関を活用しながら排出削減を可能にすることから、運輸業界や建設業界では有効な排出削減施策としてRDの活用が大きく期待されています。また、自動車製造業界は、電気・水素を新たな動力源とした次世代車両の開発を強化する一方で、RDを含めたCN燃料の活用も必要な対応策として位置づけ、2050年のCNを推進しています。

2021年5月、伊藤忠商事は株式会社ファミリーマート(本社:東京都港区、代表取締役社長:細見 研介)の店舗向け配送トラックの代替燃料として、国内初となるRDの商用利用を実現しました。また、伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:吉田 朋史)と連携して、RDの配送および給油所整備など供給網の拡充を進め、幅広い顧客の排出削減に貢献してきました。
Neste社は、今後更なる需要が見込まれる再生航空燃料であるSAFやRDの生産拡大を計画しており、現在の生産能力330万トン/年は、2024年初頭までに550万トン/年、2026年末までに680万トン/年へ増加する予定です。Neste社の安定した供給実績や優れた製品品質は、日本の顧客からも高い評価を得ています。

伊藤忠商事は、今回のライセンス契約を機に、RDの輸入基地を確保し、タンカーでの輸入を今年度下期から開始します。また、現在の供給エリアである首都圏および中京圏を、2025年開催の大阪・関西万博を契機にRD利用の機運が高まる関西圏まで拡大していきます。

伊藤忠商事は、中期経営計画の基本方針に「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げており、今後もリニューアブル燃料の普及を通じて、顧客に寄り添いながら、循環型社会・脱炭素社会の実現に向けて貢献してまいります。

  • Neste MY Renewable Dieselは、食品競合の無い廃食油や廃動植物油等を原料として製造され、ライフサイクルアセスメントベースでのGHG排出量で石油由来の軽油と比べて約90%の削減を実現します。RDは「ドロップイン」燃料として、既存の車両/給油関連施設を活用することが可能であり、既に欧米を中心に広く流通実績があります。脱炭素施策に係る導入コストを最小限に抑え、GHG排出量削減にも大きく貢献できる次世代リニューアブル燃料として、今後の陸上輸送分野での更なる利用拡大が期待されています。

写真:商標ライセンス契約締結時の様子

商標ライセンス契約締結時:
Neste社 Katja Wodjereck (Ms.) EVP Renewable Road Transportation(前段左)、
伊藤忠商事 田中アジア・大洋州総支配人(前段中)

写真:ファミリーマートと配送トラック

提供:株式会社ファミリーマート

写真:Neste社の燃料

提供:Neste社