EU-ETSの対象拡大と炭素国境調整メカニズムの導入を見据えた(英)環境ソリューション企業CF Partnersとの業務提携について

2023年6月9日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井敬太、以下「伊藤忠商事」)は、欧州地域において排出権の販売を手掛ける英国企業CF Partners(本社:英国ロンドン、Co-CEOs: Jonathan Navon / Thomas Rassmuson、以下「CFP社」)と、排出権取引拡大のため業務提携いたしました。

2023年4月にEU理事会は、炭素国境調整メカニズム(以下「CBAM」)の導入を決定しました。CBAMは、鉄鋼製品、アルミニウム、セメント、肥料等を域外からEU市場に輸入する際に、排出量に応じた炭素コストが課金されるメカニズムであり、2023年10月からの排出量報告義務期間を経て、2026年に課金が開始される見通しです。また、同時にEU理事会は欧州排出量取引制度(以下「EU-ETS」)の海運セクターへの拡大を決定しました。2024年からEU域内を発着する総トン数5,000トン以上の船舶が対象となり、2026年には排出量の100%分の排出枠 (以下「EUA」) の購入義務が生じる為、本邦海運セクターも規制対象に含まれる見込みです。

CFP社は排出権のみならず、再生可能エネルギーや他脱炭素商材の提供及び価格リスクマネジメントサービスを提供する環境ソリューション企業です。2006年の創業以来、累計25億トン以上の排出権を取引してきた実績が有り、2022年には単年で約30億ドルの売上を達成しました。

伊藤忠商事は幅広い業界におけるグローバルな販売ネットワークを活かし、CFP社が調達・保有する排出権の販売窓口として、特に日本及びアジア諸国における排出権取引を支援します。更にCFP社と共同で幅広い業界の顧客に対してEU-ETSの実情を踏まえたセミナー開催や業界情報の発信、客先個別のニーズに沿ったソリューションの提供を推進し、CBAMや海運EU-ETSに関する取組ニーズの掘り起こし及び排出権の販売を図ってまいります。

伊藤忠商事はこれらの取組を通じて、中期経営計画の基本方針である「『マーケットイン』による事業変革」と「『SDGs』への貢献・取組強化』」を着実に推進してまいります。

CBAM導入を見据えた取組の概念図