最新eVTOL型ドローンを用いた医療機器輸送に関する実証実験を実施
北海道・内浦湾における初のドローン輸送で輸送時間を大幅短縮
2024年6月24日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、ドローンによって北海道・内浦湾を横断し、医療機器を輸送する実証実験を実施いたしました。尚、内浦湾をドローンが横断することは本邦初となります。
日本では、2022年12月の改正航空法によりレベル4(有人地帯における目視外飛行)※が解禁され、ドローンの活用領域が大きく拡大しております。また、医療機器はその性質から、輸送にあたって緊急性及び定時性の両方が求められる一方で、その物流を担うインフラ及び輸送人員の維持、並びに離島・山間・ BCP対応での安定供給が課題となっております。ドローンによって、全自動かつ高速で医療機器を搬送することは、このような社会課題に大きく寄与する可能性を秘めております。
今回の実証実験は、株式会社竹山(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:土田 拓也、以下「竹山」)、一般社団法人ドローン大学校(本社:東京都港区、代表理事:名倉 真悟、以下「ドローン大学校」)を共同実施者、AIR WINGS合同会社(本社:東京都江戸川区、代表社員:林 賢太、以下「AIR WINGS」)を協力企業とした共同実験として実施しました。実験内容としては、伊藤忠商事が2022年3月に資本業務提携・販売代理店契約を締結したドイツのWingcopter GmbH社製のeVTOL型ドローン「W198」を使い、竹山が提供する急性期脳梗塞血栓回収に用いる医療機器等を輸送しました。また、室蘭市潮見公園(イタンキ浜)から茅部郡森町(森漁協)まで、陸路だと2時間以上かかる距離を、内浦湾を空路で横断することで、最短約28分で輸送することができました。
伊藤忠商事は経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、社会の変化に伴い多様化する売り手・買い手・世間のニーズを捉え、川下を起点にビジネスを開拓・進化させ、事業領域を拡大していきます。今回の実証実験を通じて、高性能なeVTOL型ドローン「W198」を利用したドローン配送ネットワークの構築を進め、多様なニーズ・社会課題に対応したサービスの提供を目指してまいります。
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※レベル4(有人地帯における目視外飛行):
市街地等の有人地帯における「目視により常時監視することなく飛行させる」無人航空機(ドローン)の飛行。
本プロジェクトにおける各社役割
伊藤忠商事 | 実証実験のとりまとめ、機材提供、運航 |
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竹山 | 医療機器の監修、提供 |
ドローン大学校 | 無人航空機操縦者技能証明の取得に向けた教育 |
AIR WINGS | 運航支援 |
輸送ルートイメージ
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使用ドローン「W198」詳細
製造会社 | ドイツWingcopter社 |
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モデル | W198 |
最大積載量 | 最大4.5kg |
耐風性 | 平均15m/s 突風時20m/s |
巡行速度(標準) | 90km/h |
最大飛行距離 | 110km |
本体L x W x H | 167cm x 198cm x 66cm |
本体重量 | 24.9kg |
機体特徴 | ・他社にないプロペラ・ローターの可変機構(特許)により、マルチコプターの垂直離着陸・ホバリング機能と固定翼の高速・長距離飛行の両特性を獲得 ・垂直離着陸が可能なため、固定翼の飛行特性を持ちつつも追加離発着インフラが不要 ・完全自律飛行が可能 ・世界各国の航空当局の型式認証の取得を目指し、航空機に要求される安全性に準拠する冗長設計を追求 ・2024年3月28日、海外メーカーとして本邦初めて、第一種型式認証の申請を国交省航空局より受理される |
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