航空機アフターマーケット事業への参入を目的としたKillick社への出資について
2024年9月9日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、航空機のパーツアウト※1・中古部品販売・OEM部品販売※2・エンジンリース等を行うKillick Aerospace Limited (本社:アイルランド、CEO: Russell Starr、以下「Killick社」)に出資し、航空機アフターマーケット事業に参入いたしました。
航空機の需要は、コロナ禍による航空旅客市場の大きな落ち込みからの急回復に加え、足元では、安定した成長が見込まれております。また、一般的に航空機は20年以上使用することが多く、各国の法制度に基づいた整備を実施することにより、安全性の担保が求められています。整備においては、新造した部品に加えて、適切な検査や修理を行い航空当局の承認を得た中古部品の使用が年々増加しており、中古部品の需要は2032年に現在の約1.5倍となるおよそ110億米ドル規模になることが見込まれております※3。中古部品を使用することは、航空会社にとってコスト面のみならず、部品調達のリードタイムを短縮できるといったメリットに加えて、部品再利用による資源の有効活用という環境面での貢献も期待されています。
Killick社は約20年に亘り、アイルランドを中心に米国、英国、シンガポール、オーストラリアに拠点を構え、航空機のパーツアウト・中古部品販売を中心とした航空機アフターマーケット事業を展開してまいりました。具体的には、ボーイング航空機用のハネウェル社製窒素生成システムなどの機器の販売も行っているほか、エアバス社およびボーイング社製航空機向けの様々な部品を取り扱っております。また、多くの航空会社・整備会社・製造会社とネットワークを持ち、高度な部品調達能力、在庫管理能力、グローバルな部品販売網を有していることで、今後の航空機整備の需要拡大に合わせてさらに成長していくことが見込まれています。
伊藤忠商事は自社単独で航空機リース事業を長年に亘り手掛けてきましたが、航空機リース事業と航空機アフターマーケット事業は航空機のバリューチェーンの中で親和性が高く、今回の出資を機に、今後両社の強みを掛け合わせることで、より顧客ニーズに合致した高品質な部品の提供が可能になるとともに、民間航空機事業の拡大を目指してまいります。また、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、川下を起点とした成長投資を加速し、事業領域を拡大するとともに、航空機部品の再利用を通じて資源の有効活用を推進し、航空業界の持続可能な成長・社会課題の解決に貢献して参ります。
- ※1パーツアウト:退役機体を解体し、エンジンや機体の適切な検査や修理を行う事で再利用が可能な部品を取り下すこと。修理された中古部品は航空当局の再認証を受け世界中の航空会社、整備会社、リース会社などへ販売し再利用される。
- ※2OEM部品販売: 航空機部品メーカーの新品純正部品の販売。
- ※3 Acumen Research and Consulting Report より
Killick社について
会社名 | Killick Aerospace Limited |
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代表者 | Russell Starr |
本社所在地 | Unit N3 Horizon Logistics Park, Harristown, Swords, County Dublin, Ireland, K67 E2A8 |
設立 | 2006年 |
事業内容 | パーツアウト・中古部品販売・OEM部品販売・エンジンリース等 |
URL | https://www.killickaerospace.com/ |
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