鉄鋼業界の脱炭素化に貢献するブラジル鉄鉱石事業への追加出資について
2024年11月6日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井敬太、以下「伊藤忠商事」)は、ブラジル鉄鋼大手のCompanhia Siderúrgica Nacional社(本社:ブラジル連邦サンパウロ州、以下「CSN社」)より、CSN社が保有するブラジル鉄鉱石生産・販売大手CSN Mineração S.A.(本社:ブラジル連邦ミナス・ジェライス州、以下「CM社」)の株式、10.74%を約4,420百万レアル(約1,170億円)で取得することに合意致しました。伊藤忠商事は、2008年よりCM社に対し間接的に7.15%出資しており、今回は追加出資となります。
■CM社について
CM社はブラジル第2位の鉄鉱石生産量を誇っており、2023年度の鉄鉱石販売量は4,300万トンと過去最高を達成しました。CM社が保有するカサ・ジ・ペドラ鉱山は、鉄鋼業界の脱炭素化に貢献する鉄分が高い「高品位鉄鉱石」を、大規模かつ低コストで生産可能な希少な既操業鉱山です。
■低炭素還元鉄サプライチェーン※1でのCM社「高品位鉄鉱石」の使用について
伊藤忠商事はアラブ首長国連邦(UAE)鉄鋼最大手のEMSTEEL(本社:UAEアブダビ、Group CEO:HE Eng. Saeed Ghumran Al Remeithi、以下「エムスチール」※2)とともに低炭素還元鉄サプライチェーンを推進しております。CM社のカサ・ジ・ペドラ鉱山から生産される高品位鉄鉱石を原料として、UAEでエムスチールとの協業により低炭素還元鉄を製造します。この低炭素還元鉄は日本国内等で製鉄原料として活用されます。低炭素還元鉄を使用した電炉での製鉄は、通常の高炉での製鉄と比較し、CO2排出量が半減する見込みです。
■今後の展開
CM社の高品位鉄鉱石は、鉄鋼業界の脱炭素化に貢献する低炭素還元鉄サプライチェーンに必要不可欠な原料です。伊藤忠商事は本追加出資を通じ、CM社との協業関係の強化・更なるハンズオン経営を実施することで、CM社の生産体制の整備・拡大を図ります。また、UAEへの安定した高品位鉄鉱石供給を担い、低炭素還元鉄サプライチェーンを推進してまいります。
伊藤忠商事は経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、市場・社会・生活者等のあらゆるステークホルダーの声に耳を傾けながら、「SDGsへの貢献・取組強化」を推進しています。
出資スキーム図/CM社が保有するカサ・ジ・ペドラ鉱山の写真
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低炭素還元鉄について
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CM社会社概要
会社名 | CSN Mineração S.A. |
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代表者 | Carlos Rodrigues de Campos Mello Junior (Superintendent Director Officer) |
本社所在地 | ブラジル連邦ミナス・ジェライス州 |
設立年 | 2015年 |
事業内容 | 鉄鉱石、ロジスティクス(港湾・鉄道) |
URL | https://ri.csnmineracao.com.br/en/ |
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※1「鉄鋼業界のグリーン化に貢献する低炭素還元鉄のサプライチェーンの構築について」
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2022/220901.html
「鉄鋼業の脱炭素化に関する3者間協力覚書を締結」
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2024/240509_2.html - ※22024年9月にエミレーツ・スチールより、エムスチールに社名を変更