カワサキモータース株式会社との資本業務提携および北米ファイナンス事業会社の設立に関するお知らせ
2024年11月8日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、このたび、川崎重工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:橋本 康彦、以下「川崎重工」)の子会社であるカワサキモータース株式会社(本社:兵庫県明石市、代表取締役社長執行役員:伊藤 浩、以下「カワサキモータース」)と業務提携(以下「本業務提携」)に関する契約を締結し、第三者割当ての方法によりカワサキモータース株式の20%を取得すること(以下「本株式取得」)に合意いたしました。同時に、伊藤忠商事およびカワサキモータース両社の米国法人を通じて、米国にて販売金融事業(以下「ユーザー向けファイナンス事業」)を目的とした合弁会社設立を予定していますのでお知らせいたします。
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市場背景
米国のパワースポーツ※1市場は世界最大の約150億ドル規模であり、パワースポーツ商品の需要は、コロナ禍における屋外レジャーのニーズ拡大に伴い急成長し、足元も堅調に推移しています。また、カワサキモータースは、米国の二輪車マーケットにおいて業界有数の競争力およびシェアを有しており、二輪車で培ったブランド認知度を活かしつつ、多様な顧客ニーズに応える魅力的な新規モデル導入を多数計画しており、今後はオフロード四輪車マーケットでの更なる拡販を企図しています。
協業の目的と具体的内容
伊藤忠商事とカワサキモータースは、1960年代以降の海外進出の初期段階において、伊藤忠商事が輸出業務・欧州販売代理店業務で協業関係にありました。このたび、カワサキモータースのグループビジョン2030に示される成長戦略に対する共感に基づき、中長期的なパートナーとして、本株式取得と本業務提携の合意に至りました。
特に商品単価が高額となるオフロード四輪車では、購入にあたり長期の分割払いに対するニーズが強いことから、代理店や顧客に対する迅速な審査プロセスや、景気変動に左右されない競争力のあるファイナンスメニューを提供することが求められます。このたび、両社にとって大きなシナジーが見込める米国でのユーザー向けファイナンス事業を目的とした合弁会社の設立を予定しております。
将来的には二輪車に限定されないパワースポーツ商品のグローバルな拡販を推進すべく、両社の人材交流や伊藤忠商事のグローバル拠点の活用を検討しています。具体的には、一層の二輪車需要の高まりが想定されるインド・東アジアを含め、伊藤忠商事が自動車ビジネスを通じて深い知見を持つCIS・中近東・アフリカ・中南米等の新興市場を筆頭に、北米に限らないグローバルでの需要拡大が期待されるパワースポーツ市場においても、広範な業務提携を推進します。
今後も、伊藤忠商事とカワサキモータースは業務提携を加速し、伊藤忠商事は中長期的な事業パートナーとしてコミットすることで、カワサキモータースの「グループビジョン2030成長戦略」の実現に貢献して参ります。今後の具体的な協業体制の確立や、持続的な事業競争力強化を進める中で、両社の企業価値の更なる向上に努めます。
伊藤忠商事は、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、創業以来160年超にわたって築き上げてきた川上・川中における資産・ノウハウを駆使し、より消費者に近い川下ビジネスを起点に成長投資並びに事業拡大を進めてまいります。
- ※1:二輪車やスノーモービル、オフロード四輪車(ATV・SxS等の全地形対応車)等の、アウトドアアクティビティ用途のエンジン・モーターが搭載された車両
協業のスキーム図
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カワサキモータースについて
カワサキモータースは、2021年10月1日に川崎重工のモーターサイクル&エンジン事業が分社化され発足し、「カワサキに関わる人すべての、よろこびと幸せのために」をカンパニーミッションとして掲げています。1960年代に先進国二輪車市場に進出を果たして以降、長年に亘り築いてきた伝統を維持・継承し、「Kawasaki」ブランドはグローバルに高い認知度を誇っています。現在では、2020年にグループビジョン2030として売上収益1兆円を目標とする成長戦略に基づき、二輪車のみならずオフロード四輪車・PWC(パーソナルウォータークラフト※2)等のパワースポーツ商品のポートフォリオを拡大しています。
- ※2:パーソナルウォータークラフトの通称JetSkiは、カワサキモータースが保有する商標です。
カワサキモータースについて
会社名 | カワサキモータース株式会社 |
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代表者 | 代表取締役社長執行役員 伊藤 浩 |
本社所在地 | 兵庫県明石市川崎町1番1号 |
設立年 | 2021年 |
URL | https://www.global-kawasaki-motors.com |
本第三者割当の概要
払込期日 | 2025年4月(予定)※3 |
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引受新株数 | カワサキモータース普通株式4,000株 |
引受価格(払込金額) | 1株当たり20百万円 |
払込金額 | 80,000百万円 |
募集方法(割当予定先) | 第三者割当の方法(伊藤忠商事) |
当社持株比率の変化 | 実施前:0.0% → 実施後:20.0% |
- ※3:伊藤忠商事の株式取得は関係当局の許認可などの取得を条件としています。
合弁会社概要
合弁会社の運営においては、伊藤忠商事が過去の投資案件※4から得た知見・ノウハウを最大限活用し、合弁会社の事業経営やファイナンス商品提案、審査与信体制の構築などを担うことで、マーケティング支援と連動しつつ、顧客販売基盤の更なる強化を行います。魅力的な新規モデル導入と並行しつつ、マーケットインの視点で質の高い金融サービス提供を行うことで、カワサキモータース製品・サービスの更なる拡販を推進し、米国でのバリューチェーンを強化します。
会社名 | 未定 |
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本店所在地 | カリフォルニア州フットヒルランチ |
代表者 | 未定 |
事業内容 | カワサキモータースが取り扱うパワースポーツ商品に対するユーザー向けファイナンス事業 |
資本金 | 未定 |
営業開始予定 | 2025年4月(予定)※5 |
株主(議決権比率) | ITOCHU International Inc. (50%) Kawasaki Motors Corp., U.S.A.(50%) |
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※4:直近類似の投資案件
北米の建設機械向けファイナンスの合弁会社設立のお知らせ(2022年11月21日)
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2022/221121.html
- ※5:設立に際して必要となる関係当局の許認可などの取得を条件としています。