海外製薬企業の日本市場参入支援について

「ドラッグ・ロス」解消に向けた総合支援サービス「J-STEP」の提供開始

2025年6月5日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、100%出資会社であるエイツーヘルスケア株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:神谷 均、以下「エイツーヘルスケア」)及びITC Venture Partners, Inc(本社:米国カリフォルニア州、President & CEO:山領 雄、以下「IVP」)を通じて、海外製薬企業が日本市場に進出する際に必要となる機能を包括的に提供する総合支援サービス「J-STEP」を開始しました。

現在、日本の厳しい薬事規制や治験関連手続きの煩雑さ、欧米と異なる薬価制度等を理由に、海外製薬企業が日本市場を敬遠し新薬が入ってこない「ドラッグ・ロス」の拡大が指摘されています。また、欧米で承認されていながら、国内では承認されていない「国内未承認薬」の半数以上は、海外の新興バイオ医薬品企業が新薬開発を担っており※1、「ドラッグ・ロス」解消に向けて、海外企業の日本での開発意欲を高める仕組が求められています。

伊藤忠商事は、様々な領域・疾患における企業及び医師主導治験を数多く受託するエイツーヘルスケアを中心に、「ドラッグ・ロス」解消に向けた多角的な取組を展開しています。2024年3月、米国ボストンに同社支店を設立し、海外製薬企業の日本における新薬開発を支援しています※2。また、米国シリコンバレーを拠点に事業開発を推進するIVPは、北米製薬企業から日本企業へのライセンス導出※3を支援するコンサルティングサービスを提供し、すでに複数の実績を有しております。

今般、当社は、エイツーヘルスケア及びIVPを通じて、海外製薬企業の日本市場進出を支援します。具体的には、IVPが、海外のベンチャーキャピタル(VC)やスタートアップとのネットワークを通じて、新薬開発候補品(シーズ)を探索し、エイツーヘルスケアは海外製薬企業との窓口として、国内の新薬導入における全てのフェーズを支援します。様々な治療手段や開発ニーズに応じて、医薬品卸や医薬品製造受託機関(CMO)、医薬品開発製造受託機関(CDMO)、非臨床の医薬品開発業務受託機関(CRO)等のパートナー企業と連携し、市場調査から薬事承認プロセス、製造、上市後の流通までを提供します。

伊藤忠商事は、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、社会の変化に伴い多様化する売り手・買い手・世間のニーズを捉え、川下を起点にビジネスを開拓・進化させ、事業領域を拡大しています。本取組により、複雑化する治療手段の特性ごとに最適な支援が可能となり、あらゆる疾患領域に対する新薬の導入を加速し、患者の治療選択肢を拡充することが期待できます。今後も、当社は「ドラッグ・ロス」という社会課題の解決に尽力し、より良い医療が提供される社会に貢献してまいります。

提供サービス図

エイツーヘルスケア株式会社

所在地 東京都文京区小石川1-4-1 住友不動産後楽園ビル20F
代表 神谷 均
設立 2003年7月
事業内容 医薬品・医療機器・再生医療等製品・ワクチン開発、
製造販売後調査等、臨床研究受託事業
URL https://www.a2healthcare.com/

ITC Venture Partners, Inc.

所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州メンローパーク
代表 山領 雄
設立 2025年4月
事業内容 事業開発および投資事業の運営管理