FIP転事業における協業について
佐賀相知太陽光発電所の設計・建設を開始
2025年7月28日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)と、株式会社九電工(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長執行役員:石橋 和幸、以下「九電工」)は、大型蓄電池を併設する形での太陽光発電所のFIP転事業※1を共同で推進することを決定いたしました。
市場状況
再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の最適な活用を目指して、政府によるFIP再エネ電源への出力抑制順位の優遇※2や、蓄電池併設への補助事業等の支援策が整備されており、既存のFIT再エネ電源をFIPに転換し、蓄電池を併設して運用することで、事業収益の改善を図ることが可能になります。また、需給調整市場における調達量不足も課題となっており、蓄電池を使った需給調整機能の重要性も増しています。
協業の目的・スキーム
本協業では、①伊藤忠商事による競争力のある安定的な蓄電システムの調達と②九電工による信頼性のあるEPC※3を融合させ、FIT事業者様の収益向上に応えるFIP転と蓄電池の導入を推進して参ります。
第一弾として、伊藤忠商事と九電工が共同出資する佐賀相知ソーラー株式会社(佐賀相知太陽光発電所: FIT再エネ電源、2018年4月より商業運転開始)にてFIP転を決定し、九電工と蓄電池併設のEPC契約締結をいたしました。また本事業では、経済産業省の「令和6年度 再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業費補助金」を活用します。
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佐賀相知太陽光発電所への併設型蓄電池事業概要
事業主 | 佐賀相知ソーラー株式会社(出資比率:伊藤忠商事50%、九電工50%) |
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所在地 | 佐賀県唐津市相知町 |
定格出力(電池) | 12,000kW |
定格容量(電池) | 49,356kWh |
電池方式 | リチウムイオン電池 |
運転開始時期 | 2026年度(予定) |
蓄電池設置イメージ |
本協業では、伊藤忠商事が多様な調達ネットワークから蓄電池、PCS、EMS等を組み合わせ、最適な蓄電システムを供給の上、運用・保守までを行います。また、長年にわたる電力トレードの知見を活用することで、電力市場での蓄電池の最適運用※4と収益拡大を目指します。九電工が、全国で数多くの太陽光発電、風力発電等の再エネ発電設備のEPCを手掛けてきた豊富な実績とノウハウを活かし、FIP転事業においても最適な設計・施工を行っていきます。
本協業を通じて、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再エネの導入拡大と電力の安定供給に貢献してまいります。
- ※1FIT再エネ電源をFIP(Feed-in Premium)に転換する事業。FIPは再エネ発電事業者が市場で売電する際に、市場価格に対して一定のプレミアムが交付される制度。
- ※2FIP再エネ電源よりもFIT再エネ電源が先に出力抑制指示を受けるもので、FIP再エネ電源は相対的に長く発電を継続できる措置。
- ※3EPC:設計から機器・資材・役務の調達、建設及び試運転まで一括して請け負う事業。
- ※4太陽光の発電予測、市場価格予測、市場売電、蓄電池の充放電計画の最適化等。