女性活躍推進に資金使途を限定した債券「オレンジボンド」の発行について

2025年9月5日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井敬太)は、資金使途をジェンダー・ポジティブ※1な取組に限定したオレンジボンドを日本で初めて発行することをお知らせします。

背景・目的

当社は、企業価値向上を実現するためには女性の活躍が不可欠であるという一貫とした考えのもと、女性の経営参画促進や働き方・キャリアの課題解決等、幅広く女性活躍を推進してきました。2024年2月には、女性活躍の更なる推進に向けた施策を公表しています※2。また、当社の女性社員のみならず、当社グループのバリューチェーンにおいて、女性活躍支援プログラムの提供やジェンダー平等に資するテクノロジーへの投資、女性活躍を推進している企業とのビジネス強化等も進めています。今般、当社はジェンダー関連債券であるオレンジボンドを発行する日本初の企業となりました。オレンジボンド発行を通じ、当社はジェンダー平等と女性活躍推進の姿勢を幅広いステークホルダーの皆様にお示しするとともに、ジェンダー・ポジティブな取組をより一層深化させてまいります。

当社オレンジボンド 概要

発行金額 152億円
年限 3年

資金使途
ジェンダーに関わらず全ての従業員等が長期にわたり活躍できる環境構築
・福利厚生としての卵子凍結保管や不妊治療等に係る費用、託児所整備費用
・環境構築に向けた外部コンサルティング費用
・周産期医療を提供するクリニック運営費用   等
サプライチェーン上で女性が活躍する企業等への投資及びそのような企業からの製品の調達
・グアテマラからのコーヒー豆調達
・女性支援・活用を積極的に行っている企業への投資   等
ジェンダー平等に資するサービス・製品を提供する企業等への投資及びそのような企業からの製品の調達
・フェムテック※3事業への投資
・フェムテック製品の調達   等

オレンジボンド及びフレームワーク

オレンジボンドとは、ジェンダーの平等と女性や性的マイノリティのエンパワーメント(能力向上)を推進するプロジェクトに対する資金調達を目的とした債券です。発行にあたり、Orange Bond Initiative™が定めるOrange Bond Principles™※4に基づき、(1)ジェンダー・ポジティブな資金充当※5、(2)発行体のオレンジボンド発行に係る意思決定プロセスにおける多様性の確保やジェンダー平等に関する方針の明示、(3)投資プロセス及びレポーティングの透明性が充足されたフレームワークの策定が必要となります。当社は2025年8月にフレームワークを公表※6しており、Impact Investment Exchange Pte. Ltd※7より Orange Bond Principles™への適合性についてのセカンド・パーティ・オピニオン※8も取得しています。なお、フレームワーク策定及びセカンド・パーティ・オピニオン取得にあたり、助言等の支援を行うストラクチャリング・エージェントとして大和証券株式会社を選定しています。

  • ※1ジェンダー・ポジティブ: ジェンダー平等の推進
  • ※22024年2月28日公表:  女性活躍の更なる推進に向けて|プレスリリース|伊藤忠商事株式会社
  • ※3フェムテック:フェムテックとはFemale(女性)及びTechnology(テクノロジー)の造語であり、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するデバイスや商品、アプリ・サービスなどを指す。
  • ※4Orange Bond Principles™: 2022年10月に策定された、オレンジボンドに関する取引を促進する発行体、投資家、アレンジャー、及び外部評価機関をサポートするためのガイドライン。オレンジボンドとして認定されるためには、Orange Bond Principles™に示される(1)ジェンダー・ポジティブな資金充当、(2)意思決定プロセスにジェンダーの視点が取り入れられていること、(3)投資プロセス及びレポーティングの透明性、に沿うことが期待される。また、発行体は、承認された外部評価機関から外部レビューを受ける必要がある。
  • ※5ジェンダー・ポジティブな資金充当: 調達資金の少なくとも50%超をジェンダー・ポジティブなプロジェクトに充当することが求められており、本オレンジボンドによる調達資金もOrange Bond Principles™に則り充当・管理を行う。
  • ※6オレンジボンド・フレームワーク: (2025年8月19日公表)OrangeBondFramework_1.pdf
  • ※7Impact Investment Exchange Pte. Ltd: シンガポールを拠点として2009年に設立された、インパクト投資の促進を目的としたプラットフォーム及びサービスを提供する企業。主にジェンダー平等と気候変動対策に焦点を当て、資金の活用とデータ駆動型ソリューションを通じ、世界中で社会的・環境的な影響を最大化している。同社は、Orange Bond Initiative™のステアリングコミッティーのメンバーの1社であり、Orange Bond Principles™の策定にも関与している。また、Orange Bond Principles™に基づくオレンジボンドの普及に向け、第三者評価機関としてセカンド・パーティ・オピニオンの提供を実施している。
  • ※8Impact Investment Exchange Pte. Ltdによる適合性に関するセカンド・パーティ・オピニオン: OrangeBondExternalReview.pdf

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