いすゞとファミリーマートと伊藤忠、バッテリー交換式EVトラックを使用した配送実証を横浜市で開始

国内初の両サイド同時交換を採用、カーボンニュートラル化と輸送効率化を両立

2025年9月18日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)と、いすゞ自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長COO:南 真介、以下「いすゞ」)、株式会社ファミリーマート(本社:東京都港区、代表取締役社長:細見 研介、以下「ファミリーマート」)、横浜市(市長:山中 竹春)は、国内初となる車両の左右両側からバッテリーを同時交換できるステーション及び、これに対応したバッテリー交換式「エルフEV」をファミリーマート約80店舗への商品配送に使用する実証実験を、2025年11月より横浜市内で開始します。

バッテリー交換ステーション及び実証用車両イメージ

日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指しており、物流業界においても脱炭素化が急務となっています。24時間営業のコンビニエンスストアへの配送は、昼夜問わず連続して行われるため、車両の高い稼働率が求められています。また、配送用トラックの電動化には充電に伴うダウンタイムが大きな課題であり、短時間で満充電のバッテリーに交換できるバッテリー交換式車両の活用が有効な解決策とされています。

このたび、バッテリーを両サイドから同時に交換可能な仕様に改造した「エルフEV」を3台配備し、横浜市内のファミリーマート約80店舗にてルート配送を行います。この実証用車両はバッテリー交換ステーションとの通信機能を搭載し、車両がステーションに入庫すると自動で満充電のバッテリーへと交換が始まり、従来のディーゼル車の燃料給油と同等の時間でバッテリー交換が完了します。このように、今回の実証実験では現場の業務効率化と車両運行の継続性向上について検証してまいります。

これまで伊藤忠商事は、いすゞおよびファミリーマートと連携し、固定式EVトラックによる配送実証や、環境省委託事業でのバッテリー交換式小型EVトラックと交換ステーションを活用したファミリーマート店舗向け配送実証を実施してきました。また、いすゞと連携し、量産型EV「エルフ EV」の導入支援や、各種ソリューションの提供を通じて、商用車EVの普及と脱炭素化に継続的に取り組んでいます。

伊藤忠商事は、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」のもと、市場・社会をはじめとするさまざまなステークホールダーの声に耳を傾け、「SDGsへの貢献・取組強化」を推進しています。今回の配送実証を通じて、いすゞと共同で事業性および脱炭素効果の検証を行い、バッテリー交換式EVトラックの早期実用化を目指してまいります。

(参考資料)
■バッテリー交換ステーション説明動画
(動画は2024年10月から行っている、いすゞ藤沢工場内での実証実験を撮影したものです。)
https://youtu.be/s7JB_ylqehA?si=CmfxMMKnlbvVYJlY

実証概要

実証開始日 2025年11月
車両台数 3台
車両用途 ファミリーマート店舗への商品配送
実証実験エリア 横浜市内
主な役割 いすゞ :バッテリー交換ステーションと車両の開発・設置・管理、実証プロジェクト管理・事業性・脱炭素効果検証
ファミリーマート :実証事業のフィールドデータ提供
伊藤忠商事 :実証プロジェクト管理、事業性・脱炭素効果検証
横浜市 :実証用地に関する調整、関係法令等に関する調整

伊藤忠商事といすゞの主なEV関連の取り組み

時期 取り組み
2019年1月~
2021年3月
伊藤忠商事、ファミリーマート、いすゞにて、固定式EVトラック(2室2温度帯・チルド/米飯配送)2台と急速充電器を用いた配送実証を実施
2021年9月~
2025年3月
環境省委託事業“バッテリー交換式EV開発および再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業”に、伊藤忠商事が代表事業者、いすゞ・ファミリーマートが共同実施者として採択され、バッテリー交換式小型EVトラックを用いたファミリーマート店舗向け配送実証を実施
2023年3月~ いすゞが2023年3月7日よりサービス提供するCN実現に向けたトータルソリューションプログラム「EVision」のパートナーとして、伊藤忠商事が各種ソリューションの提供に協力開始
2025年11月~
(予定)
伊藤忠商事、ファミリーマート、いすゞ、横浜市にて、バッテリー交換式EVトラックを用いた配送実証を実施予定 (出発式も実施予定)