データ・ワン社との連携による味の嗜好に基づくデジタル広告配信の実施及び提供開始について

2025年9月29日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、2023年11月に提供を開始した「食のパーソナライズド・レコメンデーション機能※1」を、小売事業者の購買データを活用したデジタル広告配信事業を展開する株式会社データ・ワン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:国立 冬樹、以下「データ・ワン」)に提供し、消費者の味の嗜好に基づくデジタル広告配信(以下「本広告配信」)の仕組みを構築・検証し、提供を開始しました。

本広告配信は、食品・飲料メーカーの顧客体験向上を目的とし、消費者一人ひとりの味覚嗜好に基づいたデータを活用し、最適な広告配信ソリューションの実現を目指しています。味覚嗜好に基づいた感性データの取得には、味覚データなど感性工学データに基づくフードデジタルソリューション事業を手掛ける株式会社味香り戦略研究所の味覚センサー技術や味覚データに基づくフードペアリング解析技術等を活用しています。

今般、サッポロビール株式会社が販売する「サッポロ 男梅サワー」の顧客体験向上を目指し、本広告配信を実施しました。具体的には、「サッポロ 男梅サワー」の味わいを、味覚センサー技術を活用して数値化し、当該商品がどのような味の好みの消費者に向いているかを予測・診断しました。また、その味の好みを持つ人がよく購入する商品を抽出し、それらの商品と当該商品を紐づけた訴求広告の配信を実施しました。その結果、広告を閲覧し当該商品を購入した消費者のうち、約3割が過去1年間「サッポロ 男梅サワー」を購入していない新規ユーザーでした。また、従来の配信広告と比較して、クリック率や購買率が向上することも確認しました。(具体的な実施プロセスは下図をご参照ください。)

本広告配信を通じて、嗜好性を訴求した広告配信が、これまでリーチできていなかったユーザーへの認知拡大と購買促進に寄与し、配信広告のクリック率や購買率の向上にも繋がることを確認できたことから、今般、データ・ワンの購買データを活用した広告配信プラットフォーム「co-buy®」※2のサービスメニューとして、「co-buy® 味覚嗜好ターゲティング」の提供を開始します。味覚分析から広告配信、さらに購買分析まで、データ・ワンのアカウントプランナーがワンストップでサービスを提供いたします。

伊藤忠商事は、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、社会の変化に伴い多様化するニーズを捉え、より消費者に近い川下ビジネスを開拓・進化させ、事業領域を拡大しています。今後も、味覚情報等の「感性データ」を積極的に活用したマーケティング支援を行うことで、顧客企業と消費者の最適な関係を構築し、ビジネス拡大を共に実現するパートナーとしての役割を更に強化してまいります。

本広告配信の実施プロセス(「サッポロ 男梅サワー」の場合)

実施内容 結果
Step1 味覚センサーを使用して「男梅サワー」の味わいを数値化 塩味・ボディ感が強く酸味も相対的にやや強め、苦味は抑えめであることが判明
Step2 『どんな味の好みの人に商品が向いているか』を予測診断 22タイプに分類される嗜好性タイプの中で 2群(4タイプ)の消費者を推定
Step3 味の好みが近いひとの『よく買う商品』を抽出 味香り戦略研究所が持つ、味覚データに基づくフードペアリング解析技術も活用し商品を抽出
Step4 『よく買う商品』に沿った購買者セグメントで広告配信および検証 「よく買う商品」と紐づけた訴求広告を配信
通常の広告も配信し効果を比較検証

株式会社データ・ワンについて

会社名 株式会社データ・ワン
所在地 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 5階
代表者 代表取締役社長 国立 冬樹
設立 2020年10月27日
事業内容 小売事業者が保有するデータを活用したデジタル広告配信事業ならびに広告代理店事業
URL https://data-one.co.jp

株式会社味香り戦略研究所について

会社名 株式会社味香り戦略研究所
所在地 東京都中央区新川1-17-24 NMF茅場町ビル8階
代表者 代表取締役社長 小柳 道啓
設立 2004年 9月
事業内容 味覚データなど感性工学データに基づくフードデジタルソリューション事業
URL https://mikaku.jp/