「バイオ由来CO₂の液化事業化に向けた共同検討に関する覚書」締結について

2026年3月4日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、佐賀市(市長:坂井 英隆)、日本液炭株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:飯塚 浩幸、以下「日本液炭」)、伊藤忠工業ガス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渡辺 賢、以下「伊藤忠工業ガス」)と共同で、佐賀市清掃工場において回収されるバイオ由来二酸化炭素(以下「CO₂」)の液化・事業化に向けた可能性を検討するため、「バイオ由来CO₂の液化事業化に向けた共同検討に関する覚書」を締結いたしました。

昨今、炭酸飲料や食品、ドライアイス、各種工業用途などで用いられる炭酸ガスは、国内の石油精製・化学プラントの再編等を背景に、安定供給が課題となっています。一方で、清掃工場は地域に不可欠なインフラであるとともに、安定したCO₂発生源でもあり、その有効活用に期待が寄せられています。
佐賀市清掃工場は、ごみ焼却排ガスからCO₂のみを分離回収する日本初のCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization:二酸化炭素回収・利用)プラントとして、2016年に稼働を開始しました。これまで回収した高濃度CO₂は、野菜や藻類の培養などに利用されるなど、先進的なカーボンリサイクルの実績を積み重ねています。さらに、2025年には清掃工場由来CO₂として世界で初めて、国際的なサステナビリティ認証である「ISCC PLUS認証(マスバランス方式)」を取得し、その環境価値が国際的にも認められています。

今回の覚書締結を受け、四者は、佐賀市清掃工場に設置されているCO₂分離回収設備を活用し、回収したバイオ由来CO₂を液化・精製・貯蔵、さらに液化炭酸ガスとして遠隔地へ輸送・販売までを見据えた事業モデルの構築に向けて検討を進めてまいります。具体的には、液化・貯蔵設備の技術的検討や、品質・安全性の評価、関係法令・規制への対応、需要家ニーズを踏まえた販売・物流スキームの策定、環境価値も含めた事業性評価など、多角的に共同検討を行う予定です。これらの取り組みを通じてバイオ由来CO2の利活用を進め、昨今の産業向けCO2供給不安に対する解決策の検討を進めてまいります。

伊藤忠商事は、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、社会の変化に伴い多様化するニーズを捉え、事業領域を拡大していきます。本取り組みを通じて、地域発のカーボンリサイクルモデルの構築と、産業用CO₂の安定調達に資する新たな価値創造を目指してまいります。

四者の主な役割

会社名(自治体名) 本共同検討における主な役割
佐賀市 - 佐賀市清掃工場におけるCO₂分離回収設備や建設用地、CO₂原料ガスに関する情報提供・条件整理
- 地元関係者や国・県など関係機関との調整
- ISCC PLUS認証や環境価値の活用方法に関する検討
伊藤忠商事株式会社 - 共同検討全体のとりまとめと、事業スキーム・事業性の検討
- 需要家ニーズを踏まえた販売方法や物流の検討
- ISCC関連の支援を含むCCU・バイオマス関連の実績を活かした事業モデルづくりへの検討
伊藤忠工業ガス株式会社 - 産業ガスの供給・充填・輸送に関する知見を活かした供給・物流方法の検討
- 高圧ガスの保安技術や関連法令対応に関する支援
- 販売ネットワークを活かした液化CO₂の販売・需要開拓に関する検討
日本液炭株式会社 - バイオ由来CO₂の液化・精製・貯蔵・出荷設備に関する技術検討
- 高圧ガス保安法など関連法令への対応の検討
- バイオ由来液化CO₂の供給・物流・販売方法に関する検討

概念図