MVNE/MVNO事業を展開する(株)インフォニックスと資本業務提携

伊藤忠グループが携帯電話MVNO分野に本格進出

2009年5月29日

伊藤忠商事株式会社は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:奥田陽一、以下 CTC)と共に、MVNO※1の支援サービス:MVNE※2を提供する株式会社インフォニックス(東京本社:東京都豊島区、代表取締役社長:淺野浩志、以下 インフォニックス)と資本業務提携をし、MVNE及び携帯電話MVNO分野へ本格進出します。

伊藤忠は今回、インフォニックスの普通株式をサイボウズ株式会社から取得して筆頭株主となります。それと併せて新株(優先株式)も引き受け、インフォニックスを持分法適用会社とします(出資比率:37.0%(発行済みストックオプションを含む)、出資額:約3.5億円)。また、同時にCTC、株式会社日本政策投資銀行、三菱UFJキャピタル株式会社も株式を取得しました。

伊藤忠は伊藤忠グループ会社を通じ、今回の株式取得を契機にインフォニックスに対してマーケティングやシステム、物流など、多方面において支援を行います。 これにより移動体通信業界が今後、垂直統合型から水平分離型へと転換していくことが予想される中、水平分離型のビジネスモデルの一つとして成長が期待される携帯電話MVNO分野において、先んじてポジションを築くことを目指します。

CTCは、2008年11月よりMVNEとしてMVNOの支援事業を展開しており、インフォニックスがMVNO事業者をサポートする際にシステム面でバックアップを行うとともに、MVNO事業者が自社所有するシステムの構築・運用を支援することにより、連携を図ります。 また、CTCは通信事業者向けシステム構築・運用において豊富な実績を有しており、インフォニックスが保有するMVNO事業のノウハウを組み合わせることにより、MVNO事業を展開する際のシステムの企画から運用までの包括的な支援が可能な体制を整えます。 さらに、共同で提案活動や、営業面での協力も行っていく予定です。 インフォニックスは、3~5年後には15~20案件程度、100~200万回線の加入を見込んでおり、400~900億円の売上を計画しています。

  1. Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。参考資料(1) (2)参照。
  2. Mobile Virtual Network Enabler(仮想移動体通信支援業者)の略。MVNOを支援し、必要機能を補完する事業者。

インフォニックスについて

インフォニックスは、MVNOで現在主流のデータカードと比べて付加価値を付け易い、携帯電話でのMVNOの事業化に長けている点が特徴のMVNE事業者です。MVNO事業の経験・ノウハウ、保有システム(参考資料(2)参照)、推進しているMVNE案件、各通信キャリアとの良好な関係などにおいて、競争優位性と現実的なビジネスモデルを築いています。現在、大手企業十数件の携帯電話MVNOを企画支援中で、そのうち数件は年内にサービスを開始する予定です。
伊藤忠は、インフォニックスが推進するMVNE/MVNO事業が、主に一般の企業が既存顧客・会員向けに提供するMVNOであるため、伊藤忠グループの幅広い取引先企業を潜在顧客とみなせる点にも期待しています。

インフォニックスが今後手掛けるオリジナルサービス「SELECT MOBILE」について(参考資料(3)参照)

インフォニックスは今後、MVNO事業を代行する新サービス「SELECT MOBILE(セレクトモバイル)」を開始します。MVNOを検討している企業は、本サービスを利用することで、通信キャリアとの折衝・契約など、通信事業に必要な特殊ノウハウを持たなくとも、リスクや負担を大幅に軽減しながら通信事業に参入することができます。またMVNOに必要な機能が短期間ですべて揃う為、独自に立ち上げる場合に比べて損益分岐点を数万回線規模まで大幅に引き下げることが可能となります(従来、携帯電話MVNOの損益分岐点は数十万回線と考えられていました)。

会社概要

株式会社インフォニックス (URL:http://www.inphonix.com[別ウインドウで開きます]

設立1996年3月
所在地〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-25-15
資本金3億7千5百万円
代表者代表取締役社長 淺野浩志
事業内容SELECT MOBILEサービス(MVNO事業引受型サービス)の企画・運営
MVNO事業化企画支援・可能性評価サービス
MVNO事業サポートサービス(MVNEサービス)
ビリングソリューション・アウトソーシング
沿革
1997年通信サービス事業(携帯電話MVNO)開始
2002年MKSファンドの支援によりマネジメントバイアウト(MBO)し、現社名に変更
2005年サイボウズ社が主要株主に。MVNEサービス開始