ナイロン循環リサイクルに関するAquafil社への資本参画について

2022年3月16日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、世界的なリサイクルナイロンブランド「ECONYL® (以下「エコニール」)」を展開するAquafil S.p.A.(本社:イタリア、Chairman and CEO : Giulio Bonazzi、以下「Aquafil社」)とのナイロン循環リサイクルに関するビジネスの推進・拡大に向け、Aquafil社への資本参画を決定いたしました。

Aquafil社は、独自のケミカルリサイクル技術を有するナイロン循環リサイクル分野での先進企業で、2011年より漁網・カーペット等の廃ナイロンを原料とするリサイクルナイロン「エコニール」の生産を開始しました。Aquafil社は、廃ナイロンのケミカルリサイクルにより、粗原料であるカプロラクタム(以下「CPL」)を再生、通常のナイロンと同等の品質を保持したエコニールの製造を可能にすることで、ナイロン循環リサイクルを実現しています。

また、エコニールは100%廃ナイロンからのリサイクルであり、石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減することが可能となります。エコニールは環境配慮型素材として、これまでファッション業界やカーペット業界等を中心に全世界2,000以上のブランドで採用されてきました。特にファッション業界においてはグッチ(Gucci)、バーバリー(BURBERRY) 、プラダ(PRADA)等のファッションブランドに採用され、注目されています。

伊藤忠商事は、ナイロン原料であるCPL及びナイロンチップで、世界有数規模の取り扱いをしております。Aquafil社とは、昨年発表の業務提携を機に(※1)、廃ナイロンの回収、エコニールの販売、及びエコニールの新規用途開発を推進しており、すでに各案件が進展していることから、協業をさらに深化・加速させるためにAquafil社への資本参画を決定いたしました。

今後は伊藤忠グループの持つネットワークを活かし、廃ナイロンの全世界での回収や、ファッション・カーペット・自動車用部材・包材・漁業資材等の用途へのエコニールの販売・開発をさらに推進してまいります。加えて、既存取引におけるサプライチェーンで発生する廃ナイロンの回収を一層加速させるため、リサイクルを前提に製品を製造する「モノマテリアル化」の取組を進めることで、社会全体での持続可能なナイロン循環リサイクルスキームの構築を目指します。

伊藤忠商事は中期経営計画「Brand New Deal 2023」の基本方針として、『「SDGs」への貢献・取組強化』を掲げており、ナイロン循環リサイクルビジネスの更なる拡大を通して、持続可能な循環型社会の発展に貢献します。