米国保険ソフトウェア開発会社MOTER Technologies, Inc.との資本・業務提携について
2025年9月4日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、米国においてテレマティクス技術※1を活用した保険ソフトウェア開発を行うMOTER Technologies, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:藤井 謙治、以下「MOTER社」)と資本・業務提携契約を締結し、同社の第三者割当増資を引き受けることで合意しました。
世界最大の自動車保険市場である米国において、コネクテッドカーや先進運転支援システムの普及に伴い、走行データや運転挙動データを活用したテレマティクス保険(Usage Based Insurance:UBI)やリスク分析サービスが急速に拡大しています。米国自動車保険市場は、2024年から2030年にかけて年平均5%で成長し、特にデータドリブン型の保険商品が市場の約35%を占める見通しです※2。
MOTER社は、2021年4月にあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の100%出資子会社として設立されたインシュアテック※3企業です。大手自動車メーカーと連携し、走行データや車載カメラの映像等をAIで解析することで、安全運転や事故リスクを高精度に判定する独自のスコアリングモデルを開発しています。当スコアリングモデルを活用し、自動車メーカーのブランド名で提供される専用自動車保険やフリート事業者向けのリスクマネジメントサービスの開発、さらには保険会社向けのデータ分析事業も展開しています。現在、米国50州において、自動車メーカーの基幹サービスに組み込んで保険を提供する保険代理業(MGA:Managing General Agent※4)の認可も取得しており※5、今後さらなる事業拡大が見込まれます。
伊藤忠商事は、ほけんの窓口グループ株式会社をはじめとする国内のリテール保険分野に強みを有しており、海外においても、タイやラオスで損害保険事業を展開するThaivivat Insurance PCL.への出資※6等を通じて、現地でのリテール保険分野の取組を強化しています。さらに、2025年5月には、米国の個人向け健康保険流通プラットフォーム事業者であるChurchill Innovative Holdings LLCへ出資し、米国保険市場への本格進出を開始しました※7。
今般、MOTER社への出資を通じて、同社の技術や知見と当社のグローバルネットワーク及び再保険スキームを融合させ、日系企業では最大規模となる保険流通・仲介事業者として一層の成長を目指します。また、米国・アジアにおける次世代自動車保険市場への事業展開も加速してまいります。
伊藤忠商事は、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」のもと、今後も革新的な事業パートナーとの協業を通じて、事業領域および収益基盤の拡大を目指してまいります。
- ※1自動車などの移動体に通信システムを搭載し、様々な情報サービスを提供する仕組み。
- ※2J.D. PowerやThe National Association of Insurance Commissioners、S&P Globalのデータを基にMOTERが試算。
- ※3インシュアテック(InsurTech):「Insurance」と「Technology」をかけ合わせた言葉で、保険分野におけるフィンテックを指す。
- ※4保険会社から権限を付与され、保険募集に加えて引受や損害額認定・査定等の業務を行う代理店。
- ※52025年8月時点。
- ※6 タイ及びラオスにおいて損害保険事業を展開するThaivivat Insurance PCLへの出資について (2025年1月16日 当社公表)
- ※7 米国におけるリテール保険流通事業への参入について (2025年5月28日 当社公表)
MOTER社について
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会社名 | MOTER Technologies, Inc. |
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代表者 | Founder & CEO 藤井 謙治 |
本社所在地 | 米国カリフォルニア州ロサンゼルス(トーランス) |
URL | https://moter.ai/ |
事業内容 | エッジコンピューティング技術やコンピュータビジョンを活用し、車載器に搭載可能な保険ソフトウェアを軸としたEV・自動運転車両に対応した次世代型保険商品・サービスの開発(自動車メーカー向けブランド保険、リスクマネジメントサービス、データビジネス等) |