知る・学ぶ・買う。
サステナブルな暮らしの
きっかけをつくる場
[ITOCHU SDGs STUDIO]
SDGsのゴール達成目標年である2030年に向け、さまざまな企業が全力を傾ける中、以前よりSDGs達成への取り組みを強化してきた大手総合商社
伊藤忠商事が、さらなる一歩を踏み出した。誰もがいち生活者として、課題を身近に感じ、自分ごととして捉えるきっかけを届ける[ITOCHU SDGs
STUDIO]の設立だ。人を中心にサステナブルな暮らしの在り方を発信する新たなプラットフォームとして、今後さまざまなアクションを起こしていくそう。そこで4月15日に行われたローンチイベントの様子から、[ITOCHU
SDGs STUDIO]の見どころを届けたい。
[ITOCHU SDGs STUDIO]ってどんなところ?
伊藤忠商事が取り組むSDGsアクションのひとつとして4月16日に開設。生活者が社会課題を身近に捉えるためのきっかけづくりの場として、「知る・学ぶ・買う」モノ・コトを発信する。
・SDGsをさまざまな角度から切り取った情報発信・体験の場をつくり、「人と商いと地球」をつなぐカルチャーブラットフォームの構築。
・SDGsに関する活動を行う団体などへ、展示スペースおよびSNS発信などの撮影スペースを無償で提供。(年6回程度の企画展を開催予定)
・ラジオブース設置および伊藤忠商事冠番組「J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE」における世の中の「SDGs」の取り組みを発信。(番組ナビゲーター:SHELLYさん)
エシカルな雑貨を扱う「エシカルコンビニ」がオープン
まず足を運びたいのが、社会課題と向き合うモノ・コトを陳列する「エシカルコンビニ」。“気づきの連鎖”を起こし、地球再生への一歩をつなげることを目的とし、関東を中心に期間限定で出店する神出鬼没のコンビニエンスストア。「おしゃれかつエシカル」なプロダクトに出会える場として、今後はビーチクリーンをはじめ“体験できる場”として、さらなる展開が期待される話題のスポットだ。(現在[ITOCHU SDGs STUDIO]での出店期間は未定)
プロデュースするのは、アッシュ・ペー・フランスのエシカル事業部。同社は、クリエイターと社会をつなぐ日本最大級の合同展示会「rooms」も主宰しており、「rooms」では2014年より「エシカルエリア」を設け、エシカルなものづくりに励むさまざまなブランドを世に送り出してきた。ファッションからインテリアまでを扱うアッシュ・ペー・フランスならではのクリエイティビティを活かした独自のセレクトは、環境負荷の少ないものであること、そして欲張るならやっぱり使っていて気分がアガるものがいい。そんなユーザーの気持ちを満たしてくれる。
「自分の暮らしの中で“手に届くモノ”、たったひとつエシカルなモノに変えるだけでも十分。それが10人、100人、1000人……いれば、確実に世界は大きく変わると思います」と語るエシカルコンビニ ディレクター早坂奈緒さんの狙い目は、ワクワクするプロダクトを揃えること。環境を意識した暮らしはもちろん、何事も継続するには“楽しみ”がないと難しいからだと話す。
店内に並ぶのはどれを手にとっても「エシカル消費」につながるものばかり。生活雑貨、食品、アクセサリー、アパレル、コスメなど、国内外からセレクトされた衣食住にまつわるプロダクトの中から、ほんの一部を紹介しよう。
中間処理場に長期間放置されていたり、河川などに不法投棄されたりと、深刻な環境汚染問題を抱える廃タイヤを再利用したビーチサンダルを展開するインドネシア発のブランド「indosole.(インドソール)」。特筆すべきは、クッション性の高い天然ゴムによる履き心地の良さ! さらに豊富なカラバリにくわえ、子どもサイズもあるのでファミリーで楽しめる。この夏、ビーチサンダルを検討しているなら選ばない理由はない。
ワインの産地として有名なフランス産のぶどう種子を100%使用した「日清ピュアグレープシードオイル」。本来ならばワインの製造過程で捨てられるはずのぶどう種子をあますことなく使っている。コレステロール0かつ必須脂肪酸のリノール酸をたっぷり含んだ植物油なので、体にも地球にもやさしい。クセのない軽やかな風味は、ドレッシングから炒め物まで、料理を問わず大活躍するはずだ。
海洋プラスチックをリサイクルしたバッグをつくるドイツ発のブランド「GOT BAG.(ゴットバッグ)」。インドネシア・ジャワ島付近の漁師1500人の協力のもと、自社で回収を行っている。それ以外にも、現地での雇用創出、海洋汚染にまつわる教育などにも力をいれている。荷物がたっぷり入るバッグは大容量かつ持つ人を選ばないジェンダーレスなデザインが特徴的。夏に向けさらなるラインナップがくわわる予定だそう。
廃棄される予定だった雑誌や新聞紙などの古紙をアップサイクルした「QUAZI DESIGN(クアズィ・デザイン)」は、2009年に誕生した南アフリカ エスワティニ(旧スワジランド)発のアクセサリーブランド。鮮やかな配色、スタイリッシュなデザインをまとったアクセサリーの数々は、高価なジュエリーにも劣らない存在感を放つ。
SDGs活動の情報発信スペースとして「J-WAVEラジオブース」を常設
同スタジオ内には、SDGs活動の情報発信スペースとしてFMラジオ局J-WAVE(81.3FM)ブースを常設。ブースの外にはスピーカーを設置し、収録中のラジオを視聴できるほか、ラジオ以外にも、インスタグラムやYouTubeなどSNSで情報発信を行うための収録・撮影スペースとしても無償で提供している。
ローンチイベントでは、ちょうど4月25日よりスタートしたSHELLYさんがナビゲーターを務める新番組「J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE」収録に、同スタジオのエバンジェリスト冨永愛さんと、FRaU編集長兼プロデューサー関龍彦が出演。関は今後も同スタジオのキュレーターとして、レギュラー出演が決まっている。
「私たちが夢中のSDGs」をテーマに、SDGsにおいてそれぞれが取り組むアクションや想いを語り合う中、エシカルな暮らしを意識しはじめて自身が変わったことを語るシーンでは、以下のような会話が繰り広げられた。
冨永:エシカルな暮らしを意識するようになってからは、製造元やどんな生産背景なのかを調べて、納得できる商品じゃなかったら買わないようになりました。身の回りのモノが減ると、気持ちが豊かになるんです。例えばワードローブにオーガニックコットンを使っていたり、ジェンダーレスの活動をしているブランドのお洋服があると、ライフスタイルがより幸せなものになる。「私、いいことしてる」って。単純な言葉かもしれないけど、その感覚が生活にすごく大事なものになってくるんですよね。
SHELLY:部屋にお花ひとつ活けてあるだけですごく豊かな気分になるのと一緒ですよね。世界を変えたわけじゃないけど、ちょっとだけ変わるかも?という気持ちになれる。
関:これまでは欲しいものを数多く持つことが幸せだったかもしれないけれど、今はみんなそういう気分じゃなくなってきていますよね。
冨永:私が目指してるのは、サステナブルなことをかっこよく美しくやっていきたい。それを続けることで、自分を好きになれるし、それが自己肯定感につながるんです。
SHELLY:深い!世界をよくしたいと思うことで自分を好きになって、それが自己肯定感につながる……それこそが循環ですね。
\番組情報はこちら!/
ナビゲーターにSHELLYさんを迎え、伊藤忠商事提供による番組「J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE , DEAR FUTURE」(J-WAVE<81.3FM> 毎月第4日曜日22:00~22:54)では、ジェンダー、環境、貧困問題など、いま世の中にある大きな問題や、日々の生活の中にある小さな課題を通して、その先の未来について考えます。世の中をより良くするために活動する人々の言葉や情報で、SDGsが昨日よりもっと身近に感じられる。そんなきっかけとなる54分です。
廃材を活かしたカフェスペースで休むことも
同スタジオの設計を手がけるのは、スキーマ建築計画の長坂常さん。新しい場所をつくるために何かを取り壊すのではなく、もともとある素材を活かした空間づくりも見どころのひとつ。コーヒーが飲めるカフェスペースのテーブル、椅子、単管パイプには再利用した古材が使われている。
コーヒー豆は2種類。酸味やしっかりとしたコクと甘い香りが特徴的な有機栽培生豆と、コーヒートレーサビリティのプラットフォームであるファーマーコネクトを活用した豆。どちらも世界第3のコーヒー生産地であるコロンビア産だ。エシカルコンビニで3000円以上買い物をされた方に、写真左の竹製タンブラーをノベルティとしてプレゼント。次回、このタンブラーを持参すれば1日1杯無料でコーヒーを飲むことができる。
海洋プラスチック、地球温暖化、エネルギー問題をはじめ、私たちが抱える社会課題はあまりにも大きい。けれど、その一つひとつを解決するには、いかに私たち生活者が自分ごとと捉え、暮らしを変えていくことがいちばんの近道ではないだろうか。ライフスタイルを見直すきっかけを与えてくれる[ITOCHU SDGs STUDIO]。足を運べば、心の中で“何か”が動く感覚が味わえるだろう。