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「FRaU SDGs」。それは、講談社「FRaU」が2018年に女性誌で初めて、一冊まるごとSDGsに特化した雑誌。以来、号を重ねながら確実に裾野をひろげています。そんなFRaU独自の視点で、伊藤忠商事のSDGsへの取り組みをご紹介します。

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い

レスリー・キーによるフォトセッション

近年、世界で2番目に環境汚染を引き起こしていると言われるファッション産業。大量生産、大量廃棄、生産時のCO2排出から労働環境まで、さまざまな課題の解決を目指し、ITOCHU SDGs STUDIOでは「未来の試着室」と題した体験型展示会を2月27日まで開催している。そこで今回、展示の一環として、写真家レスリー・キー氏によるフォトセッション「mirai snap」を実施。いちばん自分らしいと思う服をまとい、その服に込める思いを「◯◯を着たい」というメッセージに乗せて発信。集まったのは、一般応募に当選した30組。思い思いの服で個性を表現する参加者たちの、生き生きとした姿をお見せしよう。

※この日撮り下ろした写真は、ITOCHU SDGs STUDIOにて開催中の「未来の試着室」展にて2月27日まで展示中。

女子中学生からファミリーまで。多様な参加者が集まった

撮影会場は、Itochu Garden 2階に用意された光がたっぷりと降り注ぐ、広々とした空間。小さなお子さんを連れたファミリー、夫婦、カップル、ひとりで……撮影ブースに立つ姿に緊張が感じられたのは一瞬。レスリー・キー氏のフレンドリーなムードに乗せられ、みな自分らしい一着に身を包み、堂々と、そして自信に満ちた表情をみせた。

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
シンプルなデニムスタイルがとてもよく似合っていた

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
繊細さを感じるブラックドレスとピンクヘア。そこに立っているだけで個性が輝いていた

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
アパレル業に携わるご夫婦ファミリー。「子どもたちには環境に配慮された服を着て、自信を持ってもらいたい」

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
「“青春”を着たい」制服姿が可愛らしい女子中学生グループも参加

「発信力を持つものが心から本気で伝えていくこと」

ファッション、アートを軸に世界で活躍する写真家でありながら、近年では、国連広報センターとともにSDGsの啓発活動も行うレスリー・キー氏。被写体の美しさを引き出すメッセージ性の強いファッション写真を撮り続けてきたレスリー・キー氏に、日本が抱える課題、そしてファッションの未来についての考えを聞いた。

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い

レスリー・キー/写真家
シンガポール生まれ。アート、ファッション、広告の撮影、映像監督などを中心に世界各国で活動。東日本大震災チャリティ写真集 『LOVE & HOPE』(2012年)が第40回APA経済産業大臣賞。写真とアートマガジンのシリーズ「SUPER」では、世界の企業やYOHJI YAMAMOTOをはじめとするファッションデザイナーなどと積極的にコラボレート。初監督ショートムービー「THE INDEPENDENTS 」が2015 ASVOFFのBEAUTY PRIZE AWARDを受賞。日本のLGBTのポートレートを撮影するプロジェクト「OUT IN JAPAN」、第19回文化庁メディア芸術祭エンタテインメント部門審査委員推薦作品に選出。また、国連が掲げる『持続可能な開発目標(SDGs)』のテーマソングとなる早見優『恋のブギウギトレイン』のPVを製作。国連広報センターとSDGsの啓発活動も精力的に行う。2016年より、NHKと共に日本中の人々が夢や目標を共有し、よりよい未来を目指す、2020年のオリンピック・パラリンピックの東京大会の応援をテーマ「→2020 レスリー・キーがつなぐポートレートメッセージ」をスタート。オフィシャル写真の1500名以上のポートレート撮影とプロモーション映像を監督している。

「ファッション産業が抱える課題はすごく難しい。例えば大量生産においては、デザイナーが新しいものを作り続けるのは、彼らのライフワークです。僕も新しい写真を撮り続けたいし、音楽アーティストも良い曲を作り続けたい。それはクリエイターにとって、呼吸をするようなもの。生きているということなんです。
ただ世の中に“もの”が溢れかえっているのも事実。日本や中国、アメリカやイタリアなど豊かな国に溢れかえる“もの”を、世界中にバランス良く流通させればいい。例えばハイブランドのバッグを3つ持つなら、そのうちの1つを途上国に贈るとかね。影響力を持つアーティストやスーパーモデルたちがSNSなどで発信し、インフルエンサーみんなが力を合わせることで、課題は乗り越えられるのではないか。そのために、SNSやテレビ、イベントなどを通じて“本気”を伝えるコンテンツを作りたい。そして僕たち発信者は、ビジネスとしてではなく、自身のライフワークとして、心から伝える必要がある。

またこれからの時代を生きる子どもたちが、社会課題についてきちんと学ぶ場が必要。学校はもちろん、音楽、映画、ファッションなどさまざまな角度から伝えることができたら良いですよね」

5つの「◯◯を着たい」を大公開!

この日撮影した写真の中から、ほんの一部をシェア。写真はすべてITOCHU SDGs STUDIOにて開催中(〜2/27)の「未来の試着室」にて展示中。気になる人は、ぜひ会場に足を運んでチェックを!

◆ちきゅうにやさしいエコレザーをきたい

「サスティナブル、エシカルな選択のできる感覚を子どもの頃からの日常にしたい」

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
Photo by LESLIE KEE

◆ママがきたようふくを着たい

「私が子どもの頃に着ていた洋服を、娘が見つけて『着たい』と言ったので」(お母さん)

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
Photo by LESLIE KEE

◆日本の伝統文化を着たい

「職人の技がつまっている日本の伝統の和装を未来にも伝えていきたい」

ーーこれからのファッションに求めることは?
「2000円の服を5枚買うよりも、とっておきの一枚の服を5年着たい。良いものを長く使うことがすごく大事」

「ファッションは自分らしさを表現するもの。着物をつくる職人の技法を後世に残していきたい」

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
Photo by LESLIE KEE

◆青春を着たい

「青春は学生にしか経験のできないことだから」
「いましかない青春を写真に残したかった」
「制服は学生の“今”しか着れない。その“今”しか感じられない青春を着たかった」
「学生を楽しんでいる感じを出したかった」

ーー自分にとってファッションとは?
「“なりたい自分”に近づけるためのツールのようなもの」
「私服はルールに縛られず、自由に楽しむもの」
「自分の個性を表現するもの」
「その時々の心を映す鏡のようなもの」

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
Photo by LESLIE KEE

◆愛と可能性を着たい

「自分にも世界にもすべてに愛と可能性を感じたい!」
「二人の想いを欲張りにつめこみました」

ーーこれからのファッションに求めることは?
「たとえば服を買ったら、購入金額の一部が寄付などの支援につながるようなシステムがあって欲しい」
「デザイナーだけでなく、パタンナーをはじめ作り手の顔が見えるようになったらうれしい。もっと作り手の情熱やこだわりが伝わってくると、買う側の意識も変わると思う」

「◯◯を着たい」ファッションの可能性に触れるみんなの想い
Photo by LESLIE KEE

その他にも「強い私を着たい」「毎日の“ハレ”な気分を着たい」「ずっと“黒”を着たい!!」「Lady Gagaを着たい!」「生きた軌跡を着たい」「Made in JAPANの技術を着たい」「一緒を着たい」「魔法を着たい」「姿勢を着たい」「自由を着たい」etc. ……新時代のファッションに向けたそれぞれの熱い想いとともに、自分らしさを存分に表現。

またこれからのファッションに求めるものとして「一着を長く大切に着ることはもちろん、回収した衣料品を何かの原料や燃料に変えるなど、無駄を生まないサイクルができれば良い」「たとえば着なくなった服の丈や色、デザインなど『もっとこうだったら良いな』を形にしてくれるサービスがあったらうれしい。手頃な値段で自分の“欲しい”を形にしてもらえたら、一枚の服をもっと長く着られる」という声もあがった。

イベント当日にITOCHU SDGs STUDIO内ラジオブースにて同時収録された特別番組「J-WAVE SPECIAL ITOCHU DEAR FASHION, DEAR FUTURE」(2/11放送済み)では、ナビゲーター・SHELLYさんが冨永愛さん、TOMO KOIZUMIさん、長谷川ミラさんの3名をゲストに迎え、それぞれの取り組み、ファッションとの出会いや「未来につながる、これからのファッションの楽しみ方」、そして「ファッションとは?」など、ファッションをテーマに話を伺った。

▶︎ラジオの様子は記事で こちらからご覧いだけます。

同じ服でも、着る人によってスタイルがまったく異なるように“その人らしさ”が表れるファッション。それこそが魅力そのものであり、力となる。この日撮影した作品の数々からは「ファッションを楽しむ」その向こう側に広がる希望のような“何か”を感じてもらえるのではないだろうか。

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