伊藤忠グループ企業理念「三方よし」の歴史、未来への展望
三方よしのルーツ/受け継がれる精神
■ 「三方よし」のルーツとされる創業者・伊藤忠兵衛の言葉とは
■ 2020年4月、「三方よし」をグループ企業理念に制定。
そこに込められた想いとは

近江商人の商売観
近江国(滋賀県)に本宅を置き、他国へ行商した近江商人は、足を運んだ国々でお客様との信頼を築き、その地域の経済に貢献していくことで商いを発展させていきました。
伊藤忠商事の創業者・初代伊藤忠兵衛もその一人です。
近江商人の商いのベースには常に信用・信頼があり、忠兵衛は、自らが近江商人であることに誇りを持っていました。
信用・信頼を重視した商い
- サンプルを持ち他国へ行商。商品お届け後に代金請求
- 目先の利益だけでなく、長期的な信頼構築を重視
- 商人としての謙虚さ、高いコンプライアンス意識

フロンティア精神
~足は常に「外」へ~
- 足を運んだ土地で、その地域に根差した商売
- 顧客のみならず、地域の経済にも貢献
- 大都市に大店を構える上方商社とは異なる成り立ち

初代忠兵衛の座右の銘
商売は菩薩の業
商売道の尊さは 売り買い何れをも益し
世の不足をうずめ
御仏の心にかなうもの
商売道の尊さは 売り買い何れをも益し
世の不足をうずめ
御仏の心にかなうもの

「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」という表現は、近江商人の経営哲学を端的に表す標語として後世に作られたものです。 そのルーツは、初代忠兵衛が先達の近江商人への尊敬の念を込めて発したこの言葉であると言われています。
伊藤忠商事は、創業以来160年以上にわたり、初代忠兵衛の言葉から生まれた「三方よし」の精神を受け継ぎながら、誠実に信用・信頼を積み重ね、商いを切り拓いてきました。


原点回帰
「三方よし」の精神は、1858年の創業以来、常に当社の根底にあり続けていました。
1992年には、この「三方よし」をルーツとした企業理念「豊かさを担う責任」が策定されました。
そして2020年、急激な経営環境の変化に対応し、更なる進化・成長が求められる中で、今一度、商いの原点への回帰として改めて心に刻むべく、「三方よし」を伊藤忠グループの企業理念として掲げることとしました。

普遍的な「伊藤忠らしさ」
企業理念とは、時代や場所を超えても変わらずに存在する普遍の価値観であり、
社員が困難に陥った時の心の拠り所となるものです。
シンプルで分かりやすく、誰もが共感できる「伊藤忠らしさ」を表す言葉、
それが「三方よし」なのです。
企業理念への制定は、初代忠兵衛を創業者とする当社が三方よしの精神を未来へ受け継ぐという決意表明でもあります。
