コンテナ船における燃料アンモニア補給時の安全性評価に関する覚書締結について

2023年9月22日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、アンモニアの舶用燃料利用の社会実装を目指し、アンモニアを主燃料とするコンテナ船を想定した燃料補給時の安全性について関係者間で協議、検討することを目的とした覚書を、伊藤忠商事を含む8企業・団体間※1で締結しました。アンモニアは国際海事機関(IMO)が掲げるGHG排出削減戦略に貢献するゼロ・エミッション燃料として期待されており、海事関係者の間で多くの検討、開発が進められています。本覚書は、アンモニアの舶用燃料利用を世界規模、特にコンテナ船における利用を通じ社会実装を図る為の重要なマイルストーンであり、世界的なアンモニアのサプライチェーンの構築と、伊藤忠商事とパートナー企業によるアンモニア燃料船の開発で構成された『統合型プロジェクト』の実現に向けた重要なステップとなります。

本覚書は、2021年に発足した伊藤忠商事を含む34企業・団体による協議会※2及び2022年に発足した伊藤忠商事を含む16企業・団体による港湾協議会※3のフレームワークを更に発展させたものです。将来開発が見込まれるアンモニアを主燃料とするコンテナ船を想定した燃料補給時の安全性評価に焦点を絞り、関係者(港湾主管庁、大手コンテナ船社、燃料供給事業者、海運会社)と共に協議、検討を進めます。一般的なコンテナ船運航においては、運航効率化の為にコンテナターミナルでの荷役と並行した燃料供給が求められます。本取組ではアンモニアの物性を考量した上で、コンテナターミナルでの荷役とアンモニア燃料供給の並行作業を前提とした安全性評価を目的としています。

伊藤忠商事は現在、コンテナ船に先駆けアンモニアを主燃料とする大型ばら積み船※4の開発を進めており、2026年の市場投入を目指しています。アンモニアを主燃料とするコンテナ船の開発につきましても2020年代後半の市場投入を目指しており、これらの取組を通じて持続可能なエネルギーシステムの構築を加速化することで、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の基本方針である『「SDGs」への貢献・取組強化』を着実に実行し、低炭素化社会の実現を目指します。
  

  • ※1西アルヘシラス港、蘭ロッテルダム港、仏CMA CGM(コンテナ船社大手)、仏トタルエナジーズマリンフュエル、星パビリオンエナジー、デンマーク・A.P.モラー・マースク(コンテナ船社大手)、商船三井及び伊藤忠商事、以上の8企業・団体です。加えて、仏ル・アーヴル・ルーアン・パリ港(ハロパ港)、星MESD(政府・大学傘下の海事研究機関)、独ベルンハルトシュルテシップマネジメント及び日本シップヤードがオブザーバーとして参加、米船級協会ABS及び仏船級協会BVが本取組をサポートする予定であり、アンモニアの舶用燃料利用に於ける期待、関心の高さを示すものです。
  • ※2参考:舶用アンモニア燃料に関する協議会が34企業・団体に拡大
       https://www.itochu.co.jp/ja/news/news/2021/210729.html (2021年7月29日)
  • ※3参考:舶用アンモニア燃料に関する港湾協議会の発足及びシンガポール海事港湾庁との覚書締結について
       https://www.itochu.co.jp/ja/news/news/2022/220406.html  (2022年4月6日)
  • ※4参考:アンモニア燃料船の基本設計承認を取得
       https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2022/221128_2.html  (2022年11月28日)