人材戦略

すべての「商い」の根幹である「人」を強化するための独自性の高い人材戦略によって、持続的な企業価値向上を実現していきます。

企業価値の向上=創出価値の拡大/資本コストの低減-成長率の高向上

すべての「商い」の根幹である「人」を強化するための独自性の高い人材戦略によって、持続的な企業価値向上を実現していきます。

企業価値の向上=創出価値の拡大/資本コストの低減-成長率の高向上

当社は、企業理念「三方よし」の下、人材戦略を重要な経営戦略の一つとして明確に打ち出し、全社員が働きがいを感じ、能力を最大限に発揮するため「厳しくとも働きがいのある会社」の実現を目指しています。この実現により、社員のモチベーションや労働生産性の向上だけでなく、社会からの評価、ひいては企業ブランド価値の向上に繋げ、企業価値の更なる向上、日本一良い会社を目指していきます。また、企業ブランド価値の向上により、当社の強みの源泉である優秀な人材の確保を可能とする好循環を生み出しています。

労働生産性向上による企業価値の向上-社員のモチベーション・貢献意欲の向上-

労働生産性は年々向上:2010年度以降、労働生産性が5.7倍に
先駆的かつ独自の取組み

企業ブランド価値の向上-外部評価の獲得-

①外部評価の獲得

就職人気企業ランキング、経済産業省×東京証券取引所、東京都 女性活躍推進大賞

②社外からの注目度の高まり
当社が2010年より推し進めている労働生産性向上のための「働き方改革」は、社会からの注目度も高く、これまで多くの政府関係者(経済産業省、厚生労働省、こども家庭庁等)の視察を受け入れてきました。

また、日本国内だけでなく海外からも取り上げられ、韓国や中国の政府関係者等の視察も受け入れています。特に、少子高齢化が深刻な社会問題となっている韓国では、朝型勤務を開始し出生率が上昇した当社の例を『伊藤忠の奇跡』と称しマスコミで報じられています。2024年7月には、韓国の政府関係者が当社に来社し、朝型勤務の現状を視察しました。同年10月には、韓国中央日報系テレビ局JTBCが開催した少子高齢化をテーマとしたフォーラムにて、小林CAOが海外企業の代表として講演を行い、韓国メディアでも取り上げられました。

エンゲージメントサーベイ等から得られる課題に対して着実に対応し、人的資本の更なる強化を実現しています。

企業価値の向上=創出価値の拡大/資本コストの低減-成長率の高向上

エンゲージメントサーベイ等から得られる課題に対して着実に対応し、人的資本の更なる強化を実現しています。

企業価値の向上=創出価値の拡大/資本コストの低減-成長率の高向上

更なる企業価値向上に向けたエンゲージメントサーベイとPDCAサイクル

当社は、毎年エンゲージメントサーベイを実施し、タイムリーに課題を把握し、改善を行うPDCAサイクルを構築しています。近年のサーベイからは「若手・中堅社員の更なる働きがい創出」「組織の壁を越えた人材・アイデアの共有」「多様な価値観への対応」等を課題として認識しており、それらへの対応策を経営会議でも議論した上で具体的な重要施策を継続的に実行し、その結果、関連設問の結果が向上していることを確認しています。従業員が当社で働くことに対して誇りを感じ、高い貢献意欲を持って、自発的に期待以上の成果を上げるべく業務に取組んでいけるよう、引続き経営と現場が一体となり「厳しくとも働きがいのある会社」の実現に向けた施策を推進していきます。(→CAOインタビュー)

①エンゲージメントサーベイの実施、②課題把握、③課題への対応方針決定、④施策の実行、近年のエンゲージメントサーベイ結果、課題①若手•中堅社員の更なる働きがい創出、課題②組織の壁を越えた人材•アイデアの共有、課題③多様な価値観への対応

具体的な重要施策例

課題①への対応
認識している課題、平均年収の引上げ(単位:万円)

人事制度改訂によるメリハリある評価・報酬
2024年度には、若手・中堅社員を中心に給与水準を引上げると共に、優秀な社員を早期に事業会社役員等へ抜擢できるようにする等、約10年ぶりの大規模な人事制度改訂を行いました。更に2025年度より、貢献度が極めて高い場合、課長クラスで年収3,500万円、部長クラスで4,000万円の年収を超える水準となるよう処遇のメリハリを強化すると共に、株式報奨制度についても基準額倍増や昇格時の一定数付与等、前年度比約10%の年収増加となる改訂を実施しています。

認識している課題、平均年収の引上げ(単位:万円)
課題③への対応
認識している課題、女性役員比率

組織としての多様性を高めるための女性活躍推進
生活消費分野に強みを持つ商社として、多様化する消費者ニーズを捉え、ビジネスモデルを進化させるため、女性がキャリアを諦めず働き続けることができる環境を整え、ライフイベント等を考慮した上で、キャリア形成上の障壁を取り除くような、きめ細かな個別支援を実施しています。2024年度には、女子独身寮を統合し、社内人脈形成や人材育成の場として年代や部署を越えたコミュニケーションを促進しています。また、DX推進や内部管理の高度化等により事務実務を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、従来の「事務職」を再定義の上、「BX(ビジネスエキスパート)職」に改称し、高い専門性を活かした「組織運営の要」となる役割を担います。

認識している課題、女性役員比率
課題①③への対応
認識している課題、男性育児休業取得率

仕事と育児の両立支援
2010年に企業所内託児所を設置しました。2022年度には、出産後に早期復職を希望する社員の、保育園入園のタイミングに左右されない復職を支援する制度として、男女問わず1年以内に復職した社員へ育児両立手当*1を支給し、2023年度には職域学童を開始しました。2024年4月より男性育休取得を「必須化」する等、支援を強化しており、2024年度の男性育休取得率は96%まで伸長しています。また、育児両立手当導入前の2021年度と比較すると、4週間以上の育児休業を取得する男性社員が約6倍に増加しました。


*1 4週間以上の育児休業を取得し、対象となる子どもが満1歳未満で復職する場合、育児と仕事との両立に伴う追加費用(保育費用等)の補填等を目的として支給するものです。

認識している課題、男性育児休業取得率
課題①への対応
認識している課題、1人当たり人材育成投資額(単位:万円)

次世代の経営を担う商人の育成
1999年度より人材育成費用を持続的な企業価値の向上のための「人的資本投資」と位置付けています。社会環境の変化や多様化する顧客ニーズを捉えた「次世代の経営を担う商人」の育成に向け、定期的なキャリアの棚卸を踏まえ、現場実践や研修で成長を支援しています。

認識している課題、1人当たり人材育成投資額(単位:万円)
課題①②への対応
エンゲージメントサーベイの関連設問*2バーチャルオフィス参加者平均値14%(各項目平均値)UP、*2「組織の壁を越えたリソースの共有」等

バーチャルオフィス(社内兼業制度)
2023年4月、当社は、組織横断案件の推進や新規事業創出の更なる加速に向け、所属組織の壁を越えて、熱意ある社員が関心のあるプロジェクトに参加できるオンラインでの組織横断協業プラットフォーム「バーチャルオフィス」を正式導入しました。総合商社の課題である業界縦割りを打破した知見の交わりを生むと共に、チャレンジ精神や成長意欲を刺激し、若手・中堅社員の活性化や成長に繋げています。

エンゲージメントサーベイの関連設問*2バーチャルオフィス参加者平均値14%(各項目平均値)UP、*2「組織の壁を越えたリソースの共有」等

バーチャルオフィス「次世代プロテインブランド開発チーム」から生まれた新商品

2024年度、日本人の健康課題の一つであるたんぱく質摂取量の低下の解決に向け、たんぱく質摂取量増加及び健康促進への貢献を目指し、当社の食料、エネルギー・化学品、人事・総務部の若手・中堅社員が本案件を起案しました。「マーケットイン」の発想で消費者へのヒアリングを通じて潜在的なニーズを汲み取り、短期間での商品開発を実現すると同時に、カンパニーを跨いで原料提供を行う等、組織横断での価値提供やシナジー創出にも繋げています。

「働き方改革」の詳細については当社ウェブサイトをご参照ください。当社独自の「働き方改革」について、各施策の目的や成果、実現に至るまでのエピソード等をご紹介しています。

https://www.itochu.co.jp/ja/about/work_style/