コンプライアンス

伊藤忠グループのコンプライアンス推進体制とマネジメント

伊藤忠グループでは、法務部コンプライアンス室が、全体のコンプライアンス推進のための方針や施策の企画・立案を行い、伊藤忠商事の各組織、海外拠点及び国内外の主要なグループ会社(連結子会社、一部の持分法適用関連会社を含む。以下「コンプライアンス管理対象会社」)にコンプライアンス責任者を配置し、コンプライアンス推進体制を構築しています。本社の各組織、海外拠点及びコンプライアンス管理対象会社において発覚したコンプライアンス関連事案は、コンプライアンス統括役員(CAO・CIO)及び監査役に報告し、「重大なコンプライアンス関連事案」については、適宜取締役会へ報告しています。またCAO・CIOが委員長であるコンプライアンス委員会は3名の社外委員と関係職能部長および営業部門長等からなる社内委員で構成され、業務執行上の常設機関としてコンプライアンスに係る事項を審議します。直近では2018年2月15日にコンプライアンス委員会を開催しました。(原則年2回開催)

伊藤忠商事の各組織、海外拠点及びコンプライアンス管理対象会社が、ビジネスの特性・業態・所在地域の法制度などを考慮しながらコンプライアンスを遵守することができるように、コンプライアンス体制の整備につき「伊藤忠グループコンプライアンスプログラム」で示しています。

全社的な活動としては、コンプライアンス体制の整備・運用状況につき、年に一度、モニター・レビューを実施するほか、海外拠点やコンプライアンス管理対象会社などの重点先に対しては現場のコンプライアンスの実態把握やリスクの洗い出しを目的とした訪問指導を行うなど、体制運用に重点を置いた活動に取り組んでいます。更に、発生した事案の傾向、モニター・レビューの結果等を踏まえて組織ごとに独自のコンプライアンス強化策を策定し、順次実行に移しています。

また、コンプライアンス遵守を社員に徹底させるために、全社員に対し毎期末の個人業績評価の際にコンプライアンスを遵守したことを書面で確認させています。

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内部情報提供制度(ホットライン)

伊藤忠商事は「内部情報提供制度(ホットライン)規程」を策定しており、各コンプライアンス管理対象会社でもホットライン制度を設けることで、内部情報提供者の保護を図るとともに、適正な処理の仕組みを定め、贈収賄行為を含む不正行為等の早期発見と是正を図りコンプライアンス経営の強化に繋げています。

伊藤忠商事のホットライン制度は、通報受付窓口を複数設け(専門業者及び外部弁護士を活用した外部の通報受付窓口等)、内部情報提供者に対し報復など不利益な取扱いを行うことを禁止し、情報提供者が匿名で通告することを可能としています。

また伊藤忠商事ホームページでは、一般の方からのお問い合わせについて、頂いた内容に応じ、しかるべき部署が対応する仕組みを構築しております。

>お問い合わせ対応について

コンプライアンス意識向上の社員教育

コンプライアンス巡回研修の実施

コンプライアンス意識の向上と事案の発生を未然に予防することを目的に、実際に発生したコンプライアンス事案を教材として、下記の点も踏まえながら「コンプライアンス巡回研修」を伊藤忠商事の役職員を対象に毎年実施しています。

  • 業務上必要な法律の遵守に関する意識の向上
  • 贈収賄、インサイダー取引やマネー・ロンダリング等を含む幅広い腐敗防止に関する意識の向上
  • パワハラやセクハラなどのハラスメントによる人権侵害防止に関する意識の向上
  • またグループ会社各社では業態に応じた独自のコンプライアンス研修を役職員に対し実施するとともに、主要なグループ会社の役職員に対しては、本社からの巡回研修もあわせて行いました。2016年度は国内102社(受講者数約7,000名)と主要な海外のグループ会社34社に対して研修を実施しました。また、仕事で対面する可能性がある場面別アドバイス(Q&A形式)や腐敗リスクを未然に防止するために取る行動について教えている「コンプライアンスハンドブック」を全社員に配布しているほか、新人研修、管理職研修、グループ会社役員研修、海外赴任前研修等、社員の階層別にも、実際の事例などを基にしたきめ細かい教育研修を実施しています。

    コンプライアンス意識調査の実施

    伊藤忠グループではグループ全社員を対象に、隔年で「コンプライアンス意識調査」を実施し、企業理念の理解度を含めたコンプライアンス浸透の実態を把握し、具体的な施策に役立てています。2017年度はグループ社員のうち約4万4千名を対象に調査を実施し、41,215名から回答を得ました(回答率93.4%)。分析結果は各組織にフィードバックし、コンプライアンス体制の改善に活かされています。

    腐敗防止の取組強化

    伊藤忠グループの企業理念・企業行動基準である、ITOCHU Mission(使命)・ Values(価値感)においては、Value(価値観)の一つに「誠実/Integrity」を掲げ、『伊藤忠グループの一人ひとりが、自分の利益確保にとらわれて、不正な手段により競争を妨げたり、公務員などとの不適切な関係を構築するような行動をとることは一切しません』と宣言しています。また、伊藤忠グループとしての反贈賄ポリシーにおいて、日本国内外を問わず、公務員や民間の役職員に対して、不正な利益を得る目的で、金品・供応・便宜その他の利益を供与しないことを定めています。

    伊藤忠グループ反贈賄ポリシー

    1.伊藤忠グループの反腐敗1・反贈賄について

    伊藤忠グループは、創業者である伊藤忠兵衛をはじめとする近江商人の経営哲学「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)の精神に則り、企業理念として「豊かさを担う責任」を掲げています。これを果たすための基本的な価値観の1つとして引き継がれている「誠実」は「明言された約束を守り、裏表のない行動をし、どこでも誰とでも常に高い倫理感をもつて接すること」を意味するものであり、コンプライアンス遵守にほかなりません。
    伊藤忠グループが広く社会に「豊かさ」を提供し続けるためには、法令遵守は当然のこと、コンプライアンスを徹底し、社会に存在を許される組織であり続けなければならないと認識しており、不正な手段によらなければ得られない利益は1円たりとて要りません。
    伊藤忠グループにおいては、腐敗・贈賄リスクを排除するために「不正利益供与禁止規程」及び4つの関連ガイドライン(公務員・外国公務員・ビジネスパートナー・投資)に基づき、腐敗・贈賄に利用されやすい行為類型につき、申請及び承認手続、記録方法等に関するルールを定め、これを厳格に運用しています。

    【伊藤忠グループ反贈賄ポリシー】
    • 日本国内外を問わず公務員又はそれに準ずる立場の者に対し、不正な利益を得る目的で、金品・供応・便宜その他の利益供与を行わない。
    • 民間の取引先の役職員に対し、不正な利益を得る目的で、金品・供応・便宜その他の利益供与を行わない。

    2.パートナーの皆様へのお願い

    伊藤忠グループが上記の反贈賄ポリシーを実現するためには、伊藤忠グループと共にビジネスに取り組んで頂いておりますビジネスパートナー及び投資パートナーの皆様のご協力が必要です。
    伊藤忠グループでは、ビジネスパートナー並びに投資先及び投資パートナーにつき、デューデリジェンスの実施、別紙の確認書の提出、反贈賄条項を含んだ契約書の締結をお願いさせて頂きます。
    何卒ご理解・ご協力を賜りますよう宜しくお願い致します。

    2018年4月1日
    伊藤忠商事株式会社
    代表取締役会長CEO 岡藤 正広



    1腐敗:受託した権力を個人の利益のために用いること。横領、詐欺、マネーロンダリング等。

    伊藤忠商事では、米国の海外腐敗行為防止法(US FCPA)や英国贈収賄法(UK Bribery Act 2010)をはじめとする世界的な贈収賄規制強化の流れに鑑み、国内外の公務員及びこれに準ずる立場の者に対する不正な利益供与を広く禁止するため、これまでに「不正利益供与禁止規程」及び「3つの関連ガイドライン(公務員・外国公務員・代理店)」を制定し、これを厳格に運用していましたが、2015年12月に「代理店ガイドライン」を「ビジネスパートナーガイドライン」に改訂し、適用範囲を拡大するとともに、投資案件での贈収賄リスクのチェックを徹底するために「投資ガイドライン」を新設し腐敗防止の取組を更に強化しました。「不正利益供与禁止規程」では、禁止されている不正利益供与に、通常の行政サービスに係る手続きの円滑化のみを目的とした少額の支払いにあたるファシリティー・ペイメントを含み、民間の取引先に対する不正な利益供与にあたる商業賄賂も禁止しています。贈賄のみならず、役職員が民間の取引先から不正な利益供与を受けるケースについても、公私混同(利益相反等)に当たるとして、社内規程で禁止しています。

    公務員ガイドライン及び外国公務員ガイドラインでは、公務員・外国公務員との接待や贈答品贈与についての判断指針を示し個別審査を実施しています。ビジネスパートナーガイドラインでは、伊藤忠商事に対して役務を提供頂くビジネスパートナー(代理店、コンサルタント等を含む)の新規起用・契約更新に際し、漏れなくチェックを行う為のプロセスを明確にし、また契約のプロセスを定めています。海外のビジネスパートナーについては、トランスペアレンシー・インターナショナルが公開している腐敗認識指数(Corruption Perception Index/CPI)をリスク認定の基準の一つにしています。ビジネスパートナーとの契約書を含む贈賄リスクと関係する可能性がある各種契約書においては、贈賄禁止条項を盛りこみ、不正支払(贈賄又は不正な利益供与)を禁止し、かつ当該禁止に違反した場合には、直ちに契約書を解除できるよう明記しています。投資ガイドラインでは、投資案件の検討において、腐敗防止の観点からデューデリジェンスの実施や確認書の取得手続きを具体的に定めています。

    役員及び社員教育等で「伊藤忠グループ反贈賄ポリシー」「不正利益供与禁止規程」及び「4つのガイドライン」の啓蒙・浸透を図り、日頃の管理業務へも落とし込むことで、不正利益の供与を含む腐敗行為の未然防止に努めています。特に贈賄リスクが高い組織に対しては、贈収賄に特化した研修も実施しています。政治献金、慈善事業、スポンサー活動に関しても、寄付や協賛の実施が腐敗行為とならないよう、社内規程と照らし合わせ、また社会的に公正かつ倫理規範を満たすよう、社内で定められた寄付・協賛の申請ルートに基づき実施しています。

    上記の、「伊藤忠グループのコンプライアンス推進体制とマネジメント」にある、通期に一度の、モニター・レビュー等において、伊藤忠商事の各組織、海外拠点、コンプライアンス管理対象会社の、公務員・外国公務員との接待や贈答品贈与及び、代理店及びコンサルタントの起用・更新の実施状況を確認しており、必要に応じて各組織のコンプライアンス責任者と実施状況について対話を実施しています。

    談合・カルテル防止に向けた取組

    伊藤忠商事は、不公正な取引に関与することがないように2017年11月1日「独禁法等遵守基本規程」及び具体的運用指針である「カルテル・談合防止基準」を制定しました。その他に「独占禁止法コンプライアンス・マニュアル」や、参照が容易な「必読!独禁法Q&A特選'51問'」を定期的に(直近では2017年8月に)見直しながら、各種モニター・レビューや教育研修を通じて周知徹底を行っています。更に2017年7月には相談窓口として法務部内に独禁法デスクを設け、新教材として「独禁法よくある誤解29問」を作成しました。

    伊藤忠グループ税務ポリシー

    2017年12月7日
    伊藤忠商事株式会社

    伊藤忠商事および伊藤忠グループ(以下、総称して「当社グループ」)は、各国租税法、租税条約及び関連諸規定等(以下、「租税制度」)を遵守の上で適切に納税することを基本理念とし、事業を展開する国および地域、株主、債権者、取引先および当社グループ従業員を含む、全てのステークホルダーの利益を追求する。


    1.【基本理念】租税制度を遵守した適切な納税

    当社グループは、租税回避を企図した取引は行わず、租税制度の定めに則り、誠実な態度で税務業務に取り組む。


    2.税務コスト適正化

    当社グループは、基本理念を堅持したうえで、租税制度に基づき二重課税の排除及び優遇税制を適切に活用することで、税務コストの適正化に努める。


    3.各国・地域税務当局との公正な関係維持

    当社グループは、適時適切に資料を具備することで、グループ全体の税の透明性の確保に努め、各国・地域税務当局との建設的な対話を行うことにより、公正な関係維持に努める。


    知的財産への取組

    伊藤忠商事では、知的財産権関連ビジネスや日常業務において、他人が保有する知的財産権を侵害する行為の防止を徹底するため、社員を対象とした講習会の開催による注意喚起や、関連法規に準じた社内規則・マニュアルの整備を実施しています。また、会社の資産としての知的財産権の適切な管理、取扱いのため、職務発明・著作に関する社内規程、及び各種権利の出願・更新等のルールを明確化し、的確に運用しています。

    製品安全に関する基本方針

    伊藤忠商事は、取扱い製品に関する安全関連の法令に定められた義務を遵守し、お客様に対してより安全・安心な製品を提供する方針のもとに、カンパニーごとに「製品安全マニュアル」を策定し安全確保に努めています。今後も、社内教育の推進や、製品安全担当部署の設置・情報伝達ルートの確立、万が一製品事故が発生した場合の対応について見直しながら、安全・安心な製品の提供に取り組んでまいります。

    輸出入管理への取組

    総合商社の活動の柱である貿易を適正かつ効率的に行うため、伊藤忠商事では継続的に輸出入管理の強化、そして更なる改善を図っています。 安全保障貿易管理においては、大量破壊兵器及び通常兵器の拡散防止の為、外国為替及び外国貿易法(外為法)遵守の為の体系的・総合的な貿易管理プログラムを策定し、厳格な管理を行っています。当社の貿易管理プログラムは、外為法遵守に加え、国際平和及び安全を脅かすような取引に不用意に巻き込まれ結果として当社のレピュテーションを毀損することのないよう、米国制裁等の国際政治リスクを包括的にカバーする内容になっています。安全保障貿易管理に関する企業統治の重要性の増大に伴い、当社は国際社会の責任ある一員として様々なプロジェクトやトレードに伴う潜在的リスクに対する審査を厳格に行っています。また、輸入(納税)申告を含めた適正な輸出入通関手続きを実施するため、社内輸出入調査(モニタリング)や輸出入通関・関税管理に関する研修等、社内管理規則に基づいた諸施策を実施し、関税コンプライアンス等の徹底を図っています。また今後、営業課で活用が拡大する各種経済連携協定に特化した研修を実施し、ビジネスを新たに構築する上で必要な情報提供も始めています。こうした取り組みの結果、当社は横浜税関長より「法令順守体制」(コンプライアンス体制)と「セキュリティ管理」が優れた事業者に与えられる「認定事業者(AEO事業者)」(特定輸出者及び特例輸入者)の承認を取得しております。

    反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況

    伊藤忠商事は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決することを基本方針として明文化し、これを実現するために、反社会的勢力との対決「三ない原則」プラス1「恐れない、金を出さない、利用しない、+交際しない」および具体的応対要領10か条を対応マニュアルとして定め、全社員に対して周知徹底しております。また、反社会的勢力への対応統括部署を人事・総務部内に設置しています。さらに、反社会的勢力および団体と知らずして取引関係に入ることを防ぐための体制整備および教育啓蒙を進めています。

    インサイダー取引規制

    伊藤忠商事は「内部者取引等の規制に関する規程」を定め、2014年4月には同規定を改訂し、「インサイダー情報の報告・管理体制に関するガイドライン」を策定しました。投資先や取引先に関する重要情報を知った場合の対応を定め、社員への周知徹底をはかっています。

    情報管理に対する考え方

    伊藤忠商事は、情報の取扱いに関し、「情報セキュリティポリシー」を制定し、当社の全ての役職員が情報の適切な取扱い・管理・保護・維持すべく努めています。また、行動規範を示し、高い情報セキュリティレベルを確保することにより、経営活動に必要な情報の適切な管理を実現するために、全ての役員と社員を対象に「情報管理規程」を定めています。具体的には、個人情報管理、文書管理、ITセキュリティに関する規則や基準を定め、個人情報や機密情報の漏えい防止に努めています。2015年に施行されたマイナンバー法に対応する管理体制も整備しています。

    個人情報モニター・レビュー

    伊藤忠グループは、定期的に単体及びコンプライアンス管理対象会社に対して、個人情報モニター・レビューを業務部・法務部、IT企画部主催で行っています。9回目に当たる2017年度は、2017年9月から11月にかけ、伊藤忠商事及びコンプライアンス管理対象会社80社に対して個人情報管理体制の確認を実施しました。その結果も踏まえて伊藤忠商事およびグループ会社での改善のための啓蒙活動を継続するとともに外部弁護士のアドバイスを通じた体制の構築および運用支援を行っています。

    違反事例への対応

    万が一、腐敗防止を始めとする上記方針・規程に違反する事例が確認された場合には、原因究明や当事者や関係者の教育訓練など各種是正措置を行います。伊藤忠商事は、贈賄を含む法令違反に関与した役員・社員に対し、懲戒を検討し、社内調査の結果によっては厳罰をもって処す姿勢で取り組んでいます。