コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

当社は、「豊かさを担う責任(Committed to the Global Good)」を企業理念とし、個人と社会を大切にし、未来に向かって豊かさを担う責任を果たしていくことを使命としています。また、企業理念に込めた意図を分かりやすく示し、当社の強さである卓越した個人の力を表す言葉として、「ひとりの商人、無数の使命」を新たにコーポレートメッセージとして定めています。

充実したコーポレート・ガバナンスのためには、経営者による健全なリーダーシップの発揮と、透明で公正な意思決定の両立が不可欠であるとの考えのもと、当社は、監査役(監査役会)設置会社として、法令上認められる範囲内で通常の業務執行に属する事項の経営陣への委任を進める一方、監査役による経営監視を強化するための施策を行ってきました。また、取締役会による経営監督機能を強化するため、独立した社外取締役を複数名選任すると共に、取締役会の諮問委員会として、社外取締役を委員長とし委員総数の半数以上を社外役員とする「ガバナンス・報酬委員会」および「指名委員会」を設置しています。社外取締役および社外監査役の選任にあたっては、独立性の確保を重視しており、東京証券取引所が定める「独立役員」の要件に加えて、当社独自の独立性判断基準を策定しています。独立性の高い複数の社外取締役を含めて構成される取締役会においては、経営陣による業務執行の監督の他、定量面又は定性面から重要性の高い業務執行に関する審議も行っています。このような取締役会の機能を通じて、業務執行の監督が適切に行われることに加え、重要な業務執行については社外の視点からの検討も行うこともできると考えております。

また、当社は、株主・投資家等のステークホルダーに対する財務・非財務情報の発信もコーポレート・ガバナンス上の重要な課題の一つと認識し、適時・適切な適時開示に努めています。2015年5月には、当社の企業理念および東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨・精神を尊重し、様々なステークホルダーとの間の対話を更に促進する目的で「IR基本方針」を定め、公表しました。こうした対話の促進により、長期的な視点での当社の企業価値の向上に繋げていきたいと考えております。
当社としては、現状のコーポレート・ガバナンス体制は東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」において標榜されている「攻めのガバナンス」の精神にも適うものであると考えております。一方で、わが国におけるコーポレート・ガバナンスに関する議論の急速な進展や諸外国の動向も認識し、当社置かれた経営環境を踏まえた最適なコーポレート・ガバナンス体制を構築すべく、引き続き検討を続けていきます。

取締役会評価の実施

当社は、2015年度の取締役および監査役を対象として、取締役会の実効性に関する評価を実施しました。
結果の概要につきましては下記をご参照ください。

コーポレートガバナンス・コードへの対応状況

東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」への2016年6月時点の対応状況は下記の通りです。
詳細につきましては、コーポレート・ガバナンス報告書(4.71MB)[PDF]をご参照ください。なお、当社は、「コーポレートガバナンス・コード」に記載された各原則を全て実施しています。

これまでのコーポレート・ガバナンス強化のための取組み

1997年

ディビジョンカンパニー制を採用

意思決定の迅速化・経営の効率化及び責任の所在の明確化

1999年

執行役員制度に移行

取締役会の意思決定機能と監督機能の強化

2007年

取締役及び執行役員の任期を1年に短縮

任期中の経営責任を明確化するため

2011年

社外取締役制度の導入

経営監督の実効性と意思決定の透明性の向上

2015年

コーポレートガバナンス・コードへの対応

指名委員会、ガバナンス・報酬委員会の設置他

コーポレート・ガバナンス体制早見表 (2016年6月24日現在)

機関設計の形態

取締役会・監査役(監査役会)設置会社

取締役の人数

14名

(内、社外取締役の人数)

(3名)

監査役の人数

5名

(内、社外監査役の人数)

(3名)

取締役の任期

1年(社外取締役も同様)

執行役員制度の採用

社長の意思決定を補佐する機関

HMC(Headquarters Management Committee)が全社経営方針や重要事項を協議

取締役会の任意諮問委員会

ガバナンス・報酬委員会及び指名委員会を設置

役員報酬体系
取締役会開催実績と役員報酬
  • ① 月例報酬:役位ごとの基準額をベースに会社への貢献度等に応じて決定
  • ② 業績連動型の賞与
  • ③ 業績連動型の株式報酬
当社株主帰属当期純利益に基づき総支給額が決定
  • 社外取締役には月例報酬のみを支給
会計監査人

有限責任監査法人トーマツ

当社のコーポレート・ガバナンス体制及び内部統制システムの概要図(2016年4月1日現在)

[図]

取締役会の任意諮問委員会

名称 役割
指名委員会

執行役員及び取締役・監査役候補の選任議案の審議

ガバナンス・報酬委員会

執行役員・取締役の報酬制度、その他ガバナンス関連議案の審議

主な社内委員会

名称 目的
内部統制委員会

内部統制システムの整備に関する事項の審議

開示委員会

企業内容等の開示及び財務報告に係る内部統制の整備・運用に関する事項の審議

ALM委員会

リスクマネジメント体制・制度及びB/S管理に関する事項の審議

コンプライアンス委員会

コンプライアンスに関する事項の審議

CSR委員会

CSR、環境問題及び社会貢献活動に関する事項の審議

投融資協議委員会

投融資案件に関する事項の審議

指名委員会及びガバナンス・報酬委員会の構成 (2016年6月24日現在)

氏名 役位 指名委員会 ガバナンス・報酬委員会
岡藤 正広

代表取締役社長

岡本 均

代表取締役

 

小林 文彦

代表取締役

 
藤﨑 一郎

社外取締役

 

○(委員長)

川北 力

社外取締役

○(委員長)

 
村木 厚子

社外取締役

 

赤松 良夫

常勤監査役

 
山口 潔

常勤監査役

 

間島 進吾

社外監査役

 

望月 晴文

社外監査役

 
瓜生 健太郎

社外監査役

 
 

(6名)

(6名)

政策保有株式の保有方針及び議決権行使基準

当社は、純投資および連結対象会社への投資以外の投資を「一般投資」と分類しておりますが、いわゆる政策保有株式は、当社においてはこの「一般投資」に内包されるものです。一般投資は取引関係・協業関係の構築・維持強化を目的とするものに限定する方針を社内基準で定めており、この方針は、国内株式・海外株式、あるいは上場株式・非上場株式の別に拘らず同一です。当社では新規に行う一般投資は厳選する方針としております。
当社は、社内管理規則の定めに従い、全ての一般投資先の経営内容の把握を行うと共に、経営会議で毎年実施している一般投資レビューを通じ、投資効率を踏まえた投資の経済合理性(定量面)や、将来的な投資目的の実現見通しを踏まえた保有意義(戦略面)を確認しています。このレビューの結果、経済合理性が乏しい、もしくは投資目的の実現確度が低いと判断した一般投資については、社内基準の定めに従い、原則として売却する方針と位置付けております。主要政策保有株式については、一般投資レビューで保有方針、あるいは売却方針に分類した結果を、取締役会で検証しております。
当社は、一般投資先との取引関係・協業関係の構築・維持強化を図るとともに、当社および一般投資先の企業価値向上の観点から、一般投資先とのコミュニケーションを重視しております。新たに2015年5月より、当社が保有する国内の上場一般投資株式については、以下の社内基準を設け、全ての対象一般投資先に対して適時・適切に議決権を行使しております。

<議決権行使基準>

  1. 原則として棄権はしない。また議決権行使の白紙委任は行わない。
  2. 当社の投資目的・保有方針を踏まえて当社の賛否を決定する。

なお、議決権の行使にあたり、投資を行っている主管部が株式総会議案に対する当社の賛否表明案を立案し、当社内における所定の協議・審査プロセスを経て、各議案についての当社の賛否を決定しております。

社外取締役及び社外監査役の独立性に関する判断基準

社外役員の独立性に関する判断基準につきましては、指名委員会における審議を経て、取締役会において策定しています。

社外取締役の選任理由

氏名 選任理由
藤﨑 一郎
2013年6月就任

外交官としての長年にわたる経験を通して培った国際情勢・経済・文化等に関する高い見識を当社の経営に活かすとともに、独立の立場から当社の経営を監視・監督することを期待して選任しています。なお、藤﨑氏は、東京証券取引所の「上場管理等に関するガイドライン」に定める独立性基準及び当社独自の「独立性判断基準」に基づき独立性を有しており、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断されることから、独立役員に指定しています。

川北 力
2013年6月就任

財務省(及び旧大蔵省)及び国税庁における長年の経験を通して培った財政・金融・税務等に関する高い見識を当社の経営に活かすとともに、独立の立場から当社の経営を監視・監督することを期待して選任しています。なお、川北氏は、東京証券取引所の「上場管理等に関するガイドライン」に定める独立性基準及び当社独自の「独立性判断基準」に基づき独立性を有しており、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断されることから、独立役員に指定しています。

村木 厚子
2016年6月就任

厚生労働省において大臣官房審議官、雇用均等・児童家庭局長、厚生労働事務次官といった重要役職を歴任する等、行政官としての豊富な経験を当社の経営に活かすとともに、独立の立場から当社の経営を監視・監督することを期待して選任しています。なお、村木氏は、東京証券取引所の「上場管理等に関するガイドライン」に定める独立性基準及び当社独自の「独立性判断基準」に基づき独立性を有しており、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断されることから、独立役員に指定しています。

社外監査役の選任理由

氏名 選任理由
間島 進吾
2013年6月就任

公認会計士や大学教授としての豊富な経験と会計及び経理に関する専門知識を活かして、独立の立場から当社の経営を監視・監査することを期待して選任しています。なお、間島氏は、東京証券取引所の「上場管理等に関するガイドライン」に定める独立性基準及び当社独自の「独立性判断基準」に基づき独立性を有しており、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断されることから、独立役員に指定しています。

望月 晴文
2014年6月就任

経済産業省(及び旧通商産業省)等における行政官としての豊富な経験と経済・産業政策等に関する専門知識を活かして、独立の立場から当社の経営を監視・監査することを期待して選任しています。なお、望月氏は、東京証券取引所の「上場管理等に関するガイドライン」に定める独立性基準及び当社独自の「独立性判断基準」に基づき独立性を有しており、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断されることから、独立役員に指定しています。

瓜生 健太郎
2015年6月就任

主に企業法務・国際取引法の分野における弁護士としての豊富な経験と専門知識を活かして、独立の立場から当社の経営を監視・監査することを期待して選任しています。なお、瓜生氏は、東京証券取引所の「上場管理等に関するガイドライン」に定める独立性基準及び当社独自の「独立性判断基準」に基づき独立性を有しており、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断されることから、独立役員に指定しています。

社外取締役によるメッセージ

[写真]

藤﨑 一郎

1969年 4月 外務省入省
外務本省の他、在インドネシア大使館、経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部、大蔵省主計局を経て
1987年 8月 在英国大使館参事官
1991年 2月 外務省大臣官房在外公館課長
1992年 3月 同省大臣官房会計課長
1994年 2月 同省アジア局参事官
1995年 7月 在アメリカ合衆国大使館公使(政務担当)
1999年 8月 外務省北米局長
2002年 9月 外務審議官(経済担当)
2005年 1月 在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使
2008年 4月 アメリカ合衆国駐箚特命全権大使
2012年 11月 外務省退官
2013年 1月 上智大学特別招聘教授、国際戦略顧問(現任)
2013年 6月 現職に就任
2014年 6月 新日鐵住金(株)社外取締役(現任)

ガバナンス・報酬委員会を通じたコーポレート・ガバナンスの強化に向けて

ガバナンス・報酬委員会の委員長を勤めさせて頂くことになりました。今日、 企業にとってガバナンスは基本中の基本になりつつあります。社会的関心も高まっています。社外の取締役や監査役などが取締役会や監査役会を通じ て企業経営に参加する理由は、第三者的視点からガバナンスが機能しているかをチェックすることが主目的でしょう。すなわち長い間の慣行から企業内で は当然視される判断でも社会的に通用するか、アカウンタビリティがあるかを 見ることが期待されるわけです。そして問題が起きる前に未然に防止することが重要です。
ガバナンス・報酬委員会は取締役会より人数を絞って突っ込んだ議論を 行ないます。本年も外部専門家に委託した取締役会の実効性評価の報告書 をレビューし、活発な議論を行なって今後の検討課題を整理しました。
また株式報酬制度導入にあたっても取締役会の前に審議を行ないました。 当社は、2015年度に利益No. 1の商社となりました。
いまこそ「勝って兜の緒を締めよ」の時期です。本委員会としても重大な使命に鑑み、委員一同しっかりその職責を果たしていこうと決意を新たにしています。

[写真]

川北 力

1977年 4月 大蔵省入省
2001年 7月 財務省主税局税制第一課長
2002年 7月 同省大臣官房総合政策課長
2004年 7月 同省大臣官房文書課長
2005年 7月 国税庁大阪国税局長
2007年 7月 財務省大臣官房審議官
      (主税局担当)
2008年 7月 同省大臣官房総括審議官
2009年 7月 同省理財局長
2010年 7月 国税庁長官
2012年 8月 財務省退官
2012年 10月 一橋大学大学院法学研究科教授
      (2014年9月退任)
2013年 6月 現職に就任
2014年 10月 損害保険料率算出機構
       副理事長(現任)

指名委員会の監督プロセスの確立に向けて

「経営陣の指名選任」は、企業にとって最も根源的な判断事項でしょう。当社の「指名委員会」は、取締役会の諮問に応じる「任意の委員会」であり、指名に関 する決定権は有していないものの、経営陣の指名や社長後継者計画について 監督するという重要な役割を担っています。
当社は2016年度、同委員会の監督機能を強化するため、委員の社外役員 比重を高めるとともに、委員長を社外取締役とする体制にしました。委員名は公表されており、また、社外役員委員は「独立役員」です。私は委員長として、このような中立性、透明性、独立性に立脚した体制の下、社長等の経営陣とも密に意見交換を行いつつ、真に株主利益にかなう審議を行うべきものと認識 しております。指名委員会として今後経験を積む必要もありますが、私としては本年度まず、 その運営において、同委員会の設置趣旨に即した規範的な監督プロセスを確 立していくことが重要と考えております。
「商社新時代」において、当社が更に企業価値を伸長させ、より大きな責任を 果たしていくため、取締役会が最適な判断を下せるよう、指名委員会として適切に監督を行ってまいります。

その他

買収防衛策の導入はありません。