会長CEO
「三方よし」と企業ブランド価値向上を目指して
私は社長就任以来、伊藤忠商事の企業価値を持続的に向上し、得られた利益を社会や株主の方々、社員等全てのステークホルダーに広く還元することを念頭に経営を行ってきました。4月に発表した経営方針では重要な項目として、ステークホルダーの皆様との対話を通じた「企業ブランド価値の向上」を掲げています。
企業ブランド価値は、右肩上がりの成長を続けて安定した収益基盤を築くのみならず、数字では測れない定性的な部分も磨き上げることによって高めていくものです。ブランド力が高まれば、新しい情報が集まるようになってそれが「稼ぐ」につながり、更には企業の成長につながります。伊藤忠商事が継続的に成長し続けられるということは、伊藤忠商事と商売をすれば儲かるというお客様からの支持を得ているということに他ならず、このような好循環が生まれる会社を目指しています。
ブランドとは、様々なステークホルダーからの安心・信頼の積み重ねともいえますが、逆に1人の社員、1度の不祥事によって、一気に崩れ落ちるリスクもあるものです。ブランド価値の毀損を「防ぐ」ことを一人ひとりが徹底し、外部からの評価や社会に与える影響を意識して、行動することが大事です。
このような企業ブランド価値向上を着実なものにする原動力は、個々の社員の成長です。今は業績もよく、社員もやる気を出して仕事に取組み、社会から高い評価もいただき、その結果優秀な学生が集まるという好循環になっていますが、これを維持し、更に向上させたいと考えています。社員にやりがいを与え、結果が出るまで辛抱強く育成する等、社員と会社の信頼と期待の循環が生まれやすい環境を整備し、人的資本強化に努めます。
これらを通じ、伊藤忠商事の企業理念の「三方よし」の実現、「三方よし資本主義」を実践し、企業価値の弛まぬ向上を目指していきます。
2024年6月
代表取締役会長CEO 岡藤 正広