ボルネオ便り 第4回
I ITOCHU Group: Forest for Orang-utan の活動の地、ボルネオ島・マレーシア国サバ州にて、社員並びにグループ会社社員が東京、仙台、台湾の各地から計18名集合して、第4回ボルネオ植林体験ツアーを実施しました。現場では、灼熱の太陽が照りつける厳しい環境の中、参加者たちは1人当たり10本~27本の苗木を汗まみれになって植林しました。
現地の魅力溢れる自然とツアーの概要をご紹介します。

北ウルセガマ

本プロジェクトの植林地です。967ha(正方形にして3km x 3km 強)を支援し、森林の再生を目指します。一般企業の植林活動支援地としては最大規模の面積です。
スカウ

キナバタンガン川を巡るクルーズで人気な場所で、ワニやテングザル等数多くの野生動物に出会えます。
サンダカン

コタキナバルに次ぐ第2の都市です。1947年にコタキナバルへ首都が移されるまで、英国領北ボルネオの中心として貿易の拠点として栄えました。
セピロック

絶滅の危機に瀕したオランウータンを野生に戻すための施設「オランウータン リハビリテーションセンター」があります。
ラハダトゥ

コタキナバルからプロペラ機で移動してラハダトゥの空港に到着。ホテルでは植林地へ出向く準備をします。WWFマレーシアスタッフからの講義がラハダトゥのホテルの会議室で開催されました。
植林体験ツアー
ツアー日程(5泊6日)
ツアーの様子を動画配信中
2012年11月時点の植林状況
2012年11月時点で、全体967ヘクタールの70%にあたる約690ヘクタールの植林が完了しています。長雨や干ばつ等の悪天候が作業の妨げとなり植林業者の作業効率が上がっていない面もありますが、現状では2014年度まで植林作業が続けられ、維持管理作業は2016年度まで継続されます。それ以降は自然生長に任せることになります。



約4mまで成長しました
植林体験ツアーレポート
2日目(11月23日)
長時間のフライト・乗継を経てホテル到着後、直ちに会議室でWWFマレーシアのスタッフよりボルネオ島の失われゆく森林の現状について講義をうけました。



伊藤忠商事でご活躍された後にコタキナバルで生活中のOB(元専務)谷山氏もご夫婦で駆けつけて下さり現地の植林と文化につき講義を頂きました。参加者は深く現状を理解することができました。
3日目(11月24日)
気温約35度程度。灼熱の太陽の日差しの中で19名が6班に分かれて作業し、1人当たり苗木10本~27本も植林しました。全員が汗にまみれてクタクタになるまで植林作業をしました。
植林現場の中にオランウータンの巣の跡を見つけた参加者が、自分たちが植えた苗木が10年後にオランウータンの居着ける木に成長する様に祈りながら作業を続けている姿が印象的でした。






植林終了後、バスでホテルに移動。スカウのホテルからイブニングクルーズに出発した参加者はテングザル、オランウータン、トカゲ、カワセミ等の野生動物に遭遇しました。夕食後にも再びナイトクルーズに出発。夕方と夜とでは、観察できる野生動物の種類が変わります。夜の川下りは幻想的な風景が広がり、一同息をのみながら、星空の下での風景を楽しみました。

イブニングクルーズ開始



4日目(11月25日)
昨日の興奮も冷めやらぬまま、モーニングクルーズへ出発。その後、ボートで約2時間半の移動中にも野生動物達との出会いがあり、参加者は期待していた以上の驚きを感じていました。




直接あたるが、赤道直下の気温では心地よい。
5日目(11月26日)
前夜から大雨が降り、午前中にセピロックオランウータンリハビリテーションセンターを雨の中訪問。親を密猟等で失って、孤児となり保護されたオランウータンは、同センターで人間の手助けを受けながら自ら生活していくために必要な技術を教わり、その後、自然に返されます。参加者一人一人が、森林再生と生態系保全の繋がりとその重要性について深く考える貴重な時間となりました。






The Rainforest Discovery Centreを訪問


散策できるようになっています


WWFジャパン
サポーター事務室
法人・募金グループ
小坂 恵
雨雲を寄せ付けない?! 晴れ男&晴れ女の元気パワー!
皆様のご協力の下、今回の植林ボランティア活動も無事に終了することができました。誠にありがとうございました。
到着後すぐのレクチャーでは、疲れた様子は無く、むしろ活動に参加する意欲が溢れていました。プレゼンテーション後には積極的なご質問があり、本プロジェクトに対する関心の高さを感じました。
この時期の現地は雨季ですが、伊藤忠グループの方はかなりの“晴れ男&晴れ女”なのでしょうか。昨年同様に、プロジェクト現場にいる間は青空が広がり、照りつける太陽の下、気温は35℃を超えましたが、笑顔を絶やさず真剣に取組まれていました。特に、苗木に話しかけながら、丁寧に植えていた方が心に残っています。植林活動終了後には、満足感に満ちたお顔を拝見でき、スタッフも徐々に緊張感が解れて、写真撮影等、皆様と楽しい交流の時間を過ごせました。
今回のツアーを通して、ご参加いただいた皆様には、森林再生プロジェクトの必要性、内容、取組むにあたっての様々な課題と、日々のスタッフの活動等をご理解いただいたのではないかと思います。ぜひ、この体験を、同僚の方や、ご家族・ご友人等にお伝えください。皆様のお話が、地球環境保全について考えるきっかけとなることを期待しています。