CSRに関する基本方針と推進体制

伊藤忠商事のCSR推進

伊藤忠商事は、創業1858年から160年近くにわたり近江商人の経営哲学「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の精神を受け継ぎ、企業理念である「豊かさを担う責任」のもと、本業を通じて社会的責任を果たすことが重要であると考えています。

コーポレートメッセージ「ひとりの商人、無数の使命」は、企業理念である「豊かさを担う責任」に込めた意図をわかりやすく示した言葉です。

企業理念や外的環境の変化を踏まえた伊藤忠商事のCSR推進の方向性を「CSR推進基本方針」として定め、CSRを組織的・体系的に推進しています。また、CSR上伊藤忠商事が優先的に解決すべき重要課題として定めたマテリアリティを「CSRアクションプラン」に落とし込み、中期経営計画の方針に基づき推進するトレーディングや事業投資といった事業活動を通じて、CSR上の課題解決につなげています。

CSR推進体制

伊藤忠商事では、全社CSR推進のための施策は、広報部CSR・地球環境室が企画・立案し、CSR担当役員であるCSOの決定の下、国内外の各組織で推進しています。また方針の策定や重要な案件については主要な社内委員会のひとつである「CSR委員会」で議論・決定しています。またCSR推進の主たる活動状況は定期報告として取締役会に報告されています。また、定期的に社内外のステークホルダーとの対話を図ることによって当社に対する社会の期待や要請を把握し、それらをCSR推進に活かしています。

2015年度 CSR委員会
メンバー

委員長:CAO 兼 人事・総務部長、委員:広報部長、常勤監査役、各ディビジョンカンパニー経営企画部長

主な議案

環境マネジメントレビュー、マテリアリティレビュー

CSR推進基本方針

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伊藤忠商事では中期経営計画と連動したCSRを推進するため、経営計画策定のタイミングにあわせてCSR推進基本方針策定しています。

2015~2017年度の中期経営計画「Brand-new Deal 2017」の期間中のCSR推進基本方針は、以下の通りです。

ステークホルダーとのコミュニケーションとCSR情報の開示強化

ステークホルダーとのより一層のコミュニケーションを通じて、ステークホルダーのニーズの把握に努め、それらをビジネスや業務に活かし反映させていくこと、また情報開示の強化を通じてステークホルダーへのさらなる理解促進を目指します。

マテリアリティ(CSR上の重要課題)の解決に資するビジネスの推進

持続可能な社会はビジネスを継続させるためにも必要不可欠です。自らのビジネスを継続させるためにも、気候変動や人権問題といった社会的課題の解決に、企業は貢献すべきであり、ビジネスを通じて社会のためにできることをやっていかなければなりません。当社は、自社にとっても社会にとっても持続可能な成長につながる重要な課題を選定しており、事業活動を通じてその解決に貢献することを目指します。

環境・人権に配慮し、持続可能な資源利用に繋がるサプライチェーン・事業投資マネジメントの強化

当社のビジネスは自然界のあらゆる資源(水、大気、森林、食糧、鉱物、化石燃料等)の消費と密接にかかわっています。各現場において、事業投資先や取扱商品のサプライチェーン上の自然資源の利用状況について把握し、長期的な事業戦略に落とし込むこと、また人権・労働、環境等の問題が起きないように予防することが、ビジネス自体の持続可能性に直結しています。事業投資先や取引先に当社のCSRに対する考え方への理解と実践を求め、持続可能なバリューチェーンを構築していきます。

CSR・環境保全に関する教育・啓発

「CSRを体現するのは社員一人ひとり」であることから全社員が伊藤忠グループとして行うべきCSRを正しく理解していることが必要です。このため、さまざまな研修などを通してCSRや環境保全に関する教育を実施すると共に、各組織ではCSRアクションプランについての活発な議論を行う場を設け、CSRマインドの浸透を図っていきます。

地域・国際社会への参画と発展への貢献

当社は、当社が拠点を置く地域社会の一員であり、また同時に国際社会の一員です。よって、自らがその一員として地域社会や国際社会に積極的に参画し、またその発展に貢献していくことを目指します。当社が、事業展開している地域の社会的課題を把握し、本業と社会貢献活動の両面から地域の中長期的な発展に貢献していきます。

CSRアクションプランによるCSR推進

伊藤忠商事では、多岐にわたる事業分野を7つのディビジョンカンパニーで展開しています。トレーディングや事業投資といった事業活動を通じてCSRを着実に推進するために、それぞれの事業分野において重要なCSR課題をカンパニーごとに自ら抽出した「CSRアクションプラン」を策定し、対象部署ごとに年2回のレビューミーティングを開催するなどPDCAサイクルシステムに則ってCSRを推進しています。

また、総本社職能部、国内支社・支店、海外拠点などの組織ごとに、それぞれのビジネスや機能に沿ったCSRアクションプランを策定し、事業活動を支える基盤をさらに盤石にすることを目指しています。

マテリアリティ(CSR上の重要課題)の選定・レビュープロセス

伊藤忠商事では、2013年に「マテリアリティ」(CSR上の重要課題)をCSR委員会にて決定しました。各事業分野のリスクと機会を認識し、当社の事業戦略や国際動向、社内外からの意見、社会への影響などを勘案の上、優先度合をつけ選定しました。マテリアリティの解決に向けた具体的な施策を、各組織における「CSRアクションプラン」に落とし込み、継続して検証・補完を行い、定期的にCSR委員会においてレビューしています。また、CSR委員会の内容は、CSOが取締役会に報告をしており、長期的な視点で、経営方針にも照らし合わせながら、事業活動を通じた重要課題の解決に取り組んでいます。

気候変動

気候変動はあらゆる事業活動に影響を及ぼし得る課題であり、気候変動によっておこる自然災害等のリスクへの適応策と、事業活動から排出される温室効果ガスの削減や、再生可能エネルギー等のソリューション型のビジネスからなる緩和策の両面から課題の解決に貢献していきます。

持続可能な資源の利用

伊藤忠商事の多岐にわたる事業活動は、自然から得られる多様な資源とそれらのフローによって成り立っています。資源の枯渇に対する懸念がますます高まる中で、持続可能性に配慮した資源の開発やその利用まで、リスクと機会の両面から取り組むべき重要な課題と位置づけています。

人権の尊重・配慮

ビジネスが広域化・複雑化するのに伴い、自社の事業活動の影響を及ぼす範囲も拡大していることを認識し、事業活動全体をバリューチェーンでとらえて、どのような人々に影響を与え得るかを把握し、関わる人々の人権の尊重や配慮を行っていくことが重要と考えています。

地域社会への貢献

世界の様々な地域で事業活動を展開する中で、各地域社会が対面する課題やニーズに対して事業活動と社会貢献活動の両面から参画することで、地域の発展への貢献と伊藤忠商事の成長につながる新たな市場の開拓を目指しています。

リスクと機会の認識

伊藤忠商事のビジネスは多岐にわたるため、事業分野ごとに対面する業界特有のリスクを内部要因・外部環境の両面から定期的に見直しています。具体的には、各事業分野におけるCSRリスクを抽出し、その発生頻度や重要度を分析し、リスク評価を実施しています。その評価も考慮し、リスク発生の未然防止や影響軽減につながる対処方法を策定し、CSRアクションプランに落とし込み、継続的にレビューしています。

社内・社会からの意見

伊藤忠商事は、様々なステークホルダーとのコミュニケーションをマテリアリティ選定の上でも重要視しています。ホームページ上から受け付けている社外からのご意見・ご提案も関連部署で参考にしている他、ステークホルダーと対話も行っており、代表的な事例については、ステークホルダーとの関わりCSRの社内浸透CSRアドバイザリーボード2015をご参照ください。

CSR推進にあたっては、国連グローバル・コンパクトの10原則や、2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)を始めとする、以下のような国際ガイドラインや原則等を参照しています。

  • 国連グローバル・コンパクト(参加)
  • GRIガイドライン
  • 国連世界人権宣言
  • IIRC(国際統合報告フレームワーク)
  • 国連ビジネスと人権に関する指導原則
  • 日本経団連:企業行動憲章
  • 持続可能な開発目標(SDGs)※
  • 日本貿易会「商社環境行動基準」「サプライチェーンCSR行動指針」
  • 先住民の権利に関する国際連合宣言
  • CDP(Carbon Disclosure Project)
  • 国連法執行官による力と銃器の使用に関する基本原則
  • OECD多国籍企業ガイドライン
  • ISO26000
  • 持続可能な開発目標(SDGs): 2015年に終了したミレニアム開発目標(MDGs)に続く、2030年までの持続可能な開発目標。貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会等、以下17の目標が定められています。
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