労働安全衛生・健康経営

方針・基本的な考え方

従業員の労働安全衛生・健康経営

当社は、「健康力向上」こそが、企業行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を果たす人材力強化の礎であるという考えに基づき、「伊藤忠健康憲章」の制定、がんと仕事の両立支援等をはじめとした健康・安全に対する万全な体制を構築しております。また、労働安全衛生に関する情報提供など、当社産業医によるグループ会社支援を行っております。今後も、従業員一人ひとりの健康を第一に、従業員が安心して働くことができる職場環境の実現をグループ全体で目指してまいります。

伊藤忠健康憲章(2016年6月制定)

1. 健康への責任

伊藤忠商事は、社員一人ひとりが自らの「健康力」に責任を持ち、その維持・増進を図るための取組みを積極的に支援します。

2. 健康による社会貢献

伊藤忠商事は、社員の健康を、本人やその家族、お客様や社会全体の幸福の礎と考え、健全で永続的な会社の発展を実現します。

3. 未来への継承

伊藤忠商事は、心身共に満たされた健康な社員が卓越した「個の力」を発揮する企業として、その「無数の使命」を未来に亘って果たして行きます。

今後も、「働き方改革」「健康経営」のリーディングカンパニーとして、様々な取組みを先駆的に推進し、従業員にとって「働きがい」のある会社に向けた環境を整備していきます。

サプライチェーンの労働安全衛生

伊藤忠商事は、サプライチェーンや事業投資先の労働安全衛生に対する配慮が重要と考え、2013年度に「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を定め、サプライヤーに対して伊藤忠商事の考え方を伝え、理解と実践を期待し、働きかけています。同行動指針には「従業員の労働時間・休日・休暇を適切に管理」、「従業員に対して安全で衛生的かつ健康的な労働環境の提供」が含まれ、2013年度に、継続的取引のある約4,000社のサプライヤーに対して通知し、2015年1月からは新規サプライヤーと取引を行う場合は必ず事前に通知することを定め、当社のサステナビリティに関する方針についてコミュニケーションを深めています。

事業投融資案件の労働安全衛生リスク評価

伊藤忠商事は、投融資案件の審査に際し、経済的側面だけでなく、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点を重要視し、新規投資案件においては、「投資等に関わるESGチェックリスト」を用いて、労働慣行(労働条件、労働安全衛生、ステークホルダーとの対話)等を総合的に審議・検討しています。また、新規案件のみならず、既存事業投資先の事業経営をモニタリングし、改善に資するように努めています。
詳細は、新規事業投資案件のESGリスク評価をご覧ください。

グローバルな健康課題への対策

伊藤忠商事は、海外拠点を多く有する企業として、世界三大感染症(結核、マラリア、HIV/AIDS)等のグローバルな健康課題へ対応することの重要性を認識し、積極的に対応しています。従業員に対しては、海外赴任する従業員とその家族に、感染症に対する情報の啓蒙、予防接種、及び現地での医療支援を行っています。
また、コミュニティー貢献にも取組み、世界三大感染症の対策基金を支援するグローバルファンド日本委員会[別ウインドウで開きます](運営:日本国際交流センター)へ2017年より参加しています。また、グループ会社Dole Philippines社でも、地域住民のための世界三大感染症対策を実施しており、今後もこの世界課題の克服に尽力していきます。

目標・アクションプラン

伊藤忠商事では、労働安全衛生・健康経営の方針を踏まえ、2023年度も従業員と契約社員の労災ゼロ、死亡災害ゼロを目指して、以下目標を掲げ、取組んでいます。

  • 伊藤忠商事が管理している事業所で働く契約社員
マテリアリティ SDGs
目標
インパクト分類 取組む
べき課題
事業分野 コミットメント 具体的対応アプローチ 成果指標 進捗度合(レビュー)
総本社
働きがいのある職場環境の整備
労働慣行 従業員の健康力強化 人事 従業員一人ひとりの健康力を向上させ、個の力をより一層発揮できる環境を整備していきます。がん・長期疾病を抱える従業員に対する両立支援体制の構築を通じ、支え合う風土を醸成します。
  • 国内定期健康診断の100%受診目標。
  • 充実した社内診療所及び従業員一人毎の専属医療支援体制の整備。
  • がんとの両立支援策の推進。
  • 禁煙治療補助プログラムの推進。
  • 生活習慣病高リスク者向けプログラムの継続実施。
  • ストレスチェックの実施。
  • 国内定期健康診断受診率100%。
  • 特定保健指導受診率55%。
  • ストレスチェックによる高ストレス者比率5.0%以下。
  • 国内定期健康診断受診率91.7%(23/3/24時点)。
  • 特定保健指導受診率47.0%(2022年度)
  • ストレスチェックによる高ストレス者比率5.0%(2022年度)。
金属カンパニー
  • 人権の尊重・配慮
  • 安定的な調達・供給
  • 鉱山
  • 電力・鉱山・油ガス田
労働安全・衛生・環境リスクに配慮した、また地域社会へ貢献する持続可能な鉱山開発 鉱山事業
  • 環境・衛生・労働安全(EHS)や地域住民との共生に十分配慮し、持続可能な鉱山事業を推進します。
  • 地域社会への医療、教育等に貢献します。
  • EHSガイドラインの運用並びに社員教育を徹底。
  • 地域社会への医療・教育寄付、地域インフラ整備等の貢献。
  • 毎年EHS社内講習会を開催しEHSガイドラインを周知徹底。
    • EHS講習会受講率100%。
    • 操業中・継続保有方針の既存鉱山事業及び新規鉱山事業に対するEHSチェック実行率100%。
  • 地域社会への医療・教育寄付、地域インフラ整備の実施。
    • 操業中・継続保有方針の全プロジェクトでのCSR活動の実施(100%)。
  • 主管者や事業投資に従事する課に属するカンパニー員を中心に、社内講習会を実施。対象者の受講率は100%。
  • 鉱山事業では、新規1案件、既存7案件、その他資源関連事業1案件に対して、チェックシートを用いた確認作業を実施。
  • 出資する各プロジェクトにおいて、地域社会への貢献活動を実施。

体制・システム

伊藤忠商事にとって、従業員は財産であり、従業員がその能力を最大限に発揮するためにも従業員の職場での安全・健康を確保することは、会社の重要な責任の一つです。日本及び世界の様々な地域で活躍する従業員とその家族が安全かつ健康で、従業員が安心して働けるよう事件・事故・災害等の緊急事態のみならず、健康管理に対する万全な体制を社長COOの下、構築しています。
また、伊藤忠商事では、企業理念である「三方よし」の実現に向け、従業員の約80%(「労働組合」参照)が所属している伊藤忠商事労働組合と労働安全衛生の取組み内容と実施状況についても協議しています。労働組合は従業員からの職場の安全衛生に関する意見・指摘も把握しており、それらの内容も含めて、労使間で活発な議論を重ねることによって、お互いに現状の課題を認識・共有し、改善策を検討・実施していくことができる健全な関係を構築しています。
健康・安全基準に関する研修を受講した従業員数はこちらをご覧ください。

労働安全衛生・健康管理に関する体制図

[図]

国内外の労働安全衛生は、カンパニー/総本社/海外ブロックごとに労働安全衛生管理担当者を配置し、死亡事故や労働争議等があった場合、カンパニー/総本社の労働安全衛生管理担当者経由で人事・総務部まで情報が伝達される体制となっています。報告に対して、危険性を特定し、事故に関連する調査を実施し、必要な場合は是正措置を決定して実行しています。
感染症の状況・予防対策等衛生に関する重要事項、労働時間や労働環境のリスクに関しては、産業医を交え人事・総務部で打ち合わせを行い、月1回行われる衛生委員会にて労使間で情報共有しています。
また、健康経営に関する諸施策については、月1回行われる健康経営三者定例会にて議論し、労働安全衛生に関する情報共有をしています。
これらの体制で情報共有された重要事案についてはCAO(健康経営最高責任者)経由で、取締役会等へ報告しています。
また、健康経営・労働安全衛生に関する内容を取締役会に定期的に報告しています。取締役会からの健康経営・労働安全衛生の報告に対する指示事項、衛生委員会において特定された運営上の課題に基づいて、労働安全衛生に関わる取組みを改善しています。

国際的なガイドライン/認証を活用した労働安全衛生の運用

EHSガイドラインを活用した運用

金属カンパニーでは、資源の安定供給に繋がる持続可能な鉱山開発に取組むため、金属・石炭・ウラン等の鉱山事業を対象とし、EHS(環境・衛生・労働安全)ガイドラインを定め、運用しています。

探査・開発・生産といった事業活動に起因する環境汚染、事業に携わる者の健康障害、また事故等による環境・衛生・労働安全面のリスクを回避・低減するために、関連する課題及び望ましい管理方法を要約したガイドラインと、具体的なチェックリストを日本語・英語で作成しています。

新規投資の検討を行う場合のみならず、既に参画しているプロジェクトについても、パートナーと共に都度状況の確認を行い、より環境や安全に配慮した資源開発について協議・改善する機会を作っています。2022年度は新規1プロジェクト、既存7プロジェクト、その他資源関連事業1案件に対して確認作業を実施し、継続してフォローすべき項目を設定しました。

国際金融公社(IFC)等のグローバルな基準に照らし合わせてガイドラインを作成し、チェックリストで標準化したプロセスを確立すると共に、プロジェクト毎のリスクに合わせた弾力的な運用を行えるよう、都度、見直しを行っています。

また、まずは組織員がEHS遵守の意識を持つことが重要なため、毎年、具体的な事例を用いた啓蒙活動を実施し、周知徹底を図っています。2022年度は主管者や事業投資に従事する組織員に対して社内講習を実施し、対象者の受講率は100%でした。

ISO45001認証を取得しているグループ会社

グループ企業においても、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるISO45001に沿った管理体制を構築・運用することで、労働安全衛生を維持しています。2023年3月31日現在、当社国内・海外連結子会社のうち、1.3%にあたる6社がISO45001の認証を取得しています。

健康管理室

東京本社内にある健康管理室には、約20名の専門医と8名の看護師・保健師、放射線技師、臨床検査技師、薬剤師が所属しています。保健師・看護師が中心となり専門医と緊密な連携のもとで、国内外問わず従業員それぞれの健康状態に合わせて健康指導をしています。これを「国境なき医療コンシェルジュ」と命名し、30年以上に亘り実施しており、従業員一人ひとりの健康管理を通じて伊藤忠商事の健康経営を支えています。具体的には、専門疾病管理に加えて、一般診療(内科、整形外科、精神科、歯科)、健康診断(定期健康診断、半日ドック、海外渡航者・一時帰国者・帰国者の健康診断)、各種予防接種、更には医療相談、情報提供等を行っています。国内勤務者の定期健康診断の受診率も毎年ほぼ100%を達成しています。

メンタルヘルス

メンタルヘルスについては、社内健康管理室内にストレスマネジメントルームを設置し、臨床心理士によるカウンセリングを実施しています。また産業医への相談や社内で精神科医の受診も可能です。健康保健組合では健康相談WEBサイト「健康・こころのオンライン」を設置しており、WEBや電話での相談が出来る体制となっています。また、2015年より年に1回、ストレスチェックを実施しており、受検率98.2%(2022年度)に達しています。

海外駐在員・出張者の安全対策

グローバルにビジネスを展開する伊藤忠商事では、海外駐在員は約800人、年間海外出張者は延べ1万人(新型コロナウイルス感染拡大前の実績)に及ぶため、不慣れな環境下でも安心して能力を発揮できる環境整備に向けて、海外勤務者の健康管理も取組んでいます。海外安全対策については、現地と日本側の密な連携が重要であるため、本社に海外安全専任者を置き、世界6ブロックに配置された人事総務担当と、政治や経済、治安等に関する情報を常時交換し、社内やグループ会社へ対策を発信しています。また、セキュリティー専門会社との契約を通じて、情報を集めにくい地域についてもカバーできる体制を構築しています。加えて2019年度より、治安の悪い国・地域への駐在赴任予定者や、そういった国・地域へ頻繁に出張が想定される従業員を主な対象とする海外危機対応実地訓練を社内にて実施しています。

医療・感染症対策

海外赴任前の従業員を対象とし、国が推奨する地域毎の予防接種を会社負担で義務付けています。予防接種は社内の健康管理室、または、近隣の渡航専用クリニックにて受診しています。海外赴任前の従業員・家族には、現地の安全や医療への対応等の講習を徹底しています。世界的な健康問題である結核、マラリア、HIV/AIDS等を含む各種感染症の予防に関する情報を赴任前に啓蒙し、赴任後においても家族を含めた安全セミナーを開く等、注意喚起を行っています。
海外赴任先の医療面では、専門医療サービス会社(インターナショナルSOS社[別ウインドウで開きます]日本エマージェンシーアシスタンス社[別ウインドウで開きます])と提携し、緊急時の搬送も含め、予防と事後対策のため、以下の支援体制を整えています。

新型コロナワクチン職場接種

新型コロナ流行に際しては、従業員の健康を守るべく、職場でワクチン接種ができるよう、ワクチンの確保、医師・看護師・ボランティアの確保、予約システムの構築、日々の運営に腐心し、希望する従業員全員に4回のワクチン接種を実施しました。また、地域社会や他の企業にも役立てていただけるよう、自社で構築した職場接種のためのマニュアルや運営課題への対応を広く公開しました。

日常の健康管理体制

  • 国境なき医療コンシェルジュ:海外駐在員とその家族に対して、メール・電話で、専門医のバックアップを受けた保健師と健康問題に関して相談できる窓口を設けています。
  • 地域の医療機関の紹介:世界の事業地域で先進国レベルの地域医療機関を紹介するシステムを整備しています。
  • 定期健康診断:赴任前健康診断(人間ドック)に加えて、海外駐在員とその家族に対して、一時帰国時、または現地・近隣先進国で年1回の定期健康診断を実施しています。
  • セコムふるさとケアサービス:海外駐在者が日本に残した高齢家族を対象に、24時間365日対応可能なセコム医療システムのナースセンターによる電話健康相談サービスを提供しています。
  • フィットネスアプリの提供:全世界の海外駐在員・帯同家族に対して、音声ガイドと人気音楽を聴きながら運動を楽しめるスマートホン・タブレット端末向けのアプリを提供しています。新型コロナウイルスの感染拡大により外出制限が設けられている都市も少なくない中、海外駐在員の運動不足・ストレス解消に繋がっています。

有事の健康管理体制

  • インターナショナルSOS・日本エマージェンシーアシスタンス:テロ・騒乱等の有事に備え、多言語対応の現地情勢問い合わせシステムを整備しています。また、従業員及びその家族が負傷するという万が一の事態に備え、緊急時移送サービス(航空機、同乗医師・看護師、移送先病院等の手配)も導入しています。

地域住民に対する健康問題・感染症対策

フィリピンにある伊藤忠商事のグループ会社Dole Philippines社では、DolefilのCSR部門からスピンアウトしたNGOであるMahintana Foundation, Inc.(MFI)や、地域政府等との連携により、産業や雇用の創出、環境保護・森林再生、教育、生活支援、従業員福祉、健康・安全等多岐に渡る取組みを40年以上に亘り、現在まで行っています。健康問題と感染症の予防対策に関しては、世界三大感染症の(結核、マラリア、HIV/AIDS)の対策を含め、従業員及び地域住民向けに以下のプログラムを実施しています。

  • Dole Philippines社のパイナップル部門
対応する社会課題 プログラム内容
感染症対策

予防接種、デング熱予防の講義、殺虫剤処理済みの蚊帳の配布、駆虫、ビタミンA補給

健康問題

ビタミンA補給、妊娠中のケア、歯科サービス、思春期の健康に関する講義

マラリアに関しては、感染症の予防対策によって、マラリアの発生が確認されていない地域が増えています。

パフォーマンスデータ

国内安全対策については、地震等の大規模災害への対策として、業務継続計画の作成、飲料水・食料・トイレ等の備蓄品の整備や防災訓練、安否確認サービス応答訓練等の対策を講じています。従業員へは、家族との連絡手段の確保や歩きやすい靴の準備、徒歩での帰宅ルートの確認等、日頃から大規模災害への備えを呼びかけています。

労働安全衛生に関するデータ

業界平均との比較(事業規模100名以上の卸売業・小売業対象)

健康・安全基準に関する研修・訓練の参加者数

2022年度 健康・安全基準をテーマとして含む主要な一般研修と受講従業員数

健康経営に向けた取組み

従業員一人ひとりが自らの「健康力」に責任を持ち、会社がその取組みを積極的に支援すること、また、従業員の健康を本人・家族・お客様や社会全体の幸福の礎と位置付け、2016年度に「伊藤忠健康憲章」を制定しました。当社は、東京・大阪本社内に健康管理室を構えており、産業医、保健師等による国境を越えた個別支援(国境なき医療コンシェルジュ)をきめ細かく行っています。2021年8月には「健康経営戦略マップ」を作成し、諸施策の位置付けや効果等を可視化しました。これら地道な取組みが評価され、2018年2月の厚生労働省「がん対策推進企業アクション推進パートナー表彰」の厚生労働大臣賞受賞をはじめ、2023年2月には厚生労働省「がん対策推進企業アクション推進パートナー表彰」検診部門を受賞、また、申請初年度である2016年度以来、毎年認定されている健康経営優良法人ホワイト500等、高い評価を受けています。

なお、労働安全衛生法や健康増進法等の関連法令は全ての取組みの大前提です。定期健康診断やストレスチェックの実施から個人情報保護に至るまで、法令を遵守しています。

健康経営戦略マップ

伊藤忠商事は、かけがえのない経営資源である従業員が、人種、性、宗教、国籍、年齢等の多様性をもっていることを認識し、ひとりの商人が担う無数の使命と、永続的な企業価値向上を実現すべく、以下の取組みを中心に健康経営を推進します。

がんと仕事の両立支援

2017年度には、「がんになっても、自分の居場所はここだ」と実感し、安心して働き続けることのできる職場を実現するため、「がんと仕事の両立支援」として「予防」「治療」「共生」の3つの観点からなる取組を行っています。更には国立がん研究センターとの提携による定期がん特別検診の実施等の他、万が一の場合に残された家族への子女育英資金支給・当社グループにおける就労支援により、従業員の安心感向上に繋げています。

伊藤忠商事におけるがんと仕事の両立支援体制

[図]

がんと仕事の両立支援策の全体像

[図]

グループ会社への適用

連結経営を推進している状況下、従業員の労働安全衛生・健康管理に関しては、単体の従業員(契約社員を含む)のみならずグループ会社も含めて対応しています。
具体的には、ストレスチェック、国内安全対策、海外安全対策情報、海外におけるセキュリティー会社・医療サービス会社との提携、海外赴任前の講習に関しては、グループ会社にも展開しています。朝型勤務についてもグループ会社で積極的に推進しており、グループ全体で総労働時間の削減・従業員の健康増進に努めています。また、人事労務知識・ノウハウを学ぶワークショップや人事労務アセスメントを定期的に実施し、グループ全体の労務管理強化を図っています。

2022年度に実施したグループ会社向けの人事労務支援内容

  1. 労務事例ワークショップ
    メンタルヘルスや労働時間管理等を始めとした起こりうる労務事例を題材に取り上げ、ケーススタディ形式でその対応方法や専門知識を学ぶワークショップ。2022年度は、ワークショップに加え、副業などの関心の高いテーマに関するセミナーも行い、約100名が参加(7月~12月)。
  2. グループ人事総務連絡協議会
    グループ会社人事総務担当者間の情報交換・関係強化を目的とし、人事総務関連の直近の動向、伊藤忠商事の施策・対応状況の共有、及び法改正内容のアップデート等を行うもの。2022年度は、メンタルヘルス対策をテーマに開催し、産業医・弁護士それぞれの立場から実務対応につて説明。195名が参加。
  3. 人事労務アセスメント
    労働契約・社内規程・労働安全衛生・時間管理等、人事労務関連全般の規則・制度・運用が適切になされているかを確認するための健康診断アセスメント。2016年度の開始以降、64社に実施。
  4. 伊藤忠グループ人事労務ポータルサイト
    グループ企業の人事労務管理の強化を図るため、伊藤忠商事の規則・ノウハウ等をグループ会社に共有するためのポータルサイトを提供。

社外からの評価

2017年度より開始した「がんと仕事の両立支援施策」が評価され、2018年2月には厚生労働省が主催する「がん対策推進企業アクション推進パートナー表彰」において厚生労働大臣賞、2023年2月には「がん対策推進企業アクション推進パートナー表彰」検診部門賞、東京都による「がん患者の治療と仕事の両立への優良な取組みを行う企業表彰」の優良賞も受賞しました。
また、2018年度には、当社の「がんとの両立支援制度」の取組みが評価され、人事・人材開発・労務管理等の分野におけるイノベーターを表彰する「日本の人事部 HRアワード2018」において企業人事部門 優秀賞を受賞、がんを治療しながらいきいきと働ける職場や社会を目指す「第1回 がんアライ宣言・アワード」においてゴールド受賞をしました。

経済産業省・東京証券取引所が選定する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営銘柄2016・2017」に2年連続で選定される等、当社が申請を開始した2016年度以来、2022年度までの7年連続で「健康経営優良法人ホワイト500」に選定されています。これは、当社が「働き方改革」「健康経営」を重要な経営戦略と位置付け、他社に先駆けての朝型勤務制度の導入や、産業医や健康保険組合と協働しながら全社横断的に「積極的健康増進策」を推進している点が評価されたものです。

詳細は、社会からの評価(労働安全衛生・健康経営関連)をご覧ください。