雇用・福利厚生

アクションプラン

リスク 機会
  • 適切な対応を実施しない場合の、労働生産性の低下、優秀な人材の流出、ビジネスチャンスの逸失、健康関連費用の増加 等
  • 働きがいのある職場環境の整備による、労働生産性の向上、健康力・モチベーションの向上、優秀な人材の確保、変化やビジネスチャンスへの対応力強化 等
SDGs
目標
取組むべき
課題
Co 事業
分野
コミットメント 具体的対応アプローチ 成果指標(単体)
アイコン
働き方改革を通じた業務効率化と長時間労働の是正 総本社 人事 メリハリのある働き方を推進し、総労働時間を削減することで労働生産性及び社員エンゲージメントの向上を目指します。

<伊藤忠商事単体>

  • 朝型勤務の推進。
  • 社員の勤務状況の定期的なモニタリングを実施。
  • RPAをはじめとしたITツール活用による業務自動化推進、モバイルワークの推進。
  • 業務効率化プロジェクトを組織単位で推進。

<伊藤忠グループ>

  • 伊藤忠グループでの効率的な働き方及び適正な労働時間管理、教育・啓蒙活動。
  • 2020年度:年間平均残業時間を朝型勤務導入前比10%以上減。
  • 2020年度:20時以降退館者数5%以下。
  • 2020年度:精勤休暇取得率70%以上。
  • エンゲージメントサーベイによる「社員エンゲージメント」項目の肯定的回答率が70%以上。

方針・基本的な考え方

伊藤忠商事は、あらゆる事業領域において、グローバルにビジネスを展開しています。幅広い事業領域でのグローバルなビジネス展開は、連結対象となるグループ会社も一体となり、伊藤忠グループとして取組んでいます。2018年度末時点で、伊藤忠商事の連結従業員数は10万人を超えています。伊藤忠商事では、朝型勤務制度・脱スーツ・デー等の導入による「働き方改革」、仕事と育児・介護の両立を支援するための諸制度の導入、福利厚生施設の充実を通じた社員交流の機会の増加等により、労働条件の更なる改善を進め、多様な人材が最大限能力を発揮できる職場環境の実現に向けての取組みを推進しています。

体制・システム

国内外にある事業会社がそれぞれの領域、地域において事業を展開する際には、親会社である伊藤忠商事が法令に準拠し従業員にとって最適な労働環境が提供できるよう管理体制の構築を支援しています。グループ会社は、事業領域に応じて伊藤忠商事のカンパ二―に紐づいており、カンパニーの縦のラインでフォローする体制となっています。

事業投融資案件の労働慣行に関するリスク評価

伊藤忠商事は投融資案件の審査に際し、経済的側面だけでなく、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点を重要視し、新規投資案件においては、「投資等に関わるESGチェックリスト」を用いて、労働慣行(労働条件、労働安全衛生、ステークホルダーとの対話)等を総合的に審議・検討しています。また、新規案件のみならず、既存事業投資先の事業経営をモニタリングし、改善に資するように努めています。
詳細は、新規事業投資案件のESGリスク評価をご覧ください。

労働基準の浸透の徹底

伊藤忠商事では報酬・労働時間と休日、労働安全衛生・福利厚生、禁止事項等の労働条件に関して、入社時教育の必須事項としており、イントラネットでも常に参照可能として、労働基準の浸透に努めています。また、国内外のグループ会社に対しても、最適な労働環境の構築支援に合わせて、伊藤忠商事と同等の労働基準の浸透を進めています。労働基準は、イントラネットに伊藤忠グループの共通言語である日本語と英語(翻訳)で公開し、浸透を図っています。

社員エンゲージメント

伊藤忠商事は、社員の「やる気・やり甲斐」「満足度・納得性」「社員エンゲージメント(社員が会社に対して高い貢献意欲を持ち、自らの力を自発的に発揮している度合い)」を継続して高めていくことが、企業価値の更なる向上につながると考えています。

2018年度に行った調査(エンゲージメントサーベイ)では、「伊藤忠商事は、社員を大切にし、配慮している」は前回(2014年度)調査を上回っており、日本企業平均(大手企業グループ等60社以上)と比較しても肯定的回答が約10ポイント高く、伊藤忠商事で働くことに対して誇りを感じ、高い貢献意欲を持って、自発的に期待以上の成果をあげるべく業務に取り組んでいる社員が数多くいます。

[図]

「働き方改革」の推進

伊藤忠商事にとって「人」は最大の財産であり、社員一人ひとりが能力を最大限発揮することが企業価値向上に繋がるという考えに基づき、すべての社員がそれぞれの特性を活かして、安心して仕事に集中できる環境の実現に向け、様々な施策を推進しています。「働き方改革」の施策として2013年10月から導入した「朝型勤務」は、政府や多くの企業に影響を与える取組みとなっており、当社の「働き方改革」の中核的な存在として導入4年が経過した現在も着実に成果を出しています。また、2017年6月より、社員一人ひとりの更なる能力発揮・生き生きと活躍できる環境づくりを促す働き方改革の新たな一手として「脱スーツ・デー」を実施しています。今後も、「働き方改革」のリーディングカンパニーとして、様々な取り組みを先駆的に推進し、社員にとって「働きがい」のある会社に向けた環境を整備していきます。

労働時間管理/朝型勤務

36協定など法令順守はもちろんのこと、働き方改革を通じて総労働時間の削減にも注力しています。
伊藤忠商事は、かねてより社員の健康管理や効率的業務推進の観点から残業削減に努めてきましたが、より効率的な働き方の実現に向けて、残業ありきの働き方を今一度見直すため社員の意識改革が必要と判断し、夜型の残業体質から朝型の勤務へと改める朝型勤務制度を2013年10月より導入しました。この先進的な取組みは産業界のみならず政財界にも影響を与え、日本の働き方に一石を投じる大きな流れとなっており、当社の「働き方改革」の中核的な存在として導入5年が経過した現在も着実に成果を出しています。
当社は働き方改革の先駆者として、今後も社員一人ひとりの働き方に対する意識改革と併せて業務改革をバランスよく推進し、さらなる業務効率化や社員の健康保持・増進、育児・介護などの理由で時間的制約のある社員の活躍支援など、多様な人材が最大限能力を発揮できる職場環境の実現を目指していきます。

取組み概要

  • 深夜勤務(22:00-5:00)の「禁止」、20:00-22:00勤務の「原則禁止」。但し、やむを得ず20:00以降勤務が必要な場合は事前申請の上、認める。
  • 早朝勤務時間(5:00-8:00)は、インセンティブとして、深夜勤務と同様の割増し賃金(時間管理対象者:150%/時間管理対象外:25%)を支給する。
  • 7:50以前始業の場合、5:00-8:00の割増率を8:00-9:00にも適用。
  • 健康管理の観点から8:00前始業社員に対し、軽食を支給する。

実施概要体系図

[図]
[写真]
朝食配布の様子

取組み効果

  導入前 導入1年目 導入5年目
退館 20時以降

約30%

約7%

約5%

(うち22時以降)

(約10%)

(ほぼ0)

(ほぼ0)

入館 8時以前

約20%

約34%

約44%

一人あたり時間外勤務時間状況

約7%減

約11%減

脱スーツ・デー

[写真]

“水曜・金曜は「脱スーツ・デー」”として、画一的なスーツではなく、従来のカジュアルフライデーよりももう一段ドレスダウンした服装を認め、TPOをわきまえた「仕事着」であることを前提に、ジーンズやスニーカーの着用も可として自由度のある伊藤忠らしい装いを推奨しています。お客様や周囲との関係性を意識しながら、普段と異なる服装を考えることを通じて、社員の柔軟な発想力を養うことや、新しいアイデアやコミュニケーションが生まれやすい職場環境づくりをすることを狙いとしています。社員への啓蒙・浸透を図るため、2017年度は代表的な施策として以下を実施し、今後も季節に合わせた企画を開催予定です。

2017年度

  • 株式会社三越伊勢丹 伊勢丹新宿本店の協力の下、夏・秋冬・春の年3回、社員10名程度ずつに専属スタイリストによるトータルコーディネートを実施し、新しいスタイルを体感するプログラム。
  • 「ジーンズ・デー」「スニーカー・デー」など特定のアイテムを取り上げ、着用を推奨すると共に、同日に伊藤忠グループ会社/取引先の協力による販売会や、スタイリストによる着こなしレクチャー等を実施しての社内イベント。

2018年度

  • 「脱スーツ・デー」専用の常設コンセプトスペース『D+Lounge』を東京本社2階に新設。
    毎月、パーソナルカラー診断やスタイリスト相談、シューシャイン(靴磨き)、一流シェービング体験、働く女性のためのメイクアップレクチャー等、身だしなみに関する企画を提供し、表現力に磨きをかける。

2019年度

  • 夏期期間(5月~9月)限定で、社員が毎日TPOや気候に応じた仕事着の工夫ができるようにするため「脱スーツeveryday」とし、期間中は曜日に関わらず、毎日「脱スーツ・デー」としている。
  • 正規・非正規社員共に対象

仕事と育児・介護の両立

社員が会社生活を送るうえで、育児や介護といったライフステージを迎えた際にも安心して会社で働き続け、最大限に能力を発揮できるよう、伊藤忠商事は、男性・女性がともに利用可能な、仕事と育児・介護の両立を支援するための諸制度を、法定を上回る水準で整備しています。男性育児休業については、2015年度以降、年間50名超の社員が取得し、制度の利用が定着しています。また、2016年度には育児・介護等による時間的制約を持つ社員や、妊娠・傷病等を理由として通勤が困難な社員を対象に、一定の要件の元、在宅勤務制度の適用を導入しました。社会的にも介護に対する備えの重要性が問題となっていることを踏まえ、介護セミナーを毎年継続開催していると共に、オンラインでの介護情報提供サービスを2017年度に導入、2019年4月には、相談者のニーズに応じたワンストップ介護相談窓口を導入しました。

仕事と育児・介護の両立支援制度一覧

育児支援制度一覧

介護支援制度一覧

育児・介護関連制度取得状況

(単位: 人)

育児・介護関連制度取得状況★
  2016年度 2017年度 2018年度
合計 合計 合計
育児関連 育児休業

55

71

126

57

76

133

52

100

152

子の看護休暇

65

118

183

65

123

188

66

124

190

育児のための短時間勤務

0

76

76

0

79

79

1

84

85

育児特別休暇

13

33

46

12

36

48

14

42

56

育児休業復帰率

84%

97%

97%

介護関連 介護休業

2

0

2

1

0

1

1

0

1

介護特別休暇

2

3

5

2

4

6

0

8

8

介護休暇

14

26

40

17

36

53

16

44

60

介護のための短時間勤務

0

5

5

0

10

10

0

4

4

ファミリーサポート休暇

122

102

224

122

108

230

130

95

225

  • 育児休業復帰率は、当期育児休業を終了した従業員数に対して、育休終了後復職した従業員数の割合です。
  • 2019年に復帰率の算定内容を見直したことに伴い、過年度数値も一部変更しました。

★KPMGあずさサステナビリティ(株)による国際監督・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000に準拠した第三者保証を実施。[PDF]

「伊藤忠Kids day ~パパ・ママ参観日~」の開催

[写真]
社長COOと名刺交換

2014年より、社員の小学生の子女を対象とした「伊藤忠Kids day ~パパ・ママ参観日~」を定期的に開催しています。子供たちは、このイベント用に特別に作成した自分の名刺を使ってお父さんお母さんの職場の社員と名刺交換をしたり、役員会議室での模擬会議や社員食堂でのランチなどを通じて会社への理解を深めます。社員からは「親の仕事に興味を持ってもらえた」「将来伊藤忠で働きたいと言ってくれた」など非常に好評です。このイベントは、家族の絆や伊藤忠への理解を深めてもらう上で非常に有意義と考えており、今後も継続して開催していく予定です。

福利厚生

伊藤忠商事は、さまざまな福利厚生施設や仕組みを通じて社員間のコミュニケーションの活性化や交流の機会の提供を行っています。コミュニケーションの活性化は、社員ひとりひとりの帰属意識や働き甲斐の醸成に役立ち、組織全体の活性化にも役立っています。

社員食堂

2013年5月に東京本社の社員食堂の大規模リニューアルが行われ、今まで以上に明るく快適な人の集まりやすい空間に生まれ変わりました。その後も、社員の健康増進を目的として「ウェルネス食堂」と称して女子栄養大学監修メニューの導入、社員の声を反映させたメニューの見直し、レイアウト変更を実施するなど、社員にとって魅力的な食堂作りを進め、毎日1,600人近くが利用しています。
お客様との会食などでも利用できる特別食堂では、夜のパブ営業も行っており、定期的に無料もしくは格安でお酒が提供されるハッピーアワーを開催するなど、社内外のコミュニケーション活性化につながっています。また、2017年にはメニューの一新を行い、大幅リニューアルをするなど、食事を通じた社員同士の交流に役立っています。

  • 栄養教育の草分け的存在である⼥⼦栄養⼤学が監修した、健康に配慮したメニューで、エネルギー:600kcal程度、⾷塩相当量:3g以下、野菜重量:140g以上などの条件を満たしたものを⽇替わりで提供。
  • 正規・非正規社員共に利用可

クールダウンルーム

2012年6月から、伊藤忠商事ではお客様に館内で快適に過ごしていただくため、また社員へ働きやすい環境を提供するため、夏の暑さをやわらげることができるよう「クールダウンルーム」を東京本社の1階と地下1階に設置しています。地球温暖化防止・電力需要が高まる夏場の節電対策の一環として館内の冷房設定温度につき、28度を上回らないようにしていますが、クールダウンルームだけは天井を低くし冷房効率を上げ、15℃の冷気を送風して室内を20℃以下に保ち、夏の暑い中来訪されたお客様や社外での営業活動から戻った社員が館内に入館する際に、体を冷やせる空間としています。また、2016年12月からは、冬場の「クールダウンルーム」の有効活用のため、多くの方々に当社の創業の理念に触れて頂くため、歴史展示コーナー「ITOCHU History」を常設しています。

  • 正規・非正規社員共に利用可

シャワーラウンジ・シャワー室

[写真]

働きがいのある職場環境づくりの一貫で2016年夏より東京本社3階にシャワーラウンジ、B2階にシャワー室を開設しました。早朝便での帰国者から空港のシャワー室が混雑しているといった声や出社途中に外部の施設(ジム、サウナ等)を利用しているとの声を受け、出張社員が気持ちよく仕事を開始出来る様に本社内に設置しました。寒い時期でもすぐ温まれるようオーバーヘッドシャワーを取り付け、アメニティ(タオル、ドライヤー、シャンプーリンス)も完備し、開設約2年9か月で延べ1,100名の利用があり快適に仕事を進められると好評を得ています。加えて、社員のリクエストにより開放時間を拡大し、健康増進のために運動した社員への開放も開始しました。また、事業会社社員へも開放しています。

  • 正規・非正規社員共に利用可

日吉寮

2018年3月に首都圏4か所に分散していた男子独身寮を統合、約360戸の「日吉寮」を神奈川県横浜市港北区に新設しました。日吉寮は、単に福利厚生施設という位置付けでなく、「ひとつ屋根の下」というコンセプトの下、入居者が集い、年代や部署を超えたコミュニケーションの深化を図るべく、シェアキッチン付食堂や、多目的ルーム、サウナ付大浴場、各階コミュニケーションスペース(スタディコーナー、オープンテラス)等、多彩な共用設備を設けています。
「健康経営」といった政策の視点からは、食堂では栄養バランスに留意した朝食及び夕食の提供、近隣のフィットネスクラブとの提携による運動機会の提供、また喫煙所以外は居室を含め全館禁煙とし、禁煙希望者にはスマートフォンのアプリを利用した禁煙プログラムを提供するなど、社員の働き方改革への主体的な取組みや健康力増進を促す環境作りを目指しています。
災害時のBCP(事業継続計画)として東京本社のサブオフィス機能を果たせるよう、社内と同様のネット環境や、非常用発電機設備を整備済みであり、食料・水・防災用品なども常時備蓄しています。

  • 正規社員のみ対象

相互会

相互会は同じスポーツや文化活動を行う社員同士が集まって活動する組織で、東京・大阪を中心に全国で40程度の部があり、800人を超える社員が所属しています。相互会には、伊藤忠商事の現役社員に限らず、OB社員やグループ会社の社員など多くの人たちが参加しており、スポーツや文化活動を通じて、世代を超え、組織を超えた交流・コミュニケーションを図っています。

  • 正規・非正規社員共に加入可

雇用・福利厚生に関するデータ

従業員の状況★(各年3月31日現在)

  単体 連結
従業員人数 男(人) 女(人) 平均年齢(歳) 平均年間給与(円) 従業員人数
2017年

4,285

3,269

1,016

42

13,838,699

95,944

2018年

4,285

3,284

1,001

42

14,609,151

102,086

2019年

4,285

3,283

1,002

42

15,207,832

119,796

オペレーティングセグメント別従業員数★(2019年3月31日現在)

(単位: 人)

  繊維 機械 金属 エネルギー
・化学品
食料 住生活 情報・金融 その他 合計
単体

390

452

171

342

452

270

191

1,013

3,281

連結

9,386

14,345

498

12,971

46,624

16,936

16,232

2,804

119,796

地域別海外ブロック社員数★(2019年3月31日現在)

(単位: 人)

北米 中南米 欧州 アフリカ 中近東 東アジア アジア・
大洋州
CIS
現地社員

126

144

230

61

131

635

633

76

駐在員

51

27

48

11

21

86

111

22

実習生

11

4

7

3

3

14

24

1

総計

2,480

  • 海外現地法人及び海外支店・事務所在籍社員数
  • データの集計範囲は、連結と記載のある数値以外は原則単体
  • 地域別海外ブロック社員数は、海外現地法人及び海外支店・事務所在籍社員数

退職率 単体の従業員

  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
自己都合退職率

1.1%

1.2%

1.6%

1.7%

平均勤続年数

16.7年

16.9年

17.3年

17.5年

  • 対象職掌:総合職・事務職・特別職
    退職率は以下の方法で計算しています。
    自己都合退職者数 ÷ 各年度末の従業員数

伊藤忠商事の平均勤続年数は約17年と長く、自己都合退職率は約2%と低く、継続して働く社員が多いことが特徴的です。

★KPMGあずさサステナビリティ(株)による国際監督・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000に準拠した第三者保証を実施。[PDF]