社長COO


持続的な企業価値向上と次なる高みを目指して
伊藤忠商事は、企業価値の持続的な向上を目指して2024年度に新たな経営方針「The Brand – new Deal ~利は川下にあり~」を掲げました。「業績の向上」、「企業ブランド価値の向上」、「株主還元」の3つの柱の下、全社一丸となり、消費者に近い川下ビジネスの開拓・進化を進めています。2024年度は、過去最高益となる8,803億円を達成し、企業ブランド価値評価の指標の一つとなる就職人気企業ランキングでは、主要7媒体の内、6媒体で全業種1位を獲得、またS&Pグローバル社による世界的なサステナビリティ評価では業界最高評価となりました。
一方、世界を見渡しますと、ロシアによるウクライナ侵攻の継続や、中東・インド・パキスタン等での紛争勃発に加えて、米国政権による関税政策等の影響もあり、地政学リスクの高まりはとどまるところを知りません。世界のサプライチェーンはこれまで以上に複雑化を極めており、高度なサプライチェーン・マネジメントが求められます。また脱炭素の流れも同様に、地政学リスクによる変革のスピードへの影響が懸念されるものの、エネルギー安全保障の観点も考慮しつつ、適切に対応していくことが必要です。
世界情勢の変化が現場に到達するまでの速さは日々勢いを増しており、世界との距離は今後更に縮まっていくものと予想されます。しかしながら、当社は如何なる経営環境においても、世界中の多くの産業との接点を持つ総合商社として、刻々と変化する状況に対して的確に対応するための修正力や生成AI等を始めとするデジタル技術を駆使し、着実な企業成長を実現していきたいと考えています。
当社の企業理念は、創業者である伊藤忠兵衛の言葉から生まれた、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の精神です。現代のSDGsにも通ずるこの精神の下、引続き、ビジネスを通して社会課題の解決に貢献するとともに、次なる高みを目指して参ります。
2025年6月


代表取締役社長COO 石井 敬太