ダイバーシティ
アクションプラン
方針・基本的な考え方
グローバルな競争が激化する中、市場の多様なニーズに的確に対応し、新規ビジネスや付加価値の創造を継続的に行い、企業が持続的に発展するためには、「組織としての多様性」が不可欠であると伊藤忠商事は考えています。
伊藤忠商事は、人種・宗教・年齢・性別・国籍等、あらゆる差別を禁止し、人権を尊重します。職場において社員がパワーハラスメントやセクシャルハラスメント(性的マイノリティに該当する社員への不利益や嫌がらせ等含む)を受けることなく、また、妊娠中の社員や育児・介護に従事しながら仕事との両立に頑張る社員が働きがいを持って職場に貢献できるよう、代表取締役/CAOの指揮の下、人事・総務部が主催するダイバーシティウィークや、組織長研修を活用して多様性の重要性や制度の周知に関する啓発を行っています。
育児・介護による制約のある社員に関しては、制度を適切に活用した両立体制を上司が促すとともに、職場全体の業務内容・業務分担・働き方の見直しも重要であることを周知しています。また、性的指向・性自認に関わる差別的な発言・無意識の男女別を前提とした発言を許さない職場環境の徹底を行い、社員からの相談窓口も設置しています。
目標
伊藤忠商事では、ダイバーシティの方針を踏まえ、下記目標を掲げ、取組んでいます。
取組むべき課題
多様な人材が活躍する環境の整備
コミットメント
年齢、性別、国籍、障がい等、あらゆる差別を禁止し人権を尊重します。育児・介護・疾病等を理由として勤務時間等に制限のある社員も活躍できる環境を整備していきます。
具体的対応アプローチ
- 公平な採用、登用の継続。
- 多様な価値観を受入れ、尊重し合う職場環境作り。
- 育児・介護等と仕事の両立支援を拡充(在宅勤務等の活用を含む)。
- 60歳超のシニア人材の活躍支援。
- 社員のライフステージ・キャリアに応じた個別支援の拡充。
- LGBT等性的マイノリティ社員への理解・受容促進(社員教育等)。
- 障がい者の労働環境に対する合理的配慮。
成果指標
- 一般事業主行動計画に基づき、2023年度末までに以下を達成する。新卒採用における女性比率 25%
- 全社における女性社員比率 25%
- 指導的立場に占める女性比率 9%
- 男性育児休業取得率 50%以上
年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|
女性管理職比率 | 7.6% | 8.1% | 8.0% |
女性管理職数/全管理職数 | 195/2,555 | 209/2,566 | 206/2,565 |
女性総合職比率 | 9.4% | 9.7% | 10.1% |
女性総合職数/全総合職数 | 327/3,463 | 335/3,462 | 346/3,435 |
多様な人材の活躍支援
伊藤忠商事は早期より企業の持続的発展のためには「組織としての多様性」が不可欠との認識のもと、他社に先駆けて多様な人材の数の拡大、定着・活躍支援を推進してきました。今後も引続き、社員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援し、全ての社員にとって多様な価値観が尊重され、能力を最大限に発揮できる「厳しくとも働きがいのある」企業風土づくりを推進していきます。
女性社員の活躍支援
伊藤忠商事では、「人材多様化推進計画」の推進により女性の数が一定数まで拡大し、仕事と家庭の両立を支援するための制度も法定を上回る水準で整備されました。現在はこれらの制度をセーフティネットとして活用しながら、個々人のライフステージやキャリアに応じた木目細かい個別支援を行うとともに、採用数が拡大した世代が役職適齢期を迎え、「性別に関係なく」組織長を競うため、個別事情に応じた丁寧な支援を行っています。また、多様な人材が活躍できる社内風土の醸成、及び政府機関・経済団体の女性活躍推進策への賛同表明等を通じ、当社のみならず日本としてのSDGs(ジェンダー平等)への貢献を図ってまいります。
今後の具体的な目標及び取組み内容を定めた行動計画は以下の通りです。
女性活躍推進法/次世代法に基づく行動計画(PDF:209KB)
伊藤忠商事の人材多様化に向けた取組みの推移
女性総合職のキャリア意識醸成支援
女性総合職の支援施策推移
(単位: 人)
総合職 | 管理職 | 役員及び執行役員 | |||||||
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全体 | 女性 | 女性比率 | 全体 | 女性 | 女性比率 | 全体 | 女性 | 女性比率 | |
2021年 | 3,435 |
346 |
10.1% |
2,565 |
206 |
8.0% |
46 |
4 |
8.7% |
2020年 | 3,462 |
335 |
9.7% |
2,566 |
209 |
8.1% |
45 |
4 |
8.9% |
2019年 | 3,463 |
327 |
9.4% |
2,555 |
195 |
7.6% |
44 |
2 |
4.5% |
★KPMGあずさサステナビリティ(株)による国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000に準拠した第三者保証を実施。
事務職のキャリア支援
伊藤忠商事は、2015年度より事務職の最高グレードに位置する社員を対象とした「事務職キャリアワークショップ」を実施しています。全社における事務業務を担う中核的人材の範としてのマインドの醸成、職場でのリーダーシップの発揮を期待するとともに、事務職本人の視野拡大・モチベーション喚起を図ります。また、自律的キャリアを考える機会として、組織別にキャリア・ミーティングを実施し、事務職としてのキャリアパスや目指す姿の共有を行います。また、能力・意欲・覚悟ある事務職が職掌移動に挑戦できるよう、海外駐在・出向の機会を付与してまいります。
LGBT等性的マイノリティ対応
2018年に社内会議室フロアに多目的トイレを設置し、社員のみならず当社ビルを利用される全ての方にご利用いただいています。2020年度には従来の社員相談窓口に加え、LGBT等性的マイノリティに関する専用の相談窓口を設置いたしました。当事者からの相談に限らず、同僚や取引先との関わり方等に関しても匿名で専門家に相談できる体制を整えています。
ダイバーシティ対応
当社では多様性受容(Diversity & Inclusion)に関する理解を深め、すべての社員にとって、厳しくも働きがいがある安心な職場環境を目指し、2018年度から12月の1・2週目を「ダイバーシティウィーク」とし、全社員を対象に様々な周知・研修・ワークショップを実施しています。
年度 | テーマ |
---|---|
2020(オンライン) |
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2019 |
|
2018 |
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障がいのある方の社会参加支援
身体障がい及び知的障がい等のハンディキャップを持つ人々にやる気とやりがいのある働く場を提供することを目的として、1987年に神奈川県で初の特例子会社「伊藤忠ユニダス(株)」を横浜市に設立しました。伊藤忠商事の障がい者雇用率は、2021年3月現在2.32%となっており、将来的な法定雇用率アップも見据えて障がい者の職域拡大と採用を推進しています。
「伊藤忠ユニダス(株)」での取組み
![[写真]](/ja/csr/img/cs_emp_we_18_img05.jpg)
右:クリーニング部門の業務風景
http://www.uneedus.co.jp/
![[別ウインドウで開きます]](/ja/common/img/com_blank_ic01.png)
クリーニング、写真・プリントサービス、メールサービス、ランドリー・清掃サービス等を展開する伊藤忠ユニダス(株)は、厳正な品質管理と心のこもったサービスをモットーとしており、クリーニングについては全ての工程を障がい者と健常者が助け合いながら行っています。2015年11月には、事業の拡大に加え、様々な障がいを抱えるスタッフにとってより働きやすい職場環境を実現するため、従来の2.4倍の床面積と最新の機器を有する横浜市都筑区の新社屋へ移転しました。2017年に創立30周年を迎えましたが、引続き、障がいのある方の社会参加を積極的に支援し、仕事を通じた貢献の喜びを実感できる社会の実現に努めてまいります。
障がい者雇用率
障がい者雇用率(%) | |
---|---|
2021年 | 2.32 |
2020年 | 2.21 |
2019年 | 2.17 |
- 障がい者雇用率は、2019年は単体及び特例子会社の伊藤忠ユニダス(株)の合算。2020年、2021年は、グループ適用(関係会社特例)に加えた伊藤忠人事総務サービス(株)も合算した雇用率。
★KPMGあずさサステナビリティ(株)による国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000に準拠した第三者保証を実施。
中高年社員の活躍支援
伊藤忠商事は、中高年社員の活躍支援を積極的に進めています。日本の少子高齢化の進展や、多様な人材の活躍支援という観点を踏まえ、60歳定年後「雇用延長制度」にて希望者全員を雇用し、中高年社員が持つ、豊富な知識や経験を定年後も活かし、引続き活躍できる環境を整備しています。また58歳時にはライフプランセミナー、59歳時には進路選択説明会等の研修を開催し、社員の雇用延長後の働き方やマネープランについてサポートしています。65歳以降活躍している事例もあり、中高年社員がやる気・やりがいを持って働き続ける環境の実現をさらに推進していきます。
海外での取組み
伊藤忠グループ企業のIntegrated Auto Service(IAS)がある南アフリカでは、アパルトヘイト時代に不当な差別で不利な立場に置かれている人びとの地位向上に向けた政策「Broad-Based Black Economic Empowerment(B-BBEE)」が導入されています。この「B-BBEE」は、南アフリカ政府による評価基準として、所有権、経営支配、雇用均等、技能開発、優先調達、事業開発、社会経済発展の各項目が定められ、それに対する企業の貢献具合がスコアカードにしたがって評価されます。IASは、Metanoia Ratings発行の2019年度の証明書において100点満点中80.01点の評価を受け、レベル4の認証を受けています※。
- 2020年度は新型コロナウイルス影響により更新できず、2021年度更新手続き中。
社外からの評価
伊藤忠商事の「社員が活躍できる環境づくり」の取組みは、様々なところで評価されています。
2020年度には「女性が輝く先進企業表彰」において「内閣府特命担当大臣(男女共同参画)賞」を受賞いたしました 。本表彰は、女性が活躍できる職場環境の整備を推進するため、役員・管理職への女性の登用に関する方針、取組み及び実績並びにそれらの情報開示において顕著な功績があった企業を表彰するために内閣府が創設した表彰制度です。
伊藤忠商事は①女性の個別キャリア支援、②育児休業からの早期復職支援、③全社的な働き方改革の推進、④海外駐在員の個別支援の4点に関する取組みを主に評価され、選出されました。
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プラチナくるみん認定 | 新・ダイバーシティ経営企業100選 | 平成29年度 均等・両立推進企業表彰 厚生労働大臣優良賞 (ファミリー・フレンドリー企業部門) |
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仕事と育児の両立支援の取組みに特に優れた企業を認定するもの(2016年取得/厚生労働省) |
多様な人材が活躍できる機会や環境を提供する優れた企業を選定するもの(2016年3月選定/経済産業省) |
仕事と育児・介護との両立支援のための取組みについて、他の模範となる取組みを推進している企業を表彰するもの(2017年11月選定/厚生労働省) |
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えるぼし認定(2段階) | 令和2年度女性が輝く先進企業表彰 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)賞 |
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女性の活躍推進に関する状況等が優良である企業を認定するもの(2016年取得/厚生労働省) |
女性が活躍できる職場環境の整備を推進するため、役員・管理職への女性の登用に関する方針、取組み及び実績並びにそれらの情報開示において顕著な功績があった企業を表彰するもの(2020年表彰/内閣府) |