ダイバーシティ

方針・基本的な考え方

伊藤忠商事は、多様化する消費者ニーズをマーケットインの発想で捉え、新たな価値提供のためには「多様性を受容し、活かすこと」(D&I:ダイバーシティ&インクルージョン)が不可欠と考えており、人種、性、宗教、国籍、年齢等、あらゆる差別を禁止し、人権を尊重します。職場において従業員がパワーハラスメントやセクシャルハラスメント(性的マイノリティに該当する従業員への不利益や嫌がらせ等含む)を受けることなく、また、多様な価値観を受容し、柔軟な働き方や個別支援等(E:エクイティ)を通じて、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を最大限発揮できる環境を整えています。人事・総務部が主催するダイバーシティ月間や、組織長研修を活用して多様性の重要性や支援制度の周知に関する啓発を行っています。
また、性的指向・性自認に関わる差別的な発言・無意識の性別役割分担を前提とした発言を許さない職場環境の整備を行い、従業員からの相談窓口も設置しています。

多様な価値観の従業員が特性を活かして活躍できる環境を、従業員の成長、組織力強化、収益力拡大に結びつけることで、企業理念である「三方よし」の実現を目指しています。

目標・アクションプラン

カンパニー SDGs
目標
インパクト分類 取組む
べき課題
事業
分野
コミットメント 具体的対応アプローチ 成果指標(単体) 進捗度合(レビュー)
総本社
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労働慣行 多様な人材が活躍する環境の整備 人事 人種、性、宗教、国籍、年齢等、あらゆる差別を禁止し人権を尊重します。多様な価値観を受容し、柔軟な働き方等を通じて従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境を整備していきます。
  • 公平な採用、登用の継続。
  • 多様な価値観を受容し、活かす職場環境作り。
  • 共働き世帯の増加を見据え、育児・介護、不妊治療等と仕事の両立支援の拡充(柔軟な働き方の活用を含む)。
  • 社員のライフステージ・キャリアに応じた個別支援の拡充。
  • 60歳超のシニア人材の活躍支援。
  • LGBTQ等性的マイノリティ従業員への理解・受容促進(従業員教育等)。
  • 障がい者の労働環境に対する合理的配慮。
  • 2023年度末までに以下を達成。
    • (1) 新卒採用における女性比率25%。
    • (2) 全社における女性従業員比率25%。
    • (3) 指導的立場に占める女性比率9%。
    • (4) 男性育児休業取得率50%以上。
    • (5) 法定障害者雇用率2.3%の達成。
    • (1)~(4) は女性活躍推進法等における一般事業主行動計画にて定めたもの
  • 成果指標の進捗
    • (1) 新卒採用における女性比率32.1%(2022年度入社)。
    • (2) 全社における女性従業員比率24.3%(2023年3月末時点)。
    • (3) 指導的立場に占める女性比率8.6%(2023年3月末時点)。
    • (4) 男性育児休業取得率52%(2022年度)。
    • (5) 障がい者雇用率2.5%(特例子会社含む)(2022年度)。
  • 女性活躍推進委員会での議論の結果以下の施策を導入
    • (1) 子女が誕生した後の働き方の選択肢を拡充し「育児両立手当」を導入(2022年10月~)。
    • (2) 全社員を対象にした「朝型フレックスタイム制度」及び「在宅勤務」の導入等、働き方改革を進化(2023年1月~)。
  • 海外含め社員及び家族が利用できる顧問助産師による匿名相談窓口「健康・育児コンシェルジュ」の設置(2023年1月~)。

多様性、公平性、包括性(Diversity, Equity & Inclusion)

伊藤忠商事は多様化する消費者ニーズをマーケットインの発想で捉え、新たな価値提供のためには「多様性を受容し、活かすこと」が不可欠と考えています。 女性従業員を含む多様な人材の数の拡大、定着、活躍支援を早期より実施しており、現在は一律の育児と仕事の両立支援制度に加え、現場や個々の事情を把握した個別支援を行っています。

従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援し、多様な価値観が尊重され、全ての従業員が能力を最大限に発揮できる「厳しくとも働きがいのある」企業風土づくりを推進していきます。

多様性、公平性、包括性(Diversity, Equity & Inclusion)に関する理解を深めるために、2018年度から12月に「ダイバーシティ月間」(2021年度までは「ダイバーシティウィーク」)と称した、全従業員を対象とする様々な周知・研修・ワークショップを実施しています。

詳細は、ダイバーシティ対応をご覧ください。

人材多様化の取組み推移

[図]

女性従業員の活躍支援

伊藤忠商事では、「人材多様化推進計画」により女性従業員を含む多様な人材の数の拡大、定着、活躍支援に向けた制度の拡充を進めてきました。2010年度以降は、全従業員が健康でモチベーション高く働くことで労働生産性を高めるという「働き方改革」の下に、朝型勤務や健康経営、がんと仕事の両立支援策等の取組みを行ってきました。その結果、女性従業員等の時間的制約のある従業員のみならず、全ての従業員にとって能力を発揮することができる職場環境の醸成に繋がっています。

現在は女性の採用数が拡大した世代が役職候補となり得る重要なステージに入ってきており、また、共働き世帯の増加も見据え、法定を上回る水準の両立支援制度をセーフティネットとして活用しながら、個々人のライフステージやキャリアに応じた木目細かい個別支援を行っています。また、多様な人材が活躍できる社内風土の醸成、及び政府機関・経済団体の女性活躍推進策への賛同表明等を通じ、当社のみならず日本としてのSDGs(ジェンダー平等)への貢献を図っていきます。
また、「女性の活躍支援」を加速化させるため、2021年10月には「女性活躍推進委員会」を取締役会の任意諮問委員会の一つとして設置しました。委員長を社外取締役とし、委員総数の半数以上を社外役員が占め、取締役会が重要施策を監督する体制を構築しました。経営と一丸となって女性従業員の活躍を後押ししていきます。今後も現場や個々の事情を把握した上で、「①現場との協議、②女性活躍推進委員会での議論、③取締役会への報告」という一連のサイクルを継続し、実効性のある施策に落とし込んでまいります。

女性活躍推進委員会(2023年3月末時点)

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今後の具体的な目標及び取組み内容を定めた行動計画は以下の通りです。

女性活躍推進法/次世代法に基づく行動計画(PDF:149KB)[PDF]

女性従業員の活躍支援施策推移

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LGBT等性的マイノリティ対応

2018年に社内会議室フロアに多目的トイレを設置し、従業員のみならず当社ビルを利用される全ての方にご利用いただいています。2020年度には従来の従業員相談窓口に加え、LGBT等性的マイノリティに関する専用の相談窓口を設置しました。当事者からの相談に限らず、同僚や取引先との関わり方等に関しても匿名で専門家に相談できる体制を整えています。

両立のための多様な相談窓口

従業員とその家族の多様な価値観を尊重し、全ての従業員が安心して能力を発揮できる環境づくりを行っています。

名称 主な相談内容 概要
健康・育児コンシェルジュ 全般 国内外の従業員及びその家族が、心身の健康や育児等の悩みを、当社制度を理解した担当相談員(看護師及び保健師の資格も有する助産師)にオンラインで匿名相談可能。
妊活支援プログラム 不妊治療 従業員及びその家族が利用できる提携婦人科系クリニックのクーポンや理解促進動画の提供を通じ、妊活を支援。
保活コンシェルジュ 保活(子供を保育園に入れる為の活動) 保活に関する基礎的な知識や認可保育園の選考方法を説明。認可保育園の選考指数を試算、近隣の保育園のリストアップ゚等、ワンストップで情報を提供。
介護コンシェルジュ 介護 当社専門相談員による一時対応から課題解決までの一気通貫・相談窓口。当社制度の紹介、ケアマネージャーの紹介・手配、介護施設紹介・見学手配、介護保険申請調整・手配等、具体的に課題解決。
LGBTQに関する相談窓口 LGBTQ 性指向・性自認に関する悩みを匿名で外部の専門家に相談可能。当事者に限らず利用可能。
国境なき医療コンシェルジュ 生活習慣病 国内外問わず各社員にそれぞれの生活習慣病の専門医との緊密な連携のもとで保健師・看護師が個別指導。

障がいのある人々と共に働く

障がいのある人々にやる気とやりがいのある職場を提供することを目的として、1987年に神奈川県で初の特例子会社「伊藤忠ユニダス(株)」を横浜市に設立しました。伊藤忠商事の障がい者雇用率は、2023年3月現在2.48%となっており(法定雇用率は2.30%)、将来的な法定雇用率アップも見据えて障がいのある人々の雇用と職域拡大を推進しています。

「伊藤忠ユニダス株式会社」での取組み

伊藤忠ユニダス(株)は、障がい者と健常者が共に支え合いながら一体となってクリーニング、印刷、書類電子化、写真サービス、メール集配、ランドリー・清掃等の事業を展開しています。2015年11月には、事業の拡大に加え、障がいのある従業員にとってより働きやすい職場環境を実現するため、ユニバーサルデザインで、最新の機器を有する横浜市都筑区の新社屋へ移転しました。現在、横浜市都筑区の本社に加え、青山事業所、日吉事業所、及びクリーニングサービスの店舗「よつ葉クリーニング」(横浜市旭区)の4拠点で事業を展開しています。今後も引続き、障がいのある人々の社会参画を積極的に促し、仕事を通して社会に価値を提供することで、働く喜びを実感できる職場環境を目指して参ります。

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伊藤忠ユニダス(株)本社社屋(横浜市都筑区)
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クリーニング部門の業務風景
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プリントサービス部の業務風景

http://www.uneedus.co.jp/[別ウインドウで開きます]

シニアの活躍支援

伊藤忠商事は日本の少子高齢化の進展や、多様な人材の活躍支援という観点を踏まえ、60歳定年後「雇用延長制度」にて希望者全員を雇用し、中高年従業員が持つ、豊富な知識や経験を定年後も活かし、引続き活躍できる環境を整備しています。また、58歳時にはライフプランセミナー、及び進路選択説明会等の研修を開催し、従業員の雇用延長後の働き方やマネープランについてサポートしています。更には総合職40歳・48歳、事務職35歳・45歳を対象としてキャリアデザイン研修を開催し、自身のキャリア・スキルの棚卸しを行い、経験・強み等の見える化を行った上で、今後必要とされるキャリア・スキルについて学び直し(リスキル)を検討する機会を提供しています。65歳以降活躍している事例もあり、中高年従業員がやる気とやりがいを持って働き続ける環境の実現をさらに推進していきます。また、「OB・OG支援プラットフォーム」を構築し、社会貢献活動やボランティア、当社運営のKIDS PARKの運営スタッフ、当社への海外ナショナルスタッフへの日本語講師など、当社退職後のOB・OGに対しても活躍支援を実施しています。

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パフォーマンスデータ

男女別採用人数とキャリア採用比率

従業員の状況(各年3月31日現在)

女性総合職・管理職・役員比率(各年3月31日現在)

男女間賃金格差(2023年3月31日現在)

育児・介護関連制度取得状況

障がい者雇用率(各年3月1日現在)

社外からの評価

伊藤忠商事の「従業員が活躍できる環境づくり」の取組みは、様々なところで評価されています。

2020年度には「女性が輝く先進企業表彰」において「内閣府特命担当大臣(男女共同参画)賞」を受賞しました 。2021年度には経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する、「なでしこ銘柄」に選定されました。

詳細は、社会からの評価(ダイバーシティ関連)をご覧ください。