水資源の保全

アクションプラン

マテリアリティ SDGs
目標
取組むべき課題 事業分野 コミットメント 具体的対応アプローチ 成果指標 進捗度合
機械カンパニー
人権の尊重・配慮
アイコン
アイコン
水・衛生インフラの整備 水/環境プロジェクト 水の適切な処理、有効利用を通じて、衛生環境の向上、経済活動の発展、及び地球環境保全に寄与します。 水・環境事業の拡大を通じ、水の適切な利用・処理及び資源の有効活用を促進、環境負荷を低減。 水・環境分野の投資ポートフォリオの拡大と多様化。

水分野

英国・スペインにて、水道サービス事業、豪州・オマーンにて海水淡水化事業を保有。2018年にオマーン海水淡水化事業の商業運転開始。引き続き海水淡水化や上下水事業の拡大に向け取組みを推進。

方針・基本的な考え方

地球上の水の約97.5%は海水であり、その中で人間が利用できる水は0.01%に過ぎません。一方で、新興国を中心とした経済発展や人口増加、気候変動による降水パターンの変化により、世界の水需要は増加の一途を辿っています。
そのような環境下、伊藤忠商事では、その多岐にわたる事業活動において、水資源は事業継続に不可欠な資源であることを強く認識しており、環境方針の(5)水資源の保全・有効活用において「水の効率的な使用やリサイクルを通じた水の使用量削減、水の適切な処理に努める。」と定めています。水を持続可能なかたちで利用していくため、事業活動の中での適切な量の利用、リサイクル、再利用を通じて、利用効率の改善、使用量の削減に取り組みます。

また、伊藤忠商事は、水関連ビジネスを重点分野と位置付け、海水淡水化事業や水処理事業、2014年から取組んでいるコンセッション事業等、グローバルに展開し、世界各地の水問題の解決への貢献を目指しています。

目標

伊藤忠商事では、水の使用量削減に関し、目標数値を設定しています。

水資源関連では、水インフラや衛生環境の整備、水・廃棄物の適切な処理及び有効利用を通じて、衛生環境の向上、経済活動の発展、及び地球環境保全に寄与します。また水・環境事業の拡大を通じ、水の適切な利用・処理及び資源の有効活用を促進し、環境負荷の低減等に取組みます。

東京本社ビルでは、省資源の取組みとして、業務で用いる水資源の効率的な利用を、水のリサイクル(中水の製造)を通じて行っており、以下のように目標値を定め、管理しています。

  2018年度実績 単年目標 2021年3月期目標
東京本社の水の使用量(上水)

2010年度比14.1%減

2010年度比10%減

2010年度比15%減

体制・システム

伊藤忠商事及び国内子会社が取組む日本国内・海外の事業投資案件については、その案件が市場、社会、環境等に与える影響を「投資等に関わるESGチェックリスト」(評価項目には水使用量の把握状況も含まれている)により事前に評価しています。専門的な見地を必要とする案件については外部専門機関に事前の調査を依頼し、調査の結果、問題がないことを確認したうえで、着手することにしています。
伊藤忠商事は、「安定的な調達・供給」を重要課題の一つと掲げており、各国の需要に合わせた水資源の有効利用に取組むことで、国際的な水資源問題への対応を進めています。

グループ傘下の製造拠点に関しては、WRI(世界資源研究所)のAqueductを用いて、水資源のリスク管理をしています。

取組み

製造拠点における水リスクの把握

伊藤忠商事では参加の製造拠点における水ストレスレベルの高い地域を特定するために、WRI(世界資源研究所)が開発したAqueductツールを用いて、国内外すべての製造拠点の水ストレスレベルを定量化、水ストレスの高い地域を特定しました。

全般的な水のリスク 拠点数
低リスク(0-1)

1

低から中リスク(1-2)

32

中から高リスク(2-3)

63

高リスク(3-4)

10

拠点数合計

106

水関連事業

伊藤忠商事は、水関連ビジネスを重点分野と位置付け、世界各地の水問題の解決に貢献すべく、海水淡水化事業や水処理事業、2014年から取組んでいるコンセッション事業等、グローバルに展開しています。

水関連事業一覧
事業 取組み内容
上下水道コンセッション事業

2012年、英国Bristol Waterグループに出資。日本企業初の英国水道事業参入を果たし、水源管理から浄水処理、給配水、料金徴収・顧客サービスまでを包括した上水サービスを約120万人に提供中。

2014年、スペインカナリア諸島にて上下水道サービスを提供するCANARAGUA CONCESIONES S.A.に出資。日本企業初のスペイン水道事業参入を果たし、自治体とのコンセッション契約に基づき延べ130万人に対し上下水道サービスを提供中。

海水淡水化事業

豪州ヴィクトリア州における海水淡水化事業に出資参画。本設備はヴィクトリア州メルボルン市人口の水需要の約30%を満たすことが可能であり、2012年よりメルボルン市への水の安定供給を支える事業です。

オマーン政府傘下のオマーン電力・水公社が同国北部のバルカにて推進する日量281,000m3の海水淡水化事業に筆頭株主として出資参画。本件はオマーン最大の海水淡水化事業であり、逆浸透膜(RO膜)方式の海水淡水化設備と周辺設備の建設及び20年間に亘る運営を行います。2018年6月に商業運転開始。

海水淡水化プラント及び浸透膜の製造・販売

サウジアラビアにて、1970年代より多数の海水淡水化プラントの納入を開始。
2000年代に入り、ササクラと共に同国における現地資本との合弁会社アクアパワー・ササクラ社(現Sasakura Middle East Company)を設立、海水淡水化プラントのリハビリ事業も展開。
2010年8月には、同国の現地資本、東洋紡と海水淡水化用逆浸透膜エレメントを製造・販売する合弁会社Arabian Japanese Membrane Company, LLCを設立。

取組み例

命をつなぐ飲用水を安定供給
[写真]
海水淡水化プラント(建設中)
-オマーン最大の海水淡水化事業-

今後、年間約6%成長すると予測される中東オマーンの水需要。人口増加や都市化とともに、飲料水不足が課題となっています。2016年3月、当社が参画するBarka Desalination Company(バルカ・デサリネーション・カンパニー)は同国の水の安定供給に向けてオマーン北部バルカでの日量281,000m3の海水淡水化事業契約を締結しました。同プロジェクトは、オマーン政府が推進する官民連携型事業であり、逆浸透膜(RO膜)方式の海水淡水化設備と周辺設備の建設及び20年間にわたる運営を行います。設備は2018年6月に商業運転を開始し、総事業費約300百万ドルのオマーン最大の海水淡水化事業となります。世界的な人口の増加や経済成長、地球温暖化等に起因する水需要の増加を受けて、当社は水ビジネスを重点分野として位置付け、海水淡水化や上下水事業等の拡大に取組んでいます。今後も世界各地域において水資源の有効活用に寄与する事業を推進していきます。

水資源の有効利用

東京本社ビルでは、水資源を有効利用するために1980年の竣工時より厨房排水、雨水、湧水、及び洗面並びに給湯室等からの雑排水を原水とする中水製造設備を設置し、トイレの洗浄水に利用しています。
雨量によって中水の確保量に毎年変化が生じるため、雨量が少ない場合には水道水の使用量は増える傾向にあります。このため、トイレ内の洗面台手洗い水シャワー節水器や、トイレ洗浄水の自動節水器を新たに設置して水道水の節約に努めています。

ステークホルダーとの協働

イニシアチブへの参画(財界・業界団体を通じた活動)

当社は、日本経済団体連合会の環境・エネルギー関係の委員会である「環境安全委員会地球環境部会」に参加し、自主行動計画の推進、温暖化、廃棄物・リサイクル、水を含む環境リスク対策など、経済と両立する環境政策の実現に取組んでいます。また、日本貿易会の「地球環境委員会」に参加し、低炭素社会の構築、循環型社会の構築、環境関連法規への対応などに取組んでいます。

CDP (Water Security)への参加

当社は世界中の様々なステークホルダーに対し、ESGに関する取組みについて積極的な情報発信を行っています。その一環として、企業の水関連対策等の環境情報に関して世界で最大のデータベースを有するNGOであるCDPに参加。2013年度から、CDP Water Securityの質問書に回答しています。

パフォーマンスデータ

水の使用量及び排水量

2015年度~2018年度の東京本社ビルの水使用量、中水製造量及び排水量、国内事業会社、海外現地法人、海外事業会社の排水量は下記の通りです。東京本社ビルは、水の使用量2010年度比10%削減を目標に掲げ、中水を使用出来るトイレ洗浄水の節水装置を導入するなど、水の使用量の削減を推進しています。

(単位:m3

  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
東京本社水道水使用量★

46,922

52,248

43,039

46,573

東京本社中水使用量★

35,729

30,736

33,830

31,225

東京本社排水量★

62,857

63,446

58,129

58,779

国内事業会社排水量

981,549

846,700

14,628,762

51,913,278

海外現地法人排水量

5,932

5,722

5,863

5,366

海外事業会社排水量

205,394

207,267

11,831,598

34,380,149

  • 排水量の把握をしていない場合は水道水使用量と同じと仮定し算出
  • 集計対象会社数増により、2018年度は2017年度比数値が大幅に増加しています。

水ストレス地域における取水量・水の消費量

水ストレス地域における2019年度の取水量・水の消費量については現在計測中であり、2020年8月に公開を予定しています。

集計範囲

○:集計対象

  水使用量及び排水量
東京本社

大阪本社

国内支社 全5支社(北海道、東北、中部、中四国及び九州)

国内支店及びその他の事業用施設※1 支店含む事業所数:2015年度8事業所、2016年度8事業所、2017年度6事業所、2018年度8事業所

国内事業会社※2 対象社数: 2015年度70社、2016年度65社、2017年度208社、2018年度220社

海外現地法人 対象事業所数: 2015年度16事業所、2016年度16事業所、2017年度15事業所、2018年度30事業所

海外事業会社※2 対象社数: 2015年度44社、2016年度46社、2017年度299社、2018年度282社

除外 ただし、投資運用目的で保有する会社であり、今後5年以内に売却する見込みのある会社は、集計対象に含みません。また、従業員が10人以下である、非製造拠点の事業所のCO2排出量は、量的に僅少であるため、集計対象としていません。
  1. その他の事業用施設:伊藤忠商事が所有または賃借している事業用施設(居住用施設除く)
  2. 2015年度~2016年度は伊藤忠商事が直接出資する連結子会社(2017年3月31日時点)、2017年度以降は全ての連結子会社(100%)が対象

第三者保証

独立した第三者保証報告書(PDF:2.3MB)[PDF]:★マークを付した以下のデータについては、KPMGあずさサステナビリティ(株)による国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000及び3410に準拠した第三者保証を実施。
★:東京本社・大阪本社・国内支社・国内支店及びその他の事業用施設の電力使用量合計値、事業用施設起因のCO2排出量合計値、CO2排出量(物流起因)、東京本社の廃棄物等排出量、リサイクル率、水使用量、中水製造量及び排水量の数値

独立した第三者保証報告書(PDF:2.3MB)[PDF]:◆マークを付した以下のデータについては、KPMGあずさサステナビリティ(株)による国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000及び3410に準拠した第三者保証を実施。
◆:東京本社・大阪本社・国内支社・国内支店及びその他の事業用施設・国内事業会社、海外現地法人、海外事業会社、伊藤忠グループ総合計の電力使用量合計値、事業用施設起因のGHG排出量合計値

水に関連する環境保全コスト

環境会計にて開示している環境保全コストのうち、水に関連するコストは以下の通りです。

  • 水質汚濁防止のためのコスト 排水処理費、中水製造費、監視測定費及び管理人件費 9,456千円
  • 水リスク回避のための研究開発費(東京大学大気海洋研究所気候システム研究系への寄付) 500千円