汚染防止と資源循環

方針・基本的な考え方

汚染防止

伊藤忠商事は、事業活動の推進にあたり、化学物質・油等による環境汚染の未然防⽌・影響の軽減、大気汚染物質の排出削減、有害廃棄物及び排水の排出削減・適正処理に努めます。環境保全に関する国際的な宣言、規約、条約、並びに事業展開している国と地域の法規制及びその他当社の合意した事項を遵守することで、汚染防止の責任を果たしていきます。

資源循環

伊藤忠商事の取扱品目は、プラスチックから金属、ゴム、セメント、食品等多岐にわたります。当社はサステナビリティ上の重要課題の一つに「安定的な調達・供給」と「気候変動への取組み」を掲げ、事業投資先や取扱商品のバリューチェーン上での資源循環に取組み、循環型社会の形成に貢献していきます。製品・サービスの設計段階からの3R(リデュース、リユース、リサイクル)と持続可能な原料・素材への代替や、使用済製品の分別・回収・リサイクル事業の推進等を通じて、資源循環の実現を目指します。

目標・アクションプラン

伊藤忠商事は、汚染防止と資源循環における主にマネジメントに関わる定性目標と、パフォーマンスに関する定量目標を定め、取組みを推進しています。それぞれの環境目標と2022年度の取組み実績は以下の通りです。

定性的な目標

項目 バウンダリー 目標 2022年度の実績と評価
環境汚染の
未然防止、
法規制の遵守
投融資案件リスク評価

伊藤忠商事

全ての投資案件で『投資等に関わるESGチェックリスト』による事前環境リスク評価を実施する。

適切に実施

監査を通じた管理レベル向上

伊藤忠グループ

社内監査を通じた環境マネジメントシステム、環境パフォーマンス状況の確認による管理レベル向上のための取組みを推進する。

適切に実施

グループ会社訪問調査

伊藤忠グループ

グループ会社を選定し、環境管理状況等を訪問調査する。

適切に実施

啓発活動の
推進
法規制内容啓発

伊藤忠グループ

伊藤忠商事及びグループ会社社員に向けた『廃棄物処理法』、『土壌汚染対策法』等の講習会の実施及び学習、講習実績のレビューを実施する。

適切に実施

資源の節減、
資源循環推進と実績把握
オフィス廃棄物軽減

伊藤忠商事

当社環境マネジメントシステムに基づき、オフィス廃棄物の排出量削減とリサイクルを促進する。

適切に実施

紙使用量削減目標

伊藤忠商事

紙の使用量削減に関し、目標数値を意識する。

適切に実施

定量的な目標

項目 バウンダリー 目標時期 内容 目標に対する
2022年度の実績
評価
汚染防止 重大環境事故

伊藤忠商事

毎年度

重大事故ゼロ件

ゼロ件

達成

窒素酸化物・硫黄酸化物(NOx SOx)排出濃度

タキロンテック(株)

毎年度

法令基準を20%下回る水準に抑制

達成

達成

伊藤忠セラテック(株)

毎年度

法令基準を20%下回る水準に抑制

達成

達成

資源循環・廃棄物 廃棄物等排出量

東京本社

2025年3月

2018年度比
6%減

2018年度比
37%減

達成

リサイクル率

2025年3月

90%

91%

達成

資源節約 紙の使用量

伊藤忠商事

2025年3月

2018年度比
3%減

2018年度比
53%減

達成

  • 伊藤忠商事単体・海外現地法人・コンプライアンス報告対象グループ企業を含む

アクションプラン

リスク 機会

資源循環を含む環境問題の発生及び地域社会と関係悪化に伴う反対運動の発生による影響

新興国の人口増及び生活水準向上による資源需要の増加、環境に配慮した資源や素材の安定供給による顧客の信頼獲得や新規事業創出等

マテリアリティ SDGs
目標
インパクト分類 取組む
べき課題
事業分野 コミットメント 具体的対応アプローチ 成果指標 進捗度合(レビュー)
繊維カンパニー
安定的な調達・供給
サプライチェーン 製造工程における環境負荷の低減 繊維製品全般 サステナブル素材を核とする原料起点のバリューチェーン構築を推進します。 循環型経済の実現を目指す「RENU」プロジェクトの推進、サステナブル素材の更なる拡充と取扱いの拡大を目指す。
  • 「RENU」プロジェクトの推進とサステナブル素材の拡充及び取扱いの拡大により、環境意識の醸成と環境負荷の低減に貢献。
  • ジャパンサステナブルファッションアライアンスの2050年目標 「ファッションロスゼロ」「カーボンニュートラル」に向けた活動の推進。
  • ECOMMIT社へ出資し、衣類回収サービス「WEAR TO FASHION」の展開を開始。回収した衣料品をリユース、また一部は「RENU」の原材料とすることにより、「RENU」プロジェクトとして循環型経済を更に推進。
  • ジャパンサステナブルファッションアライアンスでは、「ファッションロスゼロ」「カーボンニュートラル」に向けた政策提言を消費者庁、経済産業省、環境省に今年度実施。
機械カンパニー
気候変動への取組み(脱炭素社会への寄与)
  • 水資源
  • 汚染防止と資源循環
水・衛生インフラの整備 水/環境プロジェクト 水・廃棄物の適切な処理、有効利用を通じて、衛生環境の向上、経済活動の発展、及び地球環境保全に寄与します。 水・環境事業の拡大を通じ、水の適切な利用・処理及び資源の有効活用を促進、環境負荷を低減。 環境に対する社会要請およびサーキュラーエコノミー促進に繋がるより高付加価値な水・環境関連事業の地域展開、優良資産・機能の拡大及び進化を目指す。(JCM等を活用した脱炭素案件開発に取り組んでいく予定)。

■環境分野

  • 英国/一般廃棄物の焼却処理・発電事業を運営中(計4事業)。同国の廃棄物焼却処理市場の15%にあたる年間130万トンの廃棄物を焼却処理、16万世帯分の国内家庭消費電力に相当する電力を供給。
  • サウジアラビア/ジュベイル工業団地にて工業系廃棄物の受託・処理事業を展開するEnvironment Development Company(現SSES)社へ20%出資参画中。
  • セルビア/ベオグラード廃棄物処理・発電事業にて、ベオグラード市政府に対し部分サービスを開始。市から排出される新たな廃棄物は環境負荷の無い形で適切な処理が開始され、環境汚染と温室効果ガス排出の削減開始。建設廃棄物のリサイクルも行われている。現在廃棄物処理発電施設の建設中。7項目のSDGs認証、約21万トンの温室効果ガス削減を見込み、22年10月にはゴールドスタンダードからカーボンクレジットの認証を取得。
  • UAE/ドバイ廃棄物処理・発電事業を2020年12月に契約調印。現在建設中。ドバイ首長国で初めての廃棄物処理・発電事業であり、同首長国で排出される一般廃棄物の半数に及ぶ190万トン/年を処理する世界最大のプラント。
  • 水分野同様、各産業セクターにおける環境規制の厳格化・SDGs/ESG経営志向の高まりを受けた廃棄物処理ニーズを捉えた取組み機能強化を目指す。
エネルギー・化学品カンパニー
安定的な調達・供給
プラスチック 社会問題の解決に繋がる取組み プラスチック関連環境対応 プラスチック関連環境対応により、対策が急がれる海洋プラスチックや廃プラスチック等の社会問題の解決に貢献します。 ブランドオーナーとの協働による環境素材の供給とリサイクル・リユースプログラムの確立。 環境素材の取扱強化とリサイクル・リユースプログラムの確立を通じた、循環型モデルの構築。
  • バイオ系スタートアップ企業であるLactips社が製造する自然由来の生分解性樹脂を使用した環境配慮型包材を、味の素・東洋インキ・伊藤忠プラスチックスと共に共同開発、実用化(2022年5月)。
  • 資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics」において、トレーサビリティシステムのプロトタイプを用いたPETボトルリサイクルの実証実験を、ファミリーマートの実店舗で実施(2022年7月)。
  • テラサイクルジャパンと共同で海洋プラスチックごみをリサイクルした原材料を三菱鉛筆に提供し、三菱鉛筆がその原材料を一部に使用したボールペンを開発。文具業界で海洋プラスチックごみを再生利用した商品として初めてエコマーク認定を取得(2022年7月)。
食料カンパニー
安定的な調達・供給
汚染防止と資源循環 環境に配慮した資源や素材の供給・活用 生鮮食品分野 食品ロスの低減を通じて、資源の有効活用の促進、環境負荷の低減に貢献します。 日本・産地(フィリピン)で廃棄される規格外品のドールバナナをMottainaiバナナとしてブランド・製品化し、市場に流通させる。
  • 加工食品への多角化、及びバナナ以外の商品展開を検討。
  • 再利用バナナの取扱いの増加を目指す。
  • フィリピン産地で規格外として発生しているMottainai Bananaを使用した加工食品が販売中。
    • Dole NB商品:BANANA Dole Dippers、果物の恵みゼリー バナナ&キウイ
    • 賛同企業商品:スマイルバナナアイス(ロッテ)、バナナミルク(FM)、東京ばな奈、製パン各種
  • FMPB(ファミマル)向けにDoleが供給している生鮮バナナの規格外品を日本国内にてピューレに加工し飲料等のFM加工食品向けに供給。
    • 上記加工食品向けで再利用したバナナ:約670MT(Dole Phillipines, 2023年3月末時点)
  • 7days BANANA、BANANA STSAND等バナナジュース専門店やDean and Delucaでのプロモーションは引き続き継続中。
    • メディアへの露出件数:1,101件(2023年3月末時点)
    • 再利用した日本国内規格外バナナ:約20万本(約30MT)
情報・金融カンパニー
安定的な調達・供給
汚染防止と資源循環 持続可能なライフスタイルを実現する商品の提供 リユース・リサイクル事業 国内における携帯中古端末の流通を通じ、限りある資源の有効利用による持続可能な社会の発展に貢献する。
  • 調達ソースの多角化による継続的かつ安定的な資源(機器)再活用を実現。
  • 携帯中古端末における認知度向上を図るため、各メディアへの露出等啓蒙活動の実行・促進。
  • 取扱品目(機種)及び調達ソースの拡大。
  • 流通チャネルの拡充
  • 取扱品目(機種)に関して、534機種(21年度)⇒671機種(22年度)に増加。(前年度比25.6%増加)
  • 調達ソースに関して、21年度の計3社(日本1カ国)⇒22年度は計6社(日本、香港、US含む3か国)に増加。
  • 流通チャネルとしては、大手EC事業者での販売を開始し好調な水準を維持。

体制・システム

事業段階毎の汚染防止と資源循環の評価手法

事業開始段階

伊藤忠商事が取組む事業投資案件については、その案件が社会、環境に与える影響を「投資等に関わるESGチェックリスト」により事前に評価しており、例えば汚染防止と資源循環の対応状況の把握も含まれています。専門的な知見を必要とする案件については外部専門機関に事前の調査を依頼し、調査の結果問題がないことを確認したうえで、投資実行することにしています。

伊藤忠商事は、「安定的な調達・供給」をサステナビリティ上の重要課題の一つと掲げ、生物多様性等、環境に配慮し、各国の需要に合わせた資源の有効利用と安定的な調達・供給に取組むことで、循環型社会を目指します。事業投資案件における汚染防止と資源循環の事前評価はこのような取組みを支えるものです。

事業運営段階

伊藤忠商事は、取扱う商品の環境・社会リスク評価のためのサプライチェーン・サステナビリティ調査を毎年実施し、当社及び連結子会社のサプライヤーの環境課題に対する管理手法等につき報告を求めています。同調査を通じて各サプライヤーの環境負荷軽減等の取組みを評価しつつ、継続的改善のPDCAサイクルを回していくことを促しています。

化学物質管理

化学品部門で取扱う化学品は、人の健康や環境にもたらす悪影響を最小化するため、製造、販売、輸送、保管等の様々な場面において、数多くの関連法規の規制を受けています。さらに、商品の取扱いに許認可を要するものも多数あり、法令違反を起こすと許認可が取り消され、化学品部門のビジネスに重大な影響を与えることにもなりかねません。

また、化学品のサプライチェーン全体でのリスク最小化を指向する国際的な流れの中で、先進国、途上国問わず、新たな規制の導入、既存規制の大型改正が始まっており、化学品を扱う上での法規制環境は今後ますます厳しくなるものと予想されます。

伊藤忠商事では、化学品を扱う企業として商品や業界の知識だけでなく、担当者一人ひとりが、自らの取扱っている商品についての法規制を正確に理解した上で、法令の要求事項に沿ってビジネスを行うことを基本方針としています。

化学物質を扱う部門での法令順守

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化学品部門が主管となり、化学物質を主に扱う化学品部門各営業部、及び化学品部門が主管するグループ会社が適切に法令を順守できるよう管理しています。また、化学品部門以外で化学品を一部扱う営業部門やグループ会社へも化学品部門より適宜指導、助言を行っています。

管理方法としては、外部コンサルティングへの問い合わせの徹底、及び専用システムによる一元的法令管理を基本としており、具体的には、2016年に独自開発した法令管理システムによる商品毎の化学物質レベルでの適用法令や対応事項の確認・記録化、重要法令に関するeラーニングの実施や主要法令の要点をまとめた関連法規ハンドブックの配布を通じた営業担当者への継続的教育を行うことで法令順守に努めています。

外部コンサルティング会社には、化学物質管理に関する高いノウハウを持つテクノヒル(株)(本社 東京都中央区、代表取締役 鈴木一行)を起用し、管理体制に関する総合的助言や商品毎の適用法令といった個別相談等、あらゆる面でサポートを受けています。

担当者一人ひとりの力量を高いレベルで維持・向上させるために、当社独自に編集した化学品関連法規ハンドブックを担当者全員に配布し、力量の向上に努めています。本ハンドブックでの掲載法令は32法令で、各法令の概要、遵守事項の要点を明記しています。化学品業界法の知見が十分でない新入社員や化学品部門以外で化学品を取扱う営業担当者が必要に応じて参照し、業界法への自発的気づきを促すことを目的としています。

これらの取組みにより、2022年度の免許停止等の重大違反はゼロ件でした。

緊急対応、事故対応への管理体制

伊藤忠商事の事故・緊急事態対応規程に沿って社内外への報告を行うと共に、事故の状況によって個別手順書に従い対応します。例えば毒物及び劇物に係る事故等が発生した際は、伊藤忠商事で定めた「医薬用外毒物劇物危害防止手順書」に沿って対応することとしており、具体的には「同規定添付の緊急連絡網に沿って必要な報告を行うとともに、速やかな対応を行い毒物劇物による危害を最小限にとどめる。」「飛散、漏れ、流出、しみだし、または地下にしみ込んだ場合において、不特定または多数の者について保険衛生上の危害が生ずるおそれがあるときは直ちにその旨を保健所、警察署、または消防期間に届け出るとともに、保険衛生上の危害を防止すべく必要な措置を講じる。」等の対応を行うこととしています。

取組み

循環型経済の実現を目指すRENU®プロジェクト

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ファッション産業における大量廃棄問題を解決し、循環型経済の実現を目指すRENU®(以下「RENU」)プロジェクトを2019年春より始動しました。第一弾商品として、これまで廃棄されてきた残反や使用済み衣料を原材料としてつくられた繊維由来の再生ポリエステルを展開しています。このプロジェクトを、消費者の手に届くまでのファッション産業の商流全体で展開することで、循環型経済に貢献します。

ご参考:RENU®プロジェクトWebサイト[別ウインドウで開きます]

[図]
RENUが目指すサーキュラーエコノミーの図

環境インパクト

RENUプロジェクトにおける再生ポリエステルの取扱いによる環境インパクトは次の通りです。

2020年度 2021年度 2022年度
原材料として投入した廃棄物 Tシャツ換算

3.5百万枚

6.0百万枚

6.3百万枚

CO2削減量

521t

893t

1,931t

水の削減量

875kL

1,500kL

6,500kL

  • 2021年度版LCAを採用

繊維製品回収サービスの展開

伊藤忠商事は、リユースやリサイクルを通じて資源循環型ビジネスを展開する(株)ecommitと業務提携契約を締結し、日本市場における繊維製品の回収サービス「Wear to Fashion(ウェア・トゥ・ファッション)」を展開します。2022年春より、全国の事業者・自治体を対象に順次サービスの提供を開始し、2023年1月現在、約1,000拠点より回収を行っております。2024年度では約6,000tの衣料回収を計画しています。

繊維業界が抱える廃棄問題の解決を目指す「RENUプロジェクト」の新たな取組みとなる本サービスでは、不要となった繊維製品を回収・選別し、リユース可能な製品はecommitのノウハウを活用してリユースし、リサイクル可能なポリエステル製品は「RENU」の原材料とすることで、廃棄される繊維製品を可能な限り削減し、サーキュラーエコノミーの実現を目指します。

英国最大の廃タイヤ回収・加工・リサイクル事業

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廃タイヤを加工した粒状ゴム

伊藤忠商事の英国タイヤ販売事業会社European Tyre Enterprise Limited傘下のMurffitts社では、英国で排出される廃タイヤを回収・加工し、リサイクル製品の販売を行っており、競技場や舗道・遊戯場の表面等の様々な産業用途に使用され、世界中に輸出されています。

また、粒状にした廃タイヤを真空状態下で熱することで、タイヤの主原料の一つであるカーボンブラック(CB)や再生燃料を生成する独自の熱分解技術の開発・商業化に取組んでいます。この取組みは、廃タイヤから生成した再生CBを使用することでタイヤ製造におけるサステナビリティを促進するものです。

海洋プラスチックごみを使用したポリ袋を開発

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海洋プラスチックごみを使用したポリ袋

伊藤忠商事は海洋ごみ問題を重要な社会問題と捉え、海洋プラスチックごみをマテリアルリサイクルし、再び製品化する事業に対馬市とも連携しながら取組んでいます。当社子会社の日本サニパック(株)は、日本最大手のゴミ袋メーカーとしての知見と技術を活かし、そのリサイクル海洋プラスチックごみを一部配合したポリ袋を世界で初めて開発しました。

当社と日本サニパックは、今回開発したポリ袋を対馬市やその他の地域で海岸のごみ清掃活動を必要とするエリアに一部無償で提供する等、海洋ごみ問題という社会課題を解決するための循環経済型のビジネスモデルを構築していきます。

※ 伊藤忠商事調べ

環境配慮型ゴミ袋「nocoo(ノクー)」を開発

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環境配慮型ゴミ袋「nocoo」

伊藤忠商事子会社の日本サニパック(株)は、二酸化炭素の削減につながる環境配慮型ゴミ袋「nocoo」を開発しました。nocooは、天然ライムストーンを原料に使用することにより、プラスチック使用量が約20%削減され、ゴミ袋製造時、燃焼時における二酸化炭素排出量がポリエチレン100%のゴミ袋と比べ約20%削減できます。2022年度の全国47都道府県におけるnocoo販売実績は5,117tで、1,177tのプラスチック使用量の削減、及び3,213tの二酸化炭素排出量の削減(焼却時)に貢献しました。
今後もnocooを通じて、いつものゴミ捨てで二酸化炭素削減、という誰にも身近な環境問題への取組みを進めていきます。

ご参考:環境配慮型ゴミ袋nocoo[別ウインドウで開きます]

海洋プラスチックごみを原材料に使用した買い物かご・食品回収BOXを全国のファミリーマート店舗に導入

伊藤忠商事は、(株)ファミリーマート、テラサイクルジャパン(同)と共に、長崎県対馬市に漂着した海洋プラスチックごみを原材料の一部に使用した買い物かごを開発しました。2021年2月から長崎県対馬市、壱岐市等を始めとするファミリーマートに順次導入しており、合計27店舗(2023年3月末時点)で使用しています。

また、ファミリーマートが展開する「ファミマフードドライブ」において、海洋プラスチックごみを原材料の一部に使用した食品回収BOXを、全国2,000店舗以上(2023年3月末時点)で導入しています。今後も地域に密着したSDGs活動を推進していきます。

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コンビニエンスストアでの環境配慮型容器包装の取組み

伊藤忠商事の子会社ファミリーマートでは「ファミマecoビジョン2050」プラスチック対策に向けた目標として環境配慮型容器包装比率を2030年に60%、2050年に100%とすることを掲げています。

ファミリーマートでは、容器包装の仕様変更により、容器包装の原材料に使用する石油系プラスチックの削減、及び環境配慮型素材の使用促進に取組んでいます。今後も2030年、2050年目標達成に向け、取引先や消費者の理解と協力を得ながら取組みを進めていきます。

  • 植物等を原料としたバイオマスプラスチックや再生PETを配合した素材による容器包装
環境配慮型容器包装の主な取組み実績
取組み内容 プラスチック使用量削減量
サラダの容器は全品バイオマスプラスチック等を使用した環境配慮型容器を使用 約900t/年 削減
「ファミマル」ブランドの天然水の容器を順次再生PET樹脂100%のリサイクルペットボトルに切り替え 約260t/年 削減見込み
  • 手巻きおむすびは、全商品の包材フィルムをバイオマスポリプロピレン(バイオPP)配合素材へ変更
  • サンドイッチ包材の薄肉化 及びヘッダー部分を四角から台形型に変更
約19t/年 削減
パスタ商品の一部容器に、ISCC認証を取得しているバイオPPを配合した容器を採用

コンビニエンスストアでのプラスチック削減の取組み

日本で2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法に基づき、ファミリーマートは「2019年度対比2030年度までに石油由来のプラスチック使用量を50%削減」することを目標に掲げ、お弁当、デザート、飲料等を購入されたお客様へ配布するプラスチック製スプーン、ストロー等の使用量削減に取組んでいます。

特定のプラスチック使用製品の削減に関する主な取組み実績
開始年 取組み内容 プラスチック使用量削減量
2021年~
  • プラスチックスプーンの持ち手部分のデザイン変更
  • プラスチック製フォークの提供を原則取りやめ
    (希望により箸へ代替又はフォークを継続提供)
  • 約12%/年 削減
  • 約250t/年 削減見込み
2022年~ 「コンビニエンスウェア ブルーグリーン」プロジェクトを発足し、洗って繰り返し使えるカトラリーセット、開いて洗えるストロー、生分解性バイオポリマー使用のスプーン・フォーク等の環境配慮素材を使用した商品を販売

再生可能資源由来バイオマスポリプロピレンの日本市場における事業展開

日本では、海洋プラスチックごみ問題や気候変動への対応として2030年までに約200万tのバイオマスプラスチック製品を導入する基本計画が策定されています。

伊藤忠商事は、Borealis AG(以下Borealis社)と再生可能資源由来のバイオマスポリプロピレン(バイオPP)に関する日本市場でのマーケティングについて合意しました。世界トップクラスのプラスチック樹脂メーカーであるBorealis社は2020年3月にはバイオPPの商業生産を開始し、欧州を始め世界へ拡販を進めています。当社はバイオPPを原料とする食品容器や包材の展開を進めており、2021年6月からファミリーマートのパスタ容器の一部を、日本初となるバイオPP使用の容器に変更しました。またその他衛生用品、日用雑貨、化粧品容器、オフィス用品、家電、自動車部品等、多様な分野での製品展開に取組んでいます。

マスバランス方式で製造されたBorealis社製のバイオPPの国内販売にあたっては、当社はISCC PLUS認証を取得しています。これは、持続可能な原料調達であることをサプライチェーン上でトレースできる形で証明する認証であり、バイオマス由来の原料割り当て分はGHG排出量削減に貢献します。

複層フィルム包材におけるマテリアルリサイクル技術の協業展開

伊藤忠商事と東洋インキSCホールディングス(株)は、複層フィルム包材のマテリアルリサイクル技術の協業展開について合意しました。

2019年、東洋インキグループは総合環境サービス企業の世界最大手と提携し、複層フィルム及び包材を構成するインキや粘接着剤等を脱離する技術を開発しました。2022年末に実証パイロットプラントの稼働を開始し、今後LCA(ライフサイクルアセスメント)評価・コストシミュレーション等の検証を行うことで、2023年中の実用化を進め、その後2025年までに商業プラントベースでの事業化検討を進めていきます。当社は本技術に関連する主要な製品材料における国内での独占マーケティング権及びアジア・欧州での優先交渉権を取得しており、本技術を用いたマテリアルリサイクルの仕組みの構築、リサイクル可能な環境配慮パッケージ設計の訴求を通じて、食品・日用品メーカー、小売り、ブランドオーナー等に向けた幅広い環境ソリューションの提供を行っていきます。

両社はこうした取組みにより現状再利用が困難な複層フィルム包材をリサイクル可能なものに転換し、国内外のマテリアルリサイクル率40%以上を目指します。

リサイクルナイロンブランド「ECONYL®」の展開

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伊藤忠商事は、世界最大のリサイクルナイロンブランド「ECONYL®(以下「エコニール」)」を展開するAquafil S.p.A.(以下Aquafil社)とナイロン循環リサイクルに関するビジネスの推進、拡大に向けて資本業務提携を締結しました。

ナイロンは石油由来の化学繊維及びプラスチック原料として、ファッション、カーペット、漁網、食品包材、自動車用部材等幅広い分野で使用される一方で、他原料との複合素材として使用されている製品も多く、リサイクルが難しい素材の一つでした。

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Aquafil社は、独自の技術でナイロン廃棄物をケミカルリサイクルによって粗原料であるカプロラクタム(CPL)まで戻し、不純物等を完全に除去しバージン材と同等品質で再利用できる循環リサイクルシステムを構築し、2011年よりスロベニアにて漁網やカーペット等の廃棄物を原料としてリサイクルナイロン「エコニール」の生産を開始しました。エコニールは100%廃棄物からのリサイクルのため、石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減が可能です。
伊藤忠商事は当社グループの持つ多様なネットワークを活かして、グローバルにファッションやカーペット、自動車用部材、包材等の用途向けに拡販していきます。2022年2月には、ファスナー製造・販売最大手のYKK社、Aquafil社と共同で、Aquafil社のリサイクルナイロンを原料にした環境配慮型のリサイクルファスナー、リサイクルボタンを開発しました。

さらに既存の販売チェーンからの廃棄用ナイロンの回収スキームを構築する予定で、Aquafil社への原料安定供給の観点からも協業をすすめていきます。廃棄物の回収から最終製品の販売までをAquafil社と共同で取組むことにより、付加価値の高いナイロン循環リサイクルの拡大を目指します。

PETボトルのリサイクルにおけるトレーサビリティの価値検証

伊藤忠商事、(株)ファミリーマート、旭化成(株)、伊藤忠プラスチックス(株)は、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy、ブルー・プラスチックス)」において、ファミリーマート実店舗におけるトレーサビリティシステムのプロトタイプを用いたPETボトルリサイクルの実証実験を2022年9月より実施しています。

これまで再生プラスチックを利用した製品のリサイクルチェーンや、回収後の使用済みプラスチックがどのような製品に再生されたかを消費者が知ることは困難でした。今回の実証実験では、使用済みPETボトルを回収BOXに投函したあと、リサイクル素材に加工されるまでを、スマートフォンのアプリで追跡できるサービスを提供することで、PETボトルのリサイクルチェーンの可視化が、消費者の行動変容・再生プラスチックの利活用促進に与える影響を調査し、トレーサビリティの価値を検証することを目的としています。

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今後、本実証を含む一連の取組みを通じて、デジタルプラットフォームによるトレーサビリティの価値を確認し、さらなるプラスチック資源循環を推進していきます。

ポリエステルのケミカルリサイクル技術ライセンス展開

伊藤忠商事、帝人(株)、日揮ホールディングス(株)は、ポリエステル製品からポリエステルをケミカルリサイクルする技術のライセンスを目的とした合弁事業会社「株式会社RePEaT(リピート)」以下「RePEaT」)を設立することとして合弁契約を締結しました。

近年気候変動が地球規模の課題となる中、繊維産業においては、製造工程におけるCO2の排出や、衣料品の大量廃棄が問題視されています。「ケミカルリサイクル」は、使用済み繊維製品を熱利用する「サーマルリカバリー」や別の製品原料とする「マテリアルリサイクル」といった一般的な方法と異なり、繊維製品を再び繊維原料へ化学分解することにより、繊維から繊維へのリサイクルができる画期的な方法です。

RePEaTは、帝人の持つポリエステルのケミカルリサイクル技術、グローバルにエンジニアリング事業を展開する日揮の知見、伊藤忠商事の持つ繊維業界の幅広いネットワークを活用し、廃棄されるポリエステル繊維製品を原料としたポリエステルのケミカルリサイクル技術を国内外へライセンス展開します。これによりコスト効率に優れたケミカルリサイクル事業へ参入する事業者をサポートします。

また、RePEaTは、リサイクル原料となる使用済みポリエステル繊維製品の回収を含めたエコシステム構築のコンサルティング事業を通じ、ポリエステル製品のリサイクルを推進することにより、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

セメント代替品「高炉スラグ」の世界No.1トレーダー

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高炉スラグを使った建造物

「高炉スラグ」とは、鉄鋼の製造工程の副産物です。セメント代替品としてセメントと混合して利用することで、セメントの原料である石灰石等の天然資源の節約が可能となり、さらにセメントのみでコンクリートを作る場合に比べ製造時のCO2発生を4割程度削減できる環境に優しい商品です。

また、海水等への耐久性が高く、長期に亘り中の鋼材が腐食しにくいため、港湾の大型土木工事等に広く使われています。

当社は20年程前から国内外の「高炉スラグ」を約10ヵ国に販売、世界No.1スラグトレーダーとしての取扱量を誇ります。世界規模での脱炭素の流れを受け、スラグの価値は今後益々高くなることが期待されていることからも、継続的・安定的な商流を構築し、スラグ事業への出資・参画を含め、注力していきます。

※ セメントと高炉スラグを55:45で混合して使用した場合で試算

外部との協働

容器包装リサイクル法への対応

伊藤忠商事は、容器包装リサイクル法が定める特定事業者として、循環型社会形成の推進に寄与することを目的として、容器包装の再商品化のために、毎年容器包装の自社製造・輸入量等を把握し、再商品化委託料を公益財団法人日本容器包装リサイクル協会に収めています。

過年度の委託料

(単位:円)

年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
実施委託料/
拠出委託料
実施 拠出 総額 実施 拠出 総額 実施 拠出 総額 実施 拠出 総額 実施 拠出 総額
ガラスびん 無色

814,414

0

814,414

704,782

9,344

714,126

750,030

0

750,030

813,659

0

813,659

925,650

0

925,650

茶色

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

その他の色

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

PETボトル

708

68

776

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

紙製容器包装

18,306

168

18,474

29,327

102

29,429

9,045

27

9,072

15,288

4

15,292

10,168

0

10,168

プラスチック製容器包装

631,798

47,052

678,850

1,057,941

0

1,057,941

1,197,091

0

1,197,091

1,463,900

4,537

1,468,437

2,432,519

0

2,432,519

合計

1,465,226

47,288

1,512,514

1,792,050

9,446

1,801,496

1,956,166

27

1,956,193

2,292,847

4,541

2,297,388

3,368,337

0

3,368,337

食品リサイクル法への対応

伊藤忠商事は、食品廃棄物排出量、再生利用量等の定期報告を行い、基準実施率(再生利用等の実施率目標)に沿って廃棄物の発生抑制、飼料化等のリサイクル促進に努めています。

食品リサイクル率
2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
リサイクルしている数量

廃棄物等の発生量(単位:t)

869.0

992.8

1,125.8

955.9

939.4

再生利用実施量(単位:t)

454.9

744.4

775.5

762.0

854.6

廃棄処分実施量(単位:t)

414.1

248.4

350.3

193.9

84.8

目標(個々の食品関連事業者ごとの再生利用等の実施率の目標)

基準実施率

77.8%

78.8%

79.8%

80.8%

80.8%

リサイクルしているパーセンテージ

再生利用等実施率※1

52.3%

75.1%

68.9%

81.9%

91.0%

  1. 再生利用等実施率は、農林水産省の定める「(発生抑制量+再生利用量+熱回収量×0.95+減量量)/(発生抑制量+発生量)」の計算式にて算出。
  • 2023年度目標80.8%

イニシアティブへの参画(財界・業界団体を通じた活動)

伊藤忠商事は、日本経済団体連合会の環境・エネルギー関係の委員会である「環境安全委員会地球環境部会」に参加し、自主行動計画の推進、温暖化、廃棄物・リサイクル、水を含む環境リスク対策等、経済と両立する環境政策の実現に取組んでいます。また、日本貿易会の「地球環境委員会」に参加し、脱炭素社会の構築、循環型社会の構築、環境関連法規への対応等に取組んでいます。「地球環境委員会」で掲げている目標は以下のとおりです。(商社は、業態として産業廃棄物の排出・最終処分量の目標策定になじまないため、参加企業単体の主なオフィスビルから排出される事業系一般廃棄物を対象として目標を策定しています。)

国内の事業活動における2025年度の削減目標(商社業界)

  • 【処分量】2000年度比82%削減
  • 【発生量】2000年度比62%削減
  • 【再資源化率】83%以上