ガバナンス
体制・システム
伊藤忠商事では、全社サステナビリティ推進のための施策は、サステナビリティ推進部が企画・立案し、担当役員であるCAOの決定の下、各組織のESG責任者及び推進担当者が実行していきます。また方針の策定や重要な案件については主要な社内委員会の一つである「サステナビリティ委員会」で審議・レビューしています。CAOは、サステナビリティ委員長としての役割に加え、取締役会、HMC及び投融資協議委員会に参加します。サステナビリティ推進の主たる活動状況を定期報告として取締役会へ報告しており、当社が環境や社会に与える影響と、環境や社会の変化が当社に及ぼす影響の両面を考慮し、意思決定を行います。
定期的に機関投資家との面談やアドバイザリーボード等、社内外のステークホルダーとの対話を図ることによって当社に対する社会の期待や要請を把握し、それらを持続可能な経営や本業を通じた社会課題の解決につながる取組みを推進するために活かしています。
サステナビリティ関連のガバナンス体制図(2026年6月19日現在)
- CAO: Chief Administrative Officer
HMC: Headquarters Management Committee
ERM: Enterprise Risk Management (全社的リスクマネジメント)
取締役会
伊藤忠グループは、サステナビリティ課題への対応を経営の重要課題の一つと認識し、取締役会にてサステナビリティに関するグループ方針・戦略・関連ビジネス推進の承認をするとともに、サステナビリティ開示情報の適切性を監督しています。
マテリアリティに関しては、リスクと機会への対応方針やサステナビリティアクションプランで示している具体的アプローチ、成果指標、進捗度合い等の重要事項のレビューを通し、取締役会がマテリアリティの妥当性を監督しています。
環境・社会リスクを含むサステナビリティ関連のリスクと機会に対応する事業戦略・投資戦略の執行(戦略の見直し・事業撤退判断を含む)に関して、伊藤忠商事では全ての新規投資案件に対し、事前のESGリスク評価として「投資等に関わるESGチェックリスト」を使用し、サステナビリティ関連のリスクに関する方針、体制及び取組み状況を把握、分析したうえで、重要事項を協議するHMCにてサステナビリティ関連のリスクを検証しています。
また、投資実行後は、サステナビリティ関連のリスクの予防を目的とする事業会社のサステナビリティ・モニターレビューや、人権デューデリジェンス、環境汚染等の未然防止を目的とする現地訪問調査等を多面的に実施しています。
バリューチェーン上の管理については、サプライヤーのESG取組み状況を確認するサステナビリティ調査を毎年実施しています。また、気候変動や自然資本へのリスクと機会に関する取組みはTCFDやTNFDフレームワークに基づく分析・開示を行っています。これらの審議内容や取組みについては、定期的にCAOから取締役会に報告され、取締役会が監督しています。
取締役会のスキル・コンピテンシー
伊藤忠商事のCAOはSDGs・ESG分野の専門的経験・知見を有しており、サステナビリティに関する各種施策の立案・実施を担当するサステナビリティ推進部より月2回程度の頻度で定期報告を受けています。また、外部有識者を招聘して毎年開催するサステナビリティアドバイザリーボードでの講義、意見交換を通じて、サステナビリティに関する世の中の動向、当社への期待、対応すべき課題に対する知見を深めています。
当社代表取締役であるCAOは、会社の全般的経営方針及び経営に関する重要事項を協議するHMCのメンバーとサステナビリティ委員会の委員長を兼務しており、サステナビリティに関する統括責任者としてサステナビリティ委員会で審議した事項を決定しています。なお、重要事項については、CAO決定後に、HMCで承認しています。当該決定事項は、CAOからサステナビリティ推進の主たる活動状況と共に年3回程度取締役会に報告することで、取締役会の監督にあたってのコンピテンシーを確保していると考えています。
サステナビリティ委員会
サステナビリティ関連事項に対応するための各種施策の立案・実施に関する審議を行うサステナビリティ委員会は、サステナビリティ関連目標の設定や進捗管理、リスクと機会の識別・評価・管理を行っています。取締役会はサステナビリティ関連のリスク及び機会に対応する事業戦略・投資戦略の執行(戦略の見直し・事業撤退判断を含む)を監督しています。また、各カンパニー及び職能部署の経営管理者をESG責任者に任命し、ESG責任者がサステナビリティ関連事項について各種施策・取組みの進捗を管理し、サステナビリティ委員会に報告しています。
2025年度サステナビリティ関連審議・報告実績
(部署名は当時)
| サステナビリティ 関連会議体 |
メンバー | 開催数 | 主な承認・審議・報告内容 |
| 取締役会 | 取締役・監査役 | 4回 |
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| サステナビリティ 委員会 |
委員長: CAO 委員:
業務部
広報部 人事・総務部 法務部 財務部 経理部 統合RM部 IR部 各部長 営業カンパニー 経営企画部長 常勤監査役 |
3回 |
承認事項
報告事項
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サステナビリティアドバイザリーボード
サステナビリティアドバイザリーボードは、伊藤忠商事のビジネスが多様化・広域化する中で、経営幹部と外部ステークホルダーとの対話を通じ、目指すサステナビリティの方向性と社会のニーズとの合致を確認し、サステナビリティ推進に活かすことを目的として設置したものです。当社では毎年開催しています。
サステナビリティアドバイザリーボード2025実施概要


2025年度のアドバイザリーボードは、「ESG投資を取り巻く環境と企業価値の向上」をテーマに、有識者3名をお迎えし、2026年2月に開催しました。まず当社のESG経営とサステナブルファイナンスについて現状や課題を紹介しました。
続いて有識者の方々からはそれぞれ異なった立場から講義をいただきました。サステナビリティ経営研究所の冨田氏より、サステナビリティやESGの歴史的変遷や国際的な潮流、企業経営に求められる柔軟な対応について、IFRS財団ISSB理事の小森氏より、ISSB基準によるサステナビリティ関連財務情報の開示の重要性や、経営戦略と連動した実質的な情報開示のポイントについて、AIGCCの鷹羽氏より、投資家の立場から企業に期待する気候変動対策や、その評価フレームワークについて最新動向の講義をいただきました。
2025年は反ESGの動きの加速や、欧州のサステナビリティ開示法令の軌道修正などが起きるなか、特に米国ではもともとESGに優れた企業であってもサステナビリティ関連の開示が後退することが起き、一方、日本企業では、変わらず取組みや情報開示を拡充している企業もあるなど、企業各社の対応が多様化している状況でした。今回のアドバイザリーボードにおける意見交換を通じて、企業が環境・社会・ガバナンス等に取組むことは、法制化のレベルで浸透しており、引続き投資家から企業に対する新たな取組みや開示への期待が底堅いことを確認しました。伊藤忠グループでは、今後とも気候変動や人権など様々サステナビリティ上の課題に対して本業を通じて取組み、ステークホルダーの皆様にわかりやすく伝えていくよう努めていきます。
過去の実施概要
(役職は当時)
| 2025年度 |
ESG投資を取り巻く環境と企業価値の向上
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| 2024年度 |
GHG排出量削減のためのサプライヤーエンゲージメント
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| 2023年度 |
自然資本・生物多様性・TNFD
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| 2022年度 |
サプライチェーンと人権
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| 2021年度 |
カーボンクレジット
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サステナビリティの社内浸透
伊藤忠商事は、サステナビリティ活動の推進にあたり、グループを含む役員及び従業員に一層の理解を促し、最新の世界動向に則した社会課題の解決に事業を通じて取組んでいくため、様々な社内啓発活動を行っています。
サステナビリティ推進に関する啓発活動の実施
サステナビリティの社内浸透と意識調査を目的として、伊藤忠商事の役員・全従業員を対象に「サステナビリティ一般教育」を毎年実施しています。この研修は、環境、ビジネスと人権等に関する世の中の動向やその状況を受けた伊藤忠の取組み、方針、施策について理解を促す内容としています。また、受講修了時に実施するアンケートに寄せられた意見や理解度の状況を翌年度の研修に活かしています。
| テーマ | 受講率 | |
| 2025年度 |
CAOメッセージ、経営方針とサステナビリティ、環境・社会リスク対応、社会貢献活動による企業価値向上、サステナビリティ関連財務開示の義務化 |
100% |
| 2024年度 |
CAOメッセージ、経営方針とサステナビリティ、GHG排出量削減目標と削減貢献量、環境・社会リスク対応、(トピック)自然資本 |
100% |
| 2023年度 |
CAOメッセージ、三方よし資本主義、企業価値向上に資する非財務の役割、開示要請の広がり、環境GHGから自然資本へ拡大、社会・人権 |
100% |
| 2022年度 |
SDGsとサステナビリティ(最新動向、サステナビリティアクションプラン、GHG排出量削減・気候変動対策、ビジネスと人権、サプライチェーンマネジメント等) |
100% |
| 2021年度 |
SDGsとサステナビリティ(最新動向、伊藤忠グループのリスクと機会、GHG排出量削減・気候変動対策、ビジネスと人権、サプライチェーンマネジメント等) |
100% |
サステナビリティセミナー
様々なサステナビリティ課題に関して社外の方の見識や意見を取り入れることで、伊藤忠グループの従業員の実践的な知見が向上することを目指し、サステナビリティセミナーを2007年から継続的に開催しています。

矢守執行役員/パートナー
2024年度は、環境省自然環境局生物多様性主流化室の永田綾室長をお招きし、国際的な生物多様性枠組み、日本のネイチャーポジティブ経済移行戦略から企業の具体的な取組み例について、講演いただきました。当日は100名以上の社員が集まり、体系的なお話を聞きながら、自らの担当業務の自然資本への関わり方についても考える良い機会となりました。
2025年度は、株式会社オウルズコンサルティンググループの矢守執行役員/パートナーに、明日から始める「ビジネスと人権」と題して、当社の経営基盤である「か・け・ふ」即ち「稼ぐ・削る・防ぐ」の3つの視点から考える企業が対応すべき人権尊重の取組みについて講演いただきました。当日は100名以上の従業員が参加し、現場目線を織り交ぜた講演により、実践的な人権尊重の取組みを学ぶことができました。
| 2025年度 |
明日から始める「ビジネスと人権」~「か・け・ふ」の視点から考える人権尊重とは~ |
| 2024年度 |
ビジネスにおける自然資本への配慮・共存の重要性について |
| 2023年度 |
生物多様性に関する研修(基礎編、実践編) |
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気候変動情報開示及びシナリオ分析に向けた説明会 |
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| 2022年度 |
伊藤忠グループにおけるScope3排出量の算定方法について |
| 2021年度 |
CO2っていつ、どこで生じるの?~Life Cycle Assessment(LCA)勉強会 |
サステナビリティ推進に関する研修の実施
サステナビリティの社内浸透を目的とし、社内向けの各種研修において、サステナビリティ推進に関する研修を実施し、それぞれの業務領域、職責に応じて理解しておくべき環境、人権等に関する知識理解、サステナビリティ意識の向上に努めています。
| 研修名 | 対象者 | 研修内容 | 2025年度参加人数 |
| ESG推進担当説明会 |
ESG推進担当 |
伊藤忠グループのESG推進担当者としての |
90 |
| 新入社員研修 |
新入社員 |
伊藤忠グループのサステナビリティ推進について |
155 |
| 新任課長研修 |
新任課長 |
伊藤忠グループのサステナビリティ推進とその重要性 |
53 |
| 海外赴任前研修 |
海外赴任が決定した社員 |
伊藤忠グループのサステナビリティ推進と海外に |
221 |
| グループ会社 新任役員研修 |
グループ会社の |
伊藤忠グループのサステナビリティ推進とグループ間連携の重要性 |
95 |
| サステナビリティ調査説明会 |
サステナビリティ |
「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」 |
85 |

