CSRアドバイザリーボード 2016
実施概要
伊藤忠商事の経営幹部と外部ステークホルダーがサステナビリティについて対話を行うCSRアドバイザリーボードを2月17日東京本社で開催致しました。CSRアドバイザリーボードは、伊藤忠商事のビジネスが多様化・広域化する中で、目指すサステナビリティの方向性が社会のニーズと合致しているかを、外部ステークホルダーとの対話を通じサステナビリティ推進に活かすことを目的として設置したものです。
2016年度は、2016年11月に温暖化対策を進める国際的な枠組みであるパリ協定が発効したことを背景に、「気候変動が事業活動に及ぼす影響」、「マテリアティと持続可能な開発目標(SDGs)推進について」、「ESG投資の拡大」、「ステークホルダーへの情報開示」について議論が行われました。金融、NGO、アカデミック分野で活躍される専門家から「再生可能エネルギーなどの伊藤忠商事の事業活動は、社会課題の解決に貢献している為、今後も気候変動などの環境の変化を、ビジネスチャンスとして捉え、事業規模を拡大して取り組んでほしい」など伊藤忠への期待と共に、投資環境、他企業の動向等も踏まえた率直な御意見をいただき、活発な議論が交わされました。いただいたご意見は今後のサステナビリティ推進に活かすとともに、伊藤忠商事の事業活動に関する情報発信を通じてステークホルダーへの理解促進につなげていきます。
日時 | 2017年2月17日 |
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テーマ | 気候変動が事業活動に及ぼす影響について |
参加者 |
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参加者の主な意見
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パリ協定は法的拘束力があり国連レベルでPDCAサイクルを実行する国際条約。先進国と途上国、すべての国が削減に取り組むところに特色があり、さらに企業や自治体も含めて対策行動を宣言している。アメリカのトランプ政権など一過的には世界の温暖化対策の機運をそぐ流れがあっても、長期的には一国の政治的な揺れ動きよりも、共通のものさしであるパリ協定の重要性が高まる。伊藤忠商事が取り組んでいる「米国や、CITICと共同で進める欧州での風力発電、洪水や停電に強く、現地での雇用創出などに寄与するカラワン工業団地」などの事業活動は、気候変動などの社会課題解決に貢献しているため、今後も事業規模を拡大して、取り組んで頂きたい。
![[写真]](/ja/img/cs_itc_sh16_img04.jpg)
欧州と比較して取り組みが遅れていた日本のESG投資だが、2015年9月に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国連責任投資原則(PRI)に署名したことにより急速な伸びを見せ、運用委託会社もESGミーティングや国際的な枠組みであるSDGsを基にした企業評価を行うなど、ESG投資への関心が高まっている。気候変動による農作物収量減少などの経済リスクへの適応策や、地域住民の生活向上の貢献インパクトなど社会的課題解決への寄与について、定量的にわかりやすく説明することが重要である。
![[写真]](/ja/img/cs_itc_sh16_img05.jpg)
EUがNFR(Non-financial reporting)指令を発効させ、金融安定理事会(FSB)が気候関連情報の財務情報化を進めるなど、グローバルにESG情報開示の義務化が進んでいる。本業を通じて、気候変動を含む地球規模の課題の解決を目指すこととともに、読み手を想定した上で、自社の強みを投資家、ステークホルダーにわかりやすく情報開示していく必要がある。企業で働く次世代は、最終的な収益だけではなく、企業の将来ビジョンや価値創造、社会貢献活動等を見据えて、自らの働き甲斐の手応えを得ようとしていると思う。こうした次世代との対話をしっかり行っていくことが、企業が持続的に成長するための基本だと思う。