CSRアドバイザリーボード 2015

実施概要

伊藤忠商事の経営幹部と外部ステークホルダーがCSRの課題について対話を行うCSRアドバイザリーボードを2月10日東京本社で開催致しました。CSRアドバイザリーボードは、伊藤忠商事のビジネスが多様化・広域化する中で、⽬指すCSRの⽅向性が社会のニーズと合致しているかを、外部ステークホルダーとの対話を通じCSR推進に活かすことを⽬的として設置したものです。
2015年度は、国連総会で「ミレニアム開発目標(MDGs)」の次の目標として2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年9月に採択されたことを背景に、「SDGsがビジネスに与える影響について」として、17目標のうち「質の高い教育の普及」「持続可能なエネルギーの確保」「経済成長と雇用の改善」を中心に、伊藤忠商事が事業活動を通じて解決に貢献しているSDGsのそれぞれの目標について議論しました。
金融や国連関係者、アカデミック分野で活躍される専門家から、「伊藤忠商事の『三方よし』の精神で事業活動を通じてSDGsの目標達成に寄与することは、社会と共に会社が中長期的に成長することを示す為、企業戦略と絡めSDGsの取り組みを説明していくことが大切。」など投資環境、他企業の動向等も踏まえた率直な御意見をいただき、活発な議論が交わされました。いただいたご意見は今後のCSR推進に活かすとともに、伊藤忠商事の事業活動に関する情報発信を通じてステークホルダーへの理解促進につなげていきます。

日時

2016年2月10日

テーマ

SDGsがビジネスに与える影響について

参加者
  • CSRアドバイザリーボードメンバー
    • 近藤 哲生 氏(国連開発計画(UNDP)駐日代表)
    • 原田 勝広 氏(明治学院大学 教授)
    • 河口 真理子 氏(株式会社大和総研 主席研究員)
  • 伊藤忠商事メンバー
    • 小林 文彦(代表取締役 常務執行役員 CAO)
    • 貝塚 寛雪(執行役員 業務部長)
    • 三浦 省司(繊維経営企画部長)
    • 瀬戸 憲治(金属経営企画部長)
    • 田中 正哉(エネルギー・化学品経営企画部長)
    • 小野 博也(広報部CSR・地球環境室 (司会))
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参加者の主な意見

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近藤 哲生 氏

MDGsからSDGsへの一番大きな変化は、途上国の貧困等の課題解決というテーマから、地球の経済・環境・社会の課題を先進国も含めた全世界で解決するというより大きなテーマにシフトしたこと。利潤構造がさらに雇用拡大に繋がる取組が重要で、伊藤忠商事の「プレオーガニックコットンプログラム」に代表されるような「SDGsは事業活動そのもの」という考え方に基づく事業展開を今後も継続・拡大頂きたい。 

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原田 勝広 氏

地球規模の問題解決を目指すSDGsには企業価値向上につながるビジネスの芽が沢山あり、SDGsを通じてビジネスを多角的に捉え機会を広げて行くことが大競争時代を勝ち抜くことに繋がる。今後はゼロカーボンの世界が注目されているが、伊藤忠には引き続き太陽光発電・地熱発電・風力発電・蓄電池事業等を積極的に推進すること、アフリカでの新しいビジネス等にも期待したい。

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河口 真理子 氏

欧州では運用資産全体に占めるESG(環境や社会、ガバナンスに配慮した投資)のシェアは6割あるなど、世界的には主流の考え方になりつつある。また日本の投資家の間でもESGへの関心が急速に高まっている。気候変動に対応する再生可能エネルギーやPOC等の社会課題への取組みを継続推進し、長期的な戦略とSDGsをからめて投資家に説明できれば、企業にとっても有益である。