AI技術を活用した次世代蓄電システムの販売

一般家庭用の次世代蓄電システム「Smart Star」シリーズの国内販売を行っています。同シリーズには家庭用蓄電池の最適運用を管理するAIソフトウェア「グリッドシェア」を搭載しています。
「グリッドシェア」は気象予報等に基づいて太陽光発電システムの発電量を予測するとともに、各家庭の電力消費パターン等を分析、学習します。そしてNFブロッサムテクノロジーズ社のIoT遠隔制御システムと連動して蓄電池個別の最適な充放電を制御し、太陽光発電システムならびに蓄電池の効率的な運用を可能に致します。また、「グリッドシェア」による遠隔での蓄電池充放電制御機能を活用し、昨今の電力需給逼迫の状況の解決策として注目されている家庭用蓄電池によるデマンドレスポンス実証を電力会社等と取り組み、商用化を目指しております。
「Smart Star」シリーズは、NFブロッサムテクノロジーズ社を製造元、伊藤忠商事を総販売元として、2024年1月末時点で累計約60,000台(600MWh/180MW相当)の販売実績があります。

また、東京センチュリー株式会社との合弁会社IBeeT社を設立し、初期費用のかからないサブスクリプション方式での「Smart Star」シリーズを含む分散型電源並びに関連機器の提供、東京電力ベンチャーズ株式会社からの株式取得を通したTRENDE株式会社の連結子会社化によるP2P電力取引※1の更なる推進なども取り組んでいます。

新たな取り組みとして、国内で普及の進む蓄電所事業に取り組んでおり、カネカグループとの兵庫県豊岡市での案件、大阪ガス株式会社と東京センチュリー株式会社と取り組む大阪府吹田市での案件、東急不動産グループと取り組む福岡県での案件といった具体的な蓄電所案件の構築を進めております。また東京都が進める創エネ・蓄エネ推進ファンド事業の中で、伊藤忠と共同事業者となるGore Street Capital Limitedが運営事業者に選定され、系統用蓄電所を投資対象とした概ね100億円規模のファンドの創設も進めております。このような蓄電所アセットの積上げに留まらず、オフグリッド型脱炭素エネルギーソリューションを推進する豪州UON Pty Ltd.との戦略的資本業務提携契約を締結し、国内で取り組む分散型電源ビジネスを海外へと展開を進めています。住宅用蓄電池から大型蓄電所、オングリットからオフグリットなど幅広い取組を通じ、これまでの投資バリューチェーンの中で更なるシナジーを生み出していきます。

伊藤忠商事の培って来た蓄電池ビジネスを優良なパートナーと共に進化させ、再生可能エネルギーの効率運用、電力の安定供給化ならびに分散型エネルギーを活用した脱炭素社会の実現に向けて貢献して参ります。

  • ※1P2P(Peer to Peer)電力取引:発電・蓄電設備の保有者(プロシューマ―)と電力の需要家(コンシューマー)が、プラットフォーム上で電力を直接取引するビジネスモデル。