PROJECT TREE
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伊藤忠商事は、インドネシア・スマトラ島のパレンバンとジャンビで2つの天然ゴム加工工場を経営するPT Aneka Bumi Pratama(ABP)を保有しています。
ABPは、スマトラ島中南部の小規模農家が経営する農園からゴム原料を購入していますが、インドネシアの天然ゴムの商流は複雑に入り組んでおり、透明性は確保されていません。だからこそ、商流の下流にいる会社には持続可能な生産の実現に積極的に寄与することが求められています。
PROJECT TREE とは、Transparent Rubber Ecosystem for Earthの頭文字をとったもので、天然ゴム業界のトレーサビリティ及び持続可能性向上を目指し伊藤忠商事が発足させたプロジェクトです。
伊藤忠商事が開発した原産地追跡システムのスマートフォンアプリによって取引内容・日時・位置情報などがブロックチェーン上に記録され、原産地情報付きの天然ゴムとしてタイヤメーカーへ販売されます。そこで生産される協賛タイヤの売上の一部から原料サプライヤーへ対価を支払う仕組みを実装しています。
また約200人のサステナビリティ活動員が、小規模農家の実態調査、リスクアセスメント、小規模農家の収入増に貢献するゴムの栽培に関する農業技術支援等を行っています。この活動によって、欧州森林破壊防止規則(EUDR)への対応を進めており、既にEUDR品の供給を開始しました。
当プロジェクトは、同業の天然ゴム加工会社や、タイヤ卸・小売・自動車メーカー、消費者等、天然ゴムに関わる全てのステークホルダーに広げていく構想であり、協賛するタイヤ製品の世界展開を目指します。また、持続可能な天然ゴムのための新たなグローバルプラットフォーム「Global Platform for Sustainable Natural Rubber(GPSNR)」のポリシー及び目標達成に貢献する事も期待されています。