日本の人気絵本「もったいないばあさん」~海を渡ってインドの子どもたちへの意識改革を目指す~

2018年8月1日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、社会貢献活動基本方針の「環境保全」「次世代育成」並びに国連SDGs持続可能な開発目標に寄与する取組みとして、インド首都デリーの小学校で、日本でも人気の絵本『もったいないばあさん』(作者:真珠まりこ)の読み聞かせキャラバンを講談社等と展開します。現地にはない、日本の教育的絵本の普及を通じて、インドで深刻となっている環境問題への持続的な解決につなげていくことを目指します。

経済成長が続くインドではゴミの不法投棄や屋外排泄が恒常化しており、インド政府は2014年10月から「クリーン・インディア(ヒンディ語で『スワッチ・バーラト』)」キャンペーンを展開し、インフラ整備を進めていますが、人々への啓蒙活動は遅れている状況です。そのような中、インドの子供たちの意識改革を行い、深刻化する環境・衛生問題の改善に貢献しようというものです。
この事業は2016年にJICAの「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」(現:途上国の課題解決型ビジネス(SDGsビジネス)調査)に採択されており、今回、JICA評価部の協力で事業の開発効果を検証する「インパクト評価」調査が同時に実施されます。

伊藤忠商事は、公益財団法人伊藤忠記念財団の設立以来(1974年)40年以上の長きにわたり青少年の健全育成を目的とした社会貢献活動を進めてきました。本取組みにて、絵本が十分行き届いていない環境にいる子どもたちへの読書啓発に繋がることを期待します。

読み聞かせキャラバンの概要

主催 株式会社講談社
実施団体 Govindalaya、IJK(IJ Kakehashi Services)
協賛 伊藤忠商事株式会社、伊藤忠インド会社、マルチ・スズキ・インディア
協力 独立行政法人国際協力機構(JICA)、NBT(National Book Trust, India)
実施期間 2018年7月23日~10月末(予定)
目的 1)インドの子どもたち(9~12歳)に絵本「もったいないばあさん」を読み聞かせ、環境・衛生に関する啓蒙活動を行い、インド政府が推し進める「クリーン・インディア」に貢献するのが狙い。
キャラバンカーの内部には約300冊の絵本を搭載、移動図書館の機能も兼ね備える。

2)インパクト調査は実施30校と非実施30校とを比較し、開発効果を検証する。

*上記60校にベースライン調査を実施し、子供たちの現状を把握。
事業実施後に子供たちの知識・意識・態度などの変容、行動の変化を質問票調査で測定。
対象地域と学校 デリー及び近郊のハリヤナ州政府学校が対象(約40名×30校の生徒に各3回、3600名)

各社のロゴが入ったキャラバンカー

絵本「もったいないばあさん」について

著者は絵本作家の真珠まりこ。2004年刊行の「もったいないばあさん」は日本以外にもフランス、中国、韓国、タイでも出版され、「もったいないばあさん」シリーズは現在までに計14冊、累計発行部数は100万部を超えました。2018年1月、「もったいないばあさん」(ヒンディ語&英語のバイリンガル版) インドの政府系出版社のNBT(ナショナル・ブック・トラスト)から出版されました。2018年内には「もったいないばあさん まほうのくにへ」、「もったいないばあさんの いただきます」の2冊も刊行される予定。

伊藤忠記念財団について

1974年に公益財団法人伊藤忠記念財団を設立して以来、40年にわたり青少年の健全育成を目的とした社会貢献活動を継続して進めてきました。絵本を通して、子どもたちが豊かな心と、どんな時も夢と希望を持って明るい未来に歩む力を育めるよう、国内外での「子ども文庫助成事業」、「電子図書普及事業」を同財団の活動の柱としています。近年では、被災地や病院など、絵本が十分行き届いていない環境にいる子どもたちへの読書啓発にも力を入れています。
こうした支援を海外の子どもたちにも届けたいとの思いから、海外でも絵本を通じた支援を行っています。

インドにおける伊藤忠の活動について

1918年にカルカッタ(現コルカタ)に出張所を開設し、戦後にムンバイ支店、ニューデリー支店、チェンナイ支店を開設。2006年にはビジネス上軽視できないBRICsの経済中心地として急発展するインド国内で、現地法人ITOCHU India Pvt. Ltd.を立ち上げました。もともと綿花と綿糸の取引が始まりですが、現在では繊維原料だけでなく、機械、化学品、金属、エネルギー、食品、生活資材、物流など全方位へ事業を拡大しています。