日本初マングローブ由来でのブルーカーボン・クレジット創出

奄美大島・宇検村マングローブ植林プロジェクトでJブルークレジット®認証取得

2025年12月22日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、奄美大島・宇検村(うけんそん)と2021年から共同で推進してきた「奄美大島・宇検村マングローブ植林プロジェクト」(以下「本プロジェクト」)において、2025年12月19日にJブルークレジット®※1認証を取得しました。国内でのマングローブ植林によるブルーカーボン・クレジット創出は、本プロジェクトが初めてとなります。※2

奄美大島の西岸に位置する宇検村は、子どもたちのふるさとの自然への誇りを育む取組みとして、2014年から地元の小学生によるマングローブ植林活動を行ってきました。伊藤忠商事は、次世代育成、環境保全の社会貢献活動として、ブルーカーボン・クレジットの創出やネイチャーポジティブへの貢献も視野に、2021年よりマングローブ植林活動に参加、支援してきました。マングローブは単位面積あたりのCO2吸収量が多く、気候変動対策の観点で注目されています。また、本プロジェクトによる奄美の希少な自然環境や生物多様性の保全も期待されます。

今回取得したJブルークレジット®認証は現時点の植林面積である約1,073㎡に対するものですが、今後も継続的な活動を通じて日本におけるブルーカーボン※3推進に寄与し、環境課題への対応を強化していきます。

また、本プロジェクトにおいて、伊藤忠商事・宇検村・学校法人上智学院・日本航空株式会社の4者で2023年に産学官連携協定を締結し、地域の環境保全・振興にも取り組んでいます。 マングローブ植林を中心とした体験型ツアーや環境教育に社員・学生が積極的に参加しており、地域社会との協働を通じて、次世代の環境リーダー育成や地域経済の活性化に貢献しています。

認証内容

プロジェクト名称 奄美大島・宇検村マングローブ植林プロジェクト
申請者 伊藤忠商事株式会社・宇検村
クレジット保有者 宇検村(宇検村のゼロカーボンシティ実現に向けて保有)
実施場所 鹿児島県大島郡宇検村宇検 枝手久島
プロジェクト開始時期 2021年8月~
認証対象吸収量 0.3t-CO2
認証対象植林面積 約1,073㎡

奄美大島・宇検村の地図

伊藤忠社員・宇検村役場職員・
上智大学生・JAL社員での植林(2024年)

  • ※1Jブルークレジット®とは
    国土交通大臣認可法人である「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合」(以下「JBE」)が発行するCO2吸収量クレジットです。JBEから独立した第三者委員会による審査・意見を経て、JBE が認証・発行・管理します。企業等のクレジット購入者は、削減努力だけでは減らせない温室効果ガスの排出量を、購入したクレジットでオフセット(埋め合わせ)をすることができます。
  • ※2鹿児島県大島郡瀬戸内町のマングローブ植林によるブルーカーボンプロジェクトも、この度同時にJブルークレジット®の認証を取得しました。
  • ※3ブルーカーボンとは
    森林など、陸上生態系が吸収した炭素(カーボン)を「グリーンカーボン」と呼びます。一方で、マングローブ、干潟、藻場などの沿岸・海洋生態系が吸収した炭素のことを「ブルーカーボン」と呼びます。特にマングローブは、単位面積あたりのCO2吸収量が多いことで知られています。